再会
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「今日は日本人の葬儀かぁ。朔姫夜の親族だったりして~まさかねぇ……」
教会に人が集まって来て、間もなく故人の晴れ舞台が始まる。
人生最後にして最高のセレモニー。
参列者の方に目を向けると、そこには朔姫夜の姿があった。
あれから十数年……
小生は何度も朔姫夜の姿を見に行ってはいたが、その間1度も朔姫夜の前に姿を現した事はない。
幼い頃の、それもたった数分の出来事など朔姫夜は、とうに忘れてしまっている事だろう。
小生の顔も……
交わした約束も……
それに今は死神を離脱し、人間のフリをして葬儀屋をやっている。
死神特有の黄緑色の燐光だって、この長い前髪と帽子で隠している。
だから、きっと小生の事など気づきもしないだろうねぇ……
少々淋しい気もするが、これで良いんだと己に言い聞かせ教会の裏手へと向かって歩き出した。
「あっ、あのー」
建物の陰に入り参列者から姿が見えない場所まで来た時、後ろから声を掛けられた。
「死神さん…ですよね?」
朔姫夜の声に朔姫夜の気配。
小生に気づいてくれた嬉しさと、何より忘れずに覚えていてくれた事に思わず飛び上がって喜びそうになった。
それくらい嬉しかったけど小生は、
「いいえ、小生は葬儀屋。アンダーテイカーと申します」
振り向きながら深々とお辞儀をした。
正直に名乗る事は出来なかった。
言ってしまったら朔姫夜の傍から離れる事が辛くなりそうで……
ずっと、ずっと朔姫夜の傍に居たいという、この気持ちを止める事が出来なくなりそうで……
そう……小生は朔姫夜を愛している。
朔姫夜と初めて出会ったあの日、小生の中で芽生えた暖かなモノが、いつの間にか恋へと成長していた。
だが、朔姫夜は人間で小生は死神。
生きている時間が余りにも違い過ぎる。
小生達は同じ時間(とき)を刻むべきではないんだョ。
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