再会
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「否定してもムダですよ、死神さん」
朔姫夜の手が伸びて来て、小生の頬に触れると上を向かせた。
「私は忘れていません。この長い銀髪も…この傷のある顔も…そしてこの綺麗な黄緑色の瞳も…」
頬に触れていた手が上へと移動し、前髪に触れると少しだけ小生の瞳が顔を出した。
「時折、死神さんの気配を感じていました。傍まで来ておきながら何故、私に会いに来てくれなかったの?私はずっと待っていたのに……例えそれが死を意味する事だとしても、貴方に会いたかった……」
朔姫夜への気持ちを心の奥底にある部屋に閉じ込め、頑丈な鍵をし鎖で幾重にも縛って表に出て来ない様にして来たというのに、貴女って人は……
それ等を一瞬にして壊し、小生の心を解放してしまった。
「今日この日に、この場所で不謹慎だと人に言われてしまいますかねぇ~。まあ、それでも小生は気にしませんが……」
朔姫夜を引き寄せ抱きしめた。
「朔姫夜の前に姿を現してしまだたら、こうして抱きしめて手離したくなくなっちゃうからですョ」
「手離す必要なんてないわ。魂だけでなく、私ごと迎えに来て欲しかったのだから……」
朔姫夜も小生の背に手を回し、抱きしめ返した。
「…あっ!でも少しの間だけ離してね。叔母様の葬儀に参列しなくちゃ」
葬儀が終わったら預かっていた物も返すわね、と小生が渡した懐中時計を見せてから教会の中へと入って行った。
それから数十年経った今も朔姫夜は、ずっと小生の傍に居る。
再会した時と変わらぬ姿で……
………
んっ!?
変わらぬ姿ッ?
「ねぇ、朔姫夜。君は人間だよねぇ?」
「えっ!?ああ、半分はね」
「そ~だよねぇ……って、半分!?じゃあ、もう半分は?」
「それは……まだ、ひ・み・つ♪」
驚く小生の隣で朔姫夜は、悪戯が成功した子供の様に楽しげに笑っていた。
ーーー END ーーー