恋する動詞

喧嘩はよく頭の上で起こる。今でもそうだ。イケメンの分類に入る二人がジョルノの頭の上で喧嘩をしている。ただジョルノは本を読んでいただけなのに。初めに部屋に入ってきたのはプロシュートであった。そんな気にはしていなかったものの、そのあとが問題だった、軽い会話をしていると何処からともなくジッパーが現れたのだ。現れたのはやはりブチャラティ。

「ドアから入ってくださいよ」
「すまない、いてもたってもいられなくてな」

仲良さそうに話している二人に嫉妬したらしい。入ってきたブチャラティにイライラするプロシュートがジョルノの肩に手をかけたのだ。可愛がっているジョルノがほかの男に触れられているなどたまったもんじゃない。そこから喧嘩が勃発した。
ジョルノは二人がジョルノに好意を持っているのは百も承知だが、男に興味はない。大体イタリアの街並みを歩けば可愛らしいシニョリーナがうんといるのに。

「邪魔するなよ、ブチャラティ。ジョルノに用事があるんだ、これから一緒に過ごすっていうな」
「お門違いにも程があるだろ?仲良く弟分と遊んでろよ」
「……」
「ペッシはいいんだよ、今洗濯物畳んでるから」
「手伝えよ。なんでこうもジョルノに構うんだ」

いや、それあなたもですよ、と言いたかったジョルノだがヒートアップしそうで言えなかった。ジョルノはこんな無駄な争いをするなんてなぁ、と考える。

「それはお前もだろ、いい加減離れろ」
「お前も離れろ、というより敵だろ」
「愛は敵も性別も超えるんだぜ、知らないのか?」
「性別は超えても敵は超えない」
「いや、超える。敵だとしても奪って見せるぜ」
「とにかくその触れてる手を話したらどうなんだ?」
「お前もな」

正直言って邪魔だ。何ていうか、愛とか恋とかは街中のシニョリーナに語って欲しい。一発で落ちるから。こんな男子高校生に語らなくてもなぁ……と考える。

「じゃあこうしよう、ジョルノ!どっちがいい!?」
「まぁ俺だろうな」

いつか来るだろうと思った質問にバッサリと答えた。

「どっちも嫌です」

.*・゚こんなイケメン放っておくなんてジョルノは恥ずかしがり屋だ!.゚・*.
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