拍手ログ

無駄親子と学ぶジャッポーネ文化【1月】

「お年玉ください」
「初流乃、来て早々お年玉を強請るのは感心しないぞ」
「いいからくださいよ用意してるんでしょう?」
「……テレンス」
「こちらです」
「ありがとうございます……これはなんですか」
「エジプトポンドだ」
「リラでお願いします、手数料かかるじゃあないですか」
「……むう。正月だからって大人をATM扱いするのは良くないぞ初流乃!」
「こういう時に財力を振る舞うのが大人ってもんでしょう?」
「少なくとも大人を脅して金をせびるのはお年玉ではなく恐喝ではないか」
「まあ。貰えるものは貰っておくんですけど」
「そ、それはともかくだ初流乃!オセチを用意したぞ!お前と食べたくてだな、日本風の……テレンス!」
「はい。持ってまいりました」
「これはまた豪華な」
「そうだろうそうだろう?結構高かったんだぞ!」
「主に空輸代ですが」
「……よく空輸出来ましたね」
「うむ!では、食べようではないか!こういうのはあれだ、一つ一つに意味があってだな……エビには腰が丸くなるまで長生きできるようにであったりキントンとやらは富を得る願いであったり、とまあ様々なのだ。まあこのDIOにとってそんな願いは過ぎたことであって全て己の手で」
「僕伊達巻が好きなので貰いますね」
「どうぞ。お飲み物は何になされますか」
「昆布茶で」
「渋いですね初流乃様」
「WRYYYYYY!話を聞け初流乃おお!」
「不老不死のくせに長生きって……」
(ああそれは私も思いました……)
「なんだテレンスその顔は!」
「いえ、なんでも……」


「なんてことがありましたが……」
「ジョルノーあけおめ!」
「仗助。あけましておめでとうございます」
「いやー遠路遥々よく来たぜ」
「ええ本当に遠かったです」
「ああほんとお疲れだな、疲れたろ座ってなよ茶でも飲むか?あ、なんだったら初詣も案内するし」
「……仗助」
「おう」
「そんなに媚び売ってもお年玉はあげませんよ」
「げっ!?別にそんなこと考えてないっすけど!?」
「年下から金を巻き上げようとしないでください」
「だってよォ〜〜?大叔父ならお小遣いの一つや二つくれてもいいじゃない?」
「それに儲かってるんだろ?」
「まぁ最近は好調ですね」
「日本の学生は好調じゃないんだよぉ〜!ね?ね?」
「仕方ないですね。いくら欲しいんです?」
「1万円?」
「それだけでいいんですか」
「へ?」
「もっと法外な値段かと思って。10万でどうです?」
「じゅっ……!?ま、マジかよ!」
「ええ。小切手で渡しますけど大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫!マジか……!とんだ儲けだぜ……!」
「それじゃあお参りしましょうか」

「adhio.仗助」
「またなジョルノ!」
「あ、そうだ。言い忘れてたんですけど」
「へ?……あ!?無い!無い!?小切手が無い!?」
「僕、昔の名残で手癖が今でも悪いんですよね。アリーヴェデルチ!」
「く、くそ〜!?してやられたってやつっすかぁ〜!?……なんてなジョルノ、ちゃんと貰っとくからなー!」
「あ、……便利ですね、クレイジーダイヤモンドは」

「おいおい……いいのかジョルノー?渡しといて」
「まあいいですよ、あれ偽物なので。ちゃんとポチ袋に学生らしいお値段を別に入れて財布に入れておいたし」
「……詐欺?」
「ちょっとした悪戯心と言ってください」

あけましておめでとうございます
19/25ページ
スキ