恋する動詞

いつから気づいていたのか?いつかはわからない。すごく昔か、あるいはちょっと前か、もしくは今この瞬間か。なんであれ目の前の恋に気付いてしまったわけだ。なんとかしないわけにはいかない。どんな相手であれ好きになってしまったのならしょうがないのだ。たとえいけ好かない奴だとしても。

「露伴センセー?」
「なんだよ」
「そんな怒ったように言わなくても」
「ふん」

どうして気付いてしまったんだろう。気づかなければよかった。
露伴は後悔をした。なぜ気にしてしまうのか、なぜ気付いてしまったのか。目の前で笑っている東方仗助はむすっと膨れている露伴にちょっと気を使っているようだ。原因が自分に対しての恋心だと知らずに。

「せ、センセー!?顔真っ赤っすよ?」
「ううううるさい!寄るな!」
「でっでも、風邪かも……」
「僕のことなんてほっといてくれ!」

そう言って駆け出した露伴であった。仗助はその場で呆気にとられていた。一体彼はなんで顔が真っ赤なのだろうか、と。
駆け出した露伴は露伴でなんであんなこと言ったんだろ、とちょっと後悔した。先程から後悔ばかりしている。

「……くそっ」

よりによってあのくそったれ仗助にこんな感情を抱くなんて、夢にも……いや悪夢にも思わなかった。と悪態をつきながら、自宅の扉を開ける。初めてのことで戸惑っている。いつになったら認めることができるのだろう。

「僕は認めないからな!!」

.*・☆あのスカタンに恋心を抱くなんて!☆・*.
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