拍手ログ

青空を見上げてみる。この時期は凄く澄み渡っているのだが、風が冷たくてマフラー無しでは少しきつい。

「さみぃ……」

ジョセフはふと、近くのコンビニに入って肉まんを買った。温かいそれはジョセフを小さな幸せの中へ誘い込むのだ。

「んーうまー! 」
「美味そうなもん食ってんなぁ」
「あら、シーザーちゃん!迎えに来てくれたのぉ?」
「お前が遅いからな」

そういってシーザーはジョセフの頭を軽く叩く。ジョセフはどうもシーザーより身長が高い筈なのに幼く見える。まるで仔犬のように。

「どこで道草食ってたんだ」
「道草なんか食ってねぇし!肉まん食ってるんだし!」
「うまいこと言ったつもりか」

肉まんをかじりながら言い返すジョセフに少しクスリとする。するとジョセフは肉まんをシーザーの前に差し出す。

「シーザーちゃんも食べるぅ?美味いよ」
「……ん、旨いなこれ」
「だろー?この時期の肉まんはなぁんか美味いんだよなぁ。何でだろ」
「寒いからだろ?」
「確かに。しかもさ、シーザーと一緒に帰ってる時の肉まんは今まで食べた中でもいっちばん美味いんだ」

ヘラヘラと笑うジョセフにつられてシーザーも笑う。少し驚きつつもシーザーは嬉しい気持になる。

「俺も、お前と食べる飯は美味しいぞ」
「そうか!」
「これからもずっと一緒に飯食おうな」
「勿論だぜ!嫌でも一緒に食ってやるよ!」

そう言って笑い合う二人を空はただただ見守った。

(どこで覚えた、その説き文句)
2/25ページ
スキ