恋する動詞

「自惚れ、ですか?」
「何が?」

とある昼下がりに煙草をふかしているプロシュートに問う。ソファーにちょこんと座っているジョルノ。

「ほら、実際よりも優れてると思いこんでるっていう」
「ナルシストか?」
「そうではないですけど」
「ほう、じゃあどういう?」

ジョルノはうーん、と少しだけ唸る。
さっきから二人きりで部屋にいるのだが会話がなくて少し困っていた。

「思ってるよりも好かれてないかも」
「それはないな」
「凄い自信ですね」
「当たり前だろ」

大人びた笑みを浮かべてプロシュートはジョルノに顔を近づける。近いなぁ、など思いながらジョルノはその場に座っている。

「嫌いだったらここにいないだろ?」
「好きじゃあないかもしれないですよ?」
「それはないな」
「どこからそんな自信がでるんですか」
「イタリア人の勘」

それから何も言わずに、ぷかぷかとタバコから煙を吹かす。煙はやがて窓へ向かって消えていった。

「勘って……ん」
「ほら、嫌がらない」

突然のキス。煙草の匂いが香る。ジョルノはポカンとして、気付いたら顔が真っ赤になっていた。

「何して……」
「嫌がらないから、してもいいかと」
「そーゆーの良くないですよ!」

バッとプロシュートを押しのけるジョルノ。クスッと笑って両手をあげ、わざとらしい降参をする。ムッとするジョルノを見て上から目線で言う。

「お前が俺に勝てるとか自惚れるなよ?」
「……降参しますん」
「どっちだよ!」

.*・゚自惚れているのはどっち?.゚・*.
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