第4章
夢小説設定
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授業開始時間の少し前に教室へ入るとすぐに、誰かに腕を引っ張られた。
「……またお前達か……」
自分の腕を引っ張り席に座らせたのが、フレッドとジョージだと解り朔姫夜は溜め息をついた。
「朔姫夜の席を取っておいた」
「勿論」
「「僕達の間さ」」
二人は当たり前の様に朔姫夜の両脇に座った。
それと同時にバンッ!と大きな音を立ててドアが開きセブルスが入って来た。
マクゴナガルとは、また違った威圧感があるのだろう、セブルスが教室に入って来た途端シーンと静まり返った。
授業が始まりセブルスが今日、調合するものの説明をした後、材料や調合方法をノートに取らせた。
そして、みんながノートに書き終えると、その薬の調合を始める様にと言った。
生徒達が調合をしている間、セブルスはそれを見て回っていたのだが、朔姫夜の背後で立ち止まった。
「何を調合しているのですかな?ミス・四楓院。我輩は、おできを治す薬を調合する様、指示したはずだが?」
朔姫夜が調合している鍋を指差し、嫌味たっぷりの口調で言った。
「教授の指示通り、おできを治す薬の調合をしている途中ですけど」
黒板に書かれている通りの手順で調合していた朔姫夜は、何が間違っているのか全く解らなかった。
「それは、おできを治す薬ではなく、軽い火傷を治す薬だ。材料も調合方法も異なる。君は我輩の授業を愚弄する気かね?」
「いえ、別にそういうつもりはありません」
朔姫夜はムッとしていたのだが、他の生徒もいるので約束通りセブルスに対して口調を変えていた。
「では何故、我輩が指示した物を調合しなかったのか理由をお聞かせ願おう」
セブルスは片眉を吊り上げた。
「先程も言いましたが、教授の指示通り調合していただけです。材料も手順も黒板に書かれている通り調合したにも関わらず何故、違う薬が出来上がってしまったのか、私の方こそ知りたい」
「我輩の指示通り調合していた、と嘘を言い張るとは反省の色が全く見えませな。グリフィンドール10点減点。更にミス・四楓院には罰則を言い渡す。今夜7時に我輩の研究室へ」
セブルスは杖を取り出すと、朔姫夜が調合していた鍋に向かって一振りし、中身を消した。
「他の者は、調合した物を瓶に詰め教壇の上に提出。以上、授業終了」
「なっ!?待っ―――」
納得いかない朔姫夜がセブルスに食って掛かろうとしたのだが、フレッドとジョージに押さえつけられてしまった。
「朔姫夜、これ以上は止めた方がいい」
「グリフィンドール生が何を言っても、アイツの減点対象にしかならない」
「「腹立たしいが、此処は我慢だ」」
「……ああ、分かった。分かったからもう離せ」
朔姫夜は二人を振り解くと、さっさと片付けを済ませ部屋へ戻って行った。
夕食を済ませると、朔姫夜はセブルスの研究室で罰則を受けていた。
「この資料の内容を全てノートに書き写したまえ」
そう言ってセブルスは数冊の本を朔姫夜の前に置いた。
「これ全部を?」
「左様。終わらなければ、明日も同じ時間に来て続きをやりたまえ」
セブルスはニヤリと意地悪な笑みを浮かべていた。
「………」
朔姫夜はセブルスを睨み付けた。
「書き写すだけ、という簡単な作業にしてあげたと言うのに、その様な態度とは更なる減点と罰則を、お望みなのですかな?」
「…いいえ」
「ならば、さっさと始めたら如何ですかな。いつまで経っても終わりませんぞ」
「…はい」
そう答え罰則を始めた朔姫夜だったが、書き写している最中、何度か書く手が止まっていた。
珍しく眠気に襲われる。
やはり初めに感じた通り、セブルスがこの世界での…
セブルスの傍なら薬無しで眠る事が出来るだろうが、今は眠ってしまう訳にはいかぬ。
そう言えば昔、白哉ちゃんが「眠くなるのは集中力が足りないからだ」と言っていたっけ。
「好きな事ではないからと、注意力を散漫にさせていては駄目だ」とも言われたな…
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