第4章
夢小説設定
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「白哉ちゃん遊ぼ~」
「今、書道をしている。朔姫夜も一緒に遣らぬか?」
白哉は屋敷の者を呼ぶと、朔姫夜の分の道具を用意させた。
「………」
「…白哉ちゃん、飽きちゃった。それに眠い…」
数分後、集中力を切らした朔姫夜は眠そうな目を擦りながら言った。
「好きな物事では無いからと注意力を散漫にさせていては駄目なのだぞ。心を静め集中せねば。そうやって眠くなるのは、集中力が足りないからだ」
「だってぇ~、こういうの苦手なんだもん。剣術や武術だったら眠くならないのになぁ~。ねぇ、白哉ちゃん。私、行きたい処があるの。これ止めて出掛けない?」
「行きたい処?だが、特定の場所以外は出歩かぬ方が良いのではないか?」
「でも、どうしても行かなくちゃいけないの。それに何処へ行くにしても、姉様の部下の暗殺部隊が数名、護衛としてついて来ているから心配ないよ」
朔姫夜は白哉の着物の袖を軽く2、3度引っ張り、行こうと言った。
「だが…」
白哉は朔姫夜の身を案じ、出掛ける事を渋っていた。
「もういいよ!白哉ちゃんが行かないって言うなら、私一人で行くもん」
白哉の着物から手を離し、部屋を出て行こうとした。
「…まっ、待て。分かった僕もついて行く。但し、屋敷の手練れ数名も連れて行く。良いな」
「うん」
朔姫夜は満面な笑みで返事をした。
***
セブルスは朔姫夜の前に立つと、本を一冊手にし、それを振り上げた。
「…何をする気だ?」
振り下ろされて来たセブルスの腕を掴むと、朔姫夜は顔を上げ睨み付けた。
「我輩の罰則中に居眠りとは良い度胸ですな、ミス・四楓院」
「寝ていた!?私がか?」
そう言えば幼き日の夢を見ていた気がする、と朔姫夜は思った。
「なぁ、セブルス。もし、また私が眠ってしまったら、そのまま暫く寝かせては貰えないだろうか?」
朔姫夜は掴んでいた手を離しながら言った。
「戯けた事を。我輩がそれを許す訳無かろう」
「どうせ罰則を増やす気なのであろう?ならば別に良いではないか」
「勿論、罰則は増やすが、だからと言って居眠りを許可する訳にはいかぬ。容赦無く叩き起こす」
セブルスは自分の席へ戻って行った。
「…私には罰則云々より、睡眠の方が重要なのだが…」
朔姫夜は小さな声で呟いた。
「ん?何か言ったかね?」
「別に何も」
「では、作業の続きを始めたまえ」
数日掛かって書き写しは終わったのだが、その間、何度か居眠りをしてしまった為に今度はセブルスの目の前で調合する様に、と言われてしまった。
「前回の授業で行った、おできを治す薬を調合したまえ。材料、手順共に勿論、覚えておろう?」
覚えていなくても教える気はないがな、とセブルスは意地悪そうな笑みを浮かべていた。
「まぁ、覚えてはいるが…」
「では、始めたまえ」
朔姫夜は棚から材料を持って来ると、それらを手順通りに刻んだり潰したりし、火に掛けた鍋に入れ混ぜ合わせた。
順調に調合を進めていたのだが、突如、鍋の中から炎が上がり中身を丸焦げにしてしまった。
「何をした?」
セブルスは目を細め疑わしげに朔姫夜を見つめた。
「私に聞くな。何もしておらぬ事は、一部始終見ていたセブルスも承知の筈。何故こうなったのか、私の方が知りたい」
「普通に調合していたのなら、こんな事は起きぬ!我輩の目を盗んで何かしたのであろう!?」
「していない!こんな事をして何の得があると言うのだ」
「我輩への腹癒せであろう」
「はぁ?バカバカしい。そんな事、する訳無かろう」
鍋から炎が上がる直前、一瞬だけ朔姫夜の杖が光ったのだが、二人共その事に全く気づいていなかった。
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