恋する動詞

「泣くなってジョジョー」
「馬鹿、タコ、スケコマシ」

シーザーよりも身長が高くがっしりとした体のジョセフがシーザーにしっかりと抱きついてメソメソと泣いていた。正直な話、筋肉質の男が泣いているのはどうかと思うがジョセフがやると子犬のように見える。少なくともシーザーにはそう見えた。しかしなぜ泣いているのか。
それは少し前に遡る。簡単にいうと、シーザーは街中で女の子に話しかけられたのだった。それが気に食わなくてジョセフはただ膨れっ面をしているのであった。

「全く、いい歳でなにメソメソしてんだ…」
「いい歳してても寂しいもんは寂しいんだぜー……」
「なんだお前寂しいのか?」

未だにシーザーの胸に顔をうずめているジョセフは静かにこくん、頷いた。

「けっほかの女とイチャつきやがってコノヤロー」
「はいはい、すまないなー」
「謝る気あんのか!」

.*・゚謝るぐらいなら寂しくさせんな!.゚・*.
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