第3章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
マクゴナガルは机を豚に変え、それを再び机に戻した後、生徒達に複雑なノートをとらせた。
それからマッチ棒を配り、針に変える練習が始まったのだが、みんなマッチ棒の形を僅かでも変える事が出来なかった。
ただ一人を覗いて…
朔姫夜だけは一振り目から、マッチ棒を針に変える事が出来ていたのだ。
「素晴らしい!グリフィンドールに5点与えましょう」
マクゴナガルはみんなに朔姫夜のマッチ棒がどんなに銀色で、どんなに尖っているかを見せ、滅多に見せない微笑みを見せていた。
だが、朔姫夜の方は笑みを見せる事無く、眉間に皺を寄せ難しい顔をしたまま自分の杖をジッと見つめていた。
この世界での呪文には反応するのに何故、私の呼び掛けには応じぬ?
名を呼んでも本来の姿を現さないのは何故なのだ?
何が足りぬと言うのだ!?『龍綺神!!』
この世界に来てすぐにその名を思い出し、幾度も名を呼んでいるというのに、一度も姿を変えぬ
不本意とは言え、一度手離した主に対し反抗しているのか?
否、それだけではないな…
やはり何かが足りぬのであろう。
根拠は無いが、そんな気がする…
「「……朔姫夜ってば!!」」
「……っ!?」
フレッドとジョージに名前を呼ばれ、朔姫夜は我に返った。
「授業終わったよ」
「次は魔法薬学だから、遅れるとマズイ」
「スネイプはスリザリンには甘いが、他の寮には厳しい」
「「特にグリフィンドールには」」
「ああ、解っている。だから、お前達は先に行けば良いではないか。私はまだ用がある」
そう言って朔姫夜は立ち上がると、教壇の方へ急いで向かいマクゴナガルを呼び止めた。
「マクゴナガル教授にお聞きしたい事が…あの、授業が始まる前に見せていた猫の姿に変身する術は、誰にでも出来る様になりますか?」
「アニメーガス(動物もどき)ですか?あの術は、誰にでも出来ると言うものではありません。もし万が一、出来たとしても猫の姿になると言う訳でもありません」
マクゴナガルはいつもの厳格な表情で、朔姫夜の顔を見つめながら答えた。
「…出来る可能性があるのなら…いえ、何でもありません。すみません、失礼しました」
朔姫夜はマクゴナガルに一礼すると背を向け、立ち去ろうとした。
「お待ちなさい、ミス四楓院。興味本位と言う訳ではなさそうですね。何故、この術の事を聞きに来たのです?」
「…教授は、私がこの世界の者では無い事はご存知ですよね?」
朔姫夜は教室内を見回し自分とマクゴナガル以外、誰も居ない事を確認してから言った。
「ええ。貴女が私の寮生に決まった夜、校長から聞きました」
「私の世界でも教授の様に猫に変身出来る方が一人居ます。私は、その方に少しでも近づきたくて見様見真似で術を覚え様としました。ですが…」
次の瞬間、朔姫夜の頭に白い猫耳と顔にヒゲ、そしてお尻に尻尾が生えて来た。
「まだ術は未完成で、この様に中途半端な姿にしか変身する事が出来ません。教授が見せてくれたアニメーガスと言う術に、何かヒントはないだろうか?と思ったもので…」
朔姫夜は術を解き、元の姿に戻った。
「そうでしたか。術を会得出来るかどうかは解りませんが、遣り方を教えるのは可能です。ただ、今すぐにと言う訳ではありません。暫くは私も忙しいですし、何より貴女がもっと魔法の事を学んでからでなくてはなりません。頃合いを見て私から連絡します」
「解りました」
そう返事をし、朔姫夜は教室を出て行った。
・