恋する動詞

「ああなんて可哀想なディアボロ!」
「……元凶が言うなよ」
「それもそうですよね」

ディアボロは混乱していた。なぜ今、目の前にコイツがいるのか、自分を陥れたジョルノジョバーナが、目の前にいるのか。レクイエムを受けてからというもののもう何回死んだかは分かっていない。いきなり元凶が現れて混乱しているディアボロにジョルノの目的など分かるわけがなかった。

「まぁ元気そうでよかったですよ」
「これを元気って言えるわけ無いだろ」
「でしょうね」
「……」

全く意味がわからない、と言ったようにディアボロは冷たい目で睨む。ジョルノはそんな彼を見下すようにして話しかける。

「救いの手を差し伸べましょう」
「は?救いの手?」
「救いの手です。簡単に言うとレクイエムの解除、とでも言いましょうか」
「してくれるのか?」
「えぇ、ただし条件があります」

救いがあったのだと少し嬉しそうにするディアボロを見てジョルノは条件があると言った。

「まぁ、至って簡単です。僕を好きになってください」
「…………は?」
「ですから、僕を好きになってください」

目の前に立つ現パッショーネボスは軽い笑みを浮かべて座り込んでいる元パッショーネボスを見下していた。

「いかれてるのか?」
「何言ってるんです。僕は至って真面目ですよ」
「こんな状況でそんな条件を出すなんてな」
「僕にとってはそんな、で済まない条件ですよ」

何を言っているのか分からないと言ったようにディアボロが首を傾げる。

「ずっと、狙ってはいたんですよ。帝王なろうものが見たくて」
「……それだけか?」
「これは建前です。本音はもっとあなたが知りたい、それだけです」

それからジョルノは優しくディアボロを抱きしめた。何事か分からなかった。久しぶりに感じた暖かさになぜか涙が出た。

「泣いているんですか?可哀想なディアボロ」
「嫌味じゃねぇか」
「あ、分かります?」
「ふん、好きだとかなんだとか……言いやがって。どうだか」
「で、どうするんですか」
「ハナから決まってる」

.*・゚助かるためなら愛してるぐらいいくらでも言ってやる.゚・*.
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