恋する動詞

ジョセフの頬がまるまると膨らんでプクーっと膨れっ面をしている。抱きついているシーザーは少し苦しそうだが、悪い気はしないらしく離れようとはせず、ジョセフの背中をポンポンと叩く。

「拗ねるなスカターン」
「むぅ……シーザーが悪いんだぜ……俺の、俺のプリン食いやがってこの野郎がァー」

どうやらプリンを食べたのを怒っているらしい。シーザーははいはいと二の返事をしてジョセフの背中を叩く。

「プリン返せ」
「吐けと?」
「いや、そうじゃあない!」
「プリン、か。買って来いと」
「そうだぜ!あの駅前のいっちばん高いやつな!」

途端に顔色が明るくなるジョセフ。現金な奴だなぁと思いながらシーザーは出掛ける用意をする。そしてジョセフがやったー!とはしゃぐジョセフも出掛ける用意をする。

「ついてくるのか?」
「行くー!」
「はいはい」

全く俺も甘いな、とシーザーは息をついてから愛しいジョセフとプリンを買いに出かけた。さっきまでの拗ねていたのが嘘のようなジョセフ。
駅前のスイーツ屋でドルチェを喜々として頬張る男性とそれを愛しそうに見つめる男がいたとか、なんとか。
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