第3章
夢小説設定
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「ねぇ、君、ホグワーツ特急に乗っていなかったよね?」
「どうやって来たの?」
組分けが終わりに近づいて来た頃、向かい側に座って来たそっくりな顔をした男の子二人が声を掛けて来た。
「初対面の者に話す義務は無いと思うが?」
朔姫夜は二人を見つめ、無表情で言った。
「自己紹介がまだだったか。僕はフレッド・ウィーズリー」
「僕はジョージ・ウィーズリーさ」
双子の男の子はにっこりと笑って挨拶をした。
「……朔姫夜・四楓院。先程の質問だが答える気は無い。それと、お前達とじゃれ合う気も無い」
これ以上、話し掛けて来るな!とでも言う様な口調で言った。
「どうやら薄花桜色の髪の姫君は、ご機嫌斜めのご様子」
「我等で姫君の機嫌を直し、笑顔にして差し上げねば」
フレッドとジョージは芝居掛かった言い方をしながら話していたが、朔姫夜はそれを無視していた。
いつの間にか組分けは終わっていて、ダンブルドアが新入生への歓迎の言葉と今年度の注意事項等を話していた。
それが終わるとダンブルドアの合図で食事が始まったのだが、朔姫夜は少しだけ食べ物を口にすると早々に席を立った。
「「あっ!ねぇ、何処行くの?」」
フレッドとジョージが声を掛けて来たが、朔姫夜は何も言わずそのまま大広間を出て行き部屋へ戻った。
途中で抜ける許可を事前にアルバスに貰っておいて良かった。
あの様に人が大勢集まっている場所は、やはり苦手だ。
だが、此処で世話になる以上、この人の多さにも慣れねばならぬな…
色々と気が重い…
朔姫夜は深い溜め息をつくと、制服を脱ぎ着替えた。
翌日から授業が始まり、朔姫夜も他の生徒と一緒に薬草学や魔法史、呪文学等の授業を受けていた。
そして金曜日、グリフィンドールの寮監であるマクゴナガルが担当する変身術の授業を受ける為に、教室へ入り朔姫夜は周りにまだ誰も座っていない席に着いた。
教室内にはマクゴナガルの姿は無く変わりに猫が一匹、教壇の上に姿勢を正して座っていた。
「あれ?マクゴナガルはまだ来ていないんだ」
「見た目からして厳しそうなマクゴナガルなら、生徒より先に教室で待っているかと思ったんだけどなぁ」
そう言いながらフレッドとジョージが、朔姫夜の両脇に座った。
「何を言っている?マクゴナガル教授なら、既に居るではないか」
朔姫夜は猫を指差しながら言った
「朔姫夜こそ何言ってんだよ」
「あれは、どう見ても」
「「猫だ!」」
最後は二人同時に言った。
「《此奴等には、ただの猫にしか見えぬのか……》どう見えていようが構わんが、私の事を気安く『朔姫夜』と呼ぶな。それと何故、いつも私の傍に座る?席なら他にも空いているだろう」
朔姫夜は眉間に皺を寄せ、溜め息混じりに言った。
「「何故って、友達だからに決まってんじゃん」」
「私はお前達と友達になった覚えはない。お前達が此処に座ると言うのなら、私が他の席へ移動する。今後一切、私に構うな」
朔姫夜が席を立とうとした時、猫が教壇から飛び降り人の姿へと形を変えた。
「「おおっ!!朔姫夜の言った通りだ」」
フレッドとジョージは朔姫夜の手を掴んで引っ張り席に座らせながら、猫がマクゴナガルに変わったのを見て驚きの声を上げた。
「静かに。授業を始めます」
他の生徒も驚きの声を上げていたが、マクゴナガルのこの一言で静かになった。
授業が始まってしまったので朔姫夜は移動出来ず、仕方無しにフレッドとジョージの間に座って授業を受けた。
「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの1つです。私の授業をいい加減な態度で受ける生徒は出て行って貰いますし、二度とクラスには入れません。初めから警告しておきます」
見た目から感じていたが、やはりマクゴナガルは厳格で厳しい人だと朔姫夜は思った。
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