恋する動詞

「あれ?承太郎どうしたの?」
「……」

いきなり承太郎が花京院に抱き着いてきた。しっかりと受け止めて抱き上げても承太郎は何も喋らない。花京院と承太郎はお隣さん同士で承太郎が生まれた頃から仲が良いため、承太郎はよく花京院の家に遊びに行ったりする。花京院は承太郎に愛情を抱いている。周りからショタコンと罵られようとも承太郎が大好きなのである。承太郎も承太郎で、周りとはあまり喋らないのに花京院には大変懐いている。
花京院は承太郎に優しい声色で聞く。

「承太郎?話してごらん」
「……夢を見たんだ。花京院がいなくなっちゃう夢。女の人と歩いていったんだぜ。俺、1人ぼっちなんだ」
「承太郎……」
「花京院、いなくなるのか?」

うるうるした瞳でみる承太郎にキュンとしてしまう花京院はひしっと抱きしめる。

「居なくなる訳ないじゃあないか!大事な承太郎がいるのに!!」
「本当か?」
「本当本当」
「約束だぞ」

そういって小指を差し出す承太郎。どうやらゆびきりげんまんをしたいらしい。花京院も小指を差し出して約束をする。

「その女の人はどんな人だったの?」
「ウェディングドレス着てた」
「え!?」
「花京院、ケッコンするって」
「いやいやいや、ケッコンしないよ!」
「じゃあ俺としよ?」
「えぇ!?」

いきなりの告白になんだこの子可愛い!!と花京院は悶える。もちろん出来ることなら承太郎と結婚したいぐらいである。

「仲良しは出来るって言っていた」
「出来るよ!日本じゃあできないけどね、海外に行ったらできるよ」
「じゃ、じゃあ海外行くぜ!大きくなったら花京院を海外に連れてく!」

将来がすごく楽しみだ、と成長を見守る花京院であった。
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