11逃げる(フージョル)

僕は逃げた。今でも逃げ出したい気持ちが溢れ出る時がある。辛いとき、苦しいとき、悩んだとき……。それでも逃げ出さないのは彼がいるから。歩もうと考えるのはジョルノのおかげなんだ。ジョルノは僕に明るい道を切り開いてくれた。

｢ジョジョ｣
｢なんでしょう｣

綺麗にたなびく黄金色の髪が僕を惑わす。その瞳も、肌も全てが。何も思わなければ楽なんだろうか。嫌いになっていれば楽なんだろうか。足場を失った僕に手を差し伸べて正しいと感じる道に導いてくれたジョルノ。僕は、そんなジョルノがいつの間にか……。寝ても覚めてもこんな事を考えては沈み考えては沈みの繰り返しで逃げ出したくなる。……まぁ逃げ出せないんだろうな。僕は既にジョルノの手の内なんだろう？なら、もう逃げ出さなくていい。逃げずに前へ前へ進んでいこう。今こそ気持ちをハッキリと伝えよう。『好きだ』って……まぁ、そう考えてもやはりまだまだ難しいかもね。だって僕はまだ恐れてる。嫌われてしまうのでは？とか引かれちゃうかな？とか。

｢……やっぱりなんでもないや｣
｢？変なフーゴ｣
｢それより、今日の夜は何が食べたい？｣
｢タコのサラダとかどうです？デザートはプリンで｣
｢昨日食べたよね？｣

今日も僕は、自分の気持ちから逃げたんだ。

.*･ﾟいつか逃げずに伝えられたら.ﾟ･*.