恋する動詞

ディオは今か今かと待ちわびていた。彼、ジョナサンが来ることを。大学の講義が終わったら一緒にカフェに行こうと言っていたのだがジョナサンがレポートを出さなきゃ、と言って教授の部屋へと行ってしまったのだ。その間、ディオは暇で暇でしょうがなかった。

「まだか」

手に持っている文庫本でも読もうかと、ページをめくるもどうも頭に入ってこない。仕方なく本をパタンと閉じる。

「もしかして道にでも迷っているのか?……いやそれはないか」
「あっディオ!ごめんね、教授に渡しに行ったら取り込み中で遅くなっちゃった」
「待ちくたびれたぞジョジョー!!」
「わー!だからごめんってば!」
「ふんっ!」

やっと来たジョナサンに少々怒ったディオ。困ったような笑みを浮かべてジョナサンは謝った。そして今まで座っていたディオは立ち上がってカフェに向かって歩き出す。

「ごめんねディオ、付き合わせちゃって」
「本当に反省しているならエスプレッソでも奢れ」
「え、えー……分かったよ」
「嘘だ。それにお前じゃあなかったら俺は待たないからな」

しばらく歩いてカフェに着いた二人。それからお茶を楽しんだそうな。

.*・゚.゚・*.
(だから払わなくて良いと言っただろ)
(いや、自分の分は払うからね)
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