恋する動詞

空に花びらが舞っていく。蝶のように高く高く、ピンクや黄色などの花弁が上がっていく。出来ればこの花びらがもっと高いところまで登って彼に伝わらないだろうか。彼、ブチャラティの墓の前でジョルノは思った。あの戦いからはや数ヶ月。現パッショーネボスは空を見上げてふと伝わらないものかて思った。今のこと、前の事、未来のことも。

「貴方から受け継いだものは僕が受け継ぎますから……安心して、安らかに眠ってください」

ジョルノの思いを受け取ったのか風が吹いて花がさらに遠くへと飛んでいった。

「言っていませんでしたが……僕はあなたが……」

好きと言い終わるまえに強い風がざぁっと吹いた。彼方へ消えていく花弁を見つめたあとジョルノは踵を返した。
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