4懐かしむ(花承、花京院死後)

あの日、決着がついた。百年に渡る因縁に。
敵としてお前が現れてから一緒にいた？長い旅だった。犠牲も出た。お前もその犠牲の一人だった。
あれから何年か経った。ふと、掃除をしていて懐かしい写真が見つかった。お前は覚えているだろうか。全員揃って撮った写真。イギーがポルナレフに噛み付こうとしてたり、そういや、じじいも相変わらずのテンションだった。アブドゥルは相変わらずだったがな。で、真ん中にはカメラを睨みつけているみたいな俺とニコニコしてるお前。
そんな感じで取られた写真だ。今でも鮮明に思い出せる。

「花京院」

返事が来るはずないがなんとなく、呼んでみる。さくらんぼが好物でゲームが好きで、妙な前髪をしてるが優しい、花京院。ぶっきらぼうな俺に少し笑いながら「好きだよ」と言った、花京院。帰ってこないけど、思い出の中には残っている。

「懐かしいな」

また今度、墓にさくらんぼでも持っていってやろう。きっとあいつのことだ。天国で喜ぶだろ。
取り出したヒトデとイルカの写真立てに。

遠くても通じる懐かしい道。