第1章
夢小説設定
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ダンブルドアはお茶を一口飲むと、どうやって此処へ来たのか?ではなく、何をしに来たのか?と尋ねた。
「これから話す事を信じるか信じないかは解らぬが、どちらであっても途中で口を挿まないで戴きたい」
朔姫夜はセブルスに念を押すかの様に言うと、自分が此処とは違う別の場所、異世界から来た事や、訳あってこの世界に飛ばしたモノを探している事等を簡単に説明した。
「今、それがどの様な形状を成しているのかは解らぬが、私はこの部屋にそれがある様な気がしている」
朔姫夜はダンブルドアに心当たりがありそうな気がしていたので、何か変わった物を見なかったか聞いてみた。
「変わった物なら先日、見つけた杖ぐらいかの…セブルスの杖かと思ったんじゃが、セブルスは自分の杖を持っておる。一体、誰の杖なのか、まだ解らんのじゃよ」
そう言ってダンブルドアは30cm程の長さの漆黒の杖を二人に見せた。
「……確かに我輩の杖にそっくりですな。長さは少々短い様だが」
セブルスは自分の杖を隣に並べて見せた。
「杖は一本一本違うものじゃ……兄弟杖でも見た目は異なる。長さ以外全く同じ杖など本来ありえぬのじゃが…」
此処まで似ているとは思っていなかったダンブルドアは、二本の杖をジッと見つめていた。
「…その杖に触れても?」
「ああ、勿論構わぬ」
ダンブルドアの了承を得た朔姫夜は、杖の方に手を伸ばした。
そして杖に触れた途端、そこから温かな風が吹いて来た。
「どうやら、その杖が君の探していた物の様じゃの」
「……はい」
朔姫夜は何か調べているかの様に、杖の角度を変えたりジッと見つめたりしていた。
「…手にしただけでは容を変えぬか……」
朔姫夜は二人には聞こえないくらいの小さな声で呟いた。
「探し物は見つかったが、元の世界へと帰る手立てはあるのかの?」
「いえ…まだその時期では無い様です…」
朔姫夜は二度と元の世界に帰れぬ可能性もある、と付け加えた。
「そうか…ならば、わしの孫となり此処、ホグワーツで魔法を学んでみんかの?」
「私が、か?」
「この世界で他に行く当てがあるのなら別じゃが、そうでないのなら、悪い提案ではなかろう?」
ダンブルドアは朔姫夜に向かってウィンクをした。
「確かに行く当ては無いが、私が此処に残る事で貴方にどんなメリットがある?何も無しにこの様な提案はしまい」
何か企みがあるのではないかと疑っている朔姫夜は、ちょっとした変化も見逃すまいと、ダンブルドアを注意深く見つめていた。
「何の企みも無いんじゃがの…メリットがあるとすれば、わしに可愛い孫が出来ると言う事かの。蓄えもあるから何の心配も要らぬ。老い先短いこのわしの願いを聞き入れてはくれんかの?」
「……貴方の提案を聞き入れても良いが、それには私からも幾つか聞き入れて貰いたい事がある。無理なら他の場所を探すだけなのだが」
朔姫夜がそう言うとセブルスが「図々しい奴め…」と呟いた。
「わしに出来る事なら、何でも聞き入れよう」
ダンブルドアはセブルスとは対象的にニコニコ笑っていた。
「では、まず、部屋は一人部屋にして戴きたい。そして、その部屋は出来るだけ頑丈に。魔力を使っても壊れたりしない部屋が良い」
「何か訓練でもするのかの?まあ、良かろう。それなら少し大きめの部屋を用意しよう。それとわし等と一部の教授以外は入れぬ様にしておこうかの。あと寮から以外の出入り口も必要かの」
「ありがとうございます」
こうして朔姫夜のホグワーツでの生活が始まった。
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