恋する動詞

「絶対プリン食べたろ!」
「食べてない!」
「食べたろ!?」
「食べてないっつーの!」

冷蔵庫の中には見当たらなかった。机の上にはなかった。どこにもなかった。ジョセフが楽しみにしていたプリンが、ない。ジョセフは真っ先にシーザーを疑った。理由はないが疑った。それで初めに戻る。シーザーとジョセフは喧嘩をしている。

「食べたろ!返せよー倍にして返せよー」
「食べてねぇ!」
「倍返しだ!」
「俺の唐揚げー!」
「二人共」

それを見ていたリサリサがは箸をおいた。それでシーザーとジョセフはしんと静まり返った。

「食事中です」
『……はい』
「あー……」

静かになった二人を見てスージーQがポリポリと頬を掻く。

「ごめんねぇん……ジョセフのプリン私が食べちゃった!」
「なん…だとぉぉ!!」

ガタンと立ち上がったジョセフをひと睨みするリサリサ。それに気づいてジョセフはまた座った。スージーQがごめんね!と謝っていたのを見てはぁっと溜め息をついたジョセフ。シーザーはぼそっと耳打ちをした。

「後で疑った責任取ってもらおうか」
「嫌だ。どうせ引っぱたくとかプリン奢れとかだろ?身体にもお財布にも痛いのは嫌だぜー僕ちゃんはッ」
「んなことしねぇよ。はじめは痛いかもしれねーけど、優しくするからさ」
「何する気だよお前……?」

聞いても返事は返ってこなかった。が、シーザーが不敵な笑みを浮かべていたのを見ると嫌な予感しかしないジョセフであった。
翌日、腰をさすりながらシーザーの部屋から出てくるジョセフがいたとかなんだとか。
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