第3章
夢小説設定
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「更新するか、しないかの前にお話しなくてはならないと思いまして…それは私の素性です」
そう言うとホログラフィの装置を外しセットしていた髪を解きルンが見える状態にした。
「「ウィンダミア人…」」
アーネストとアラドは同時に言った。
「この事はカナメさんと美雲さんにお願いして秘密にしてもらってました。ですが秘密はこれだけでは無いんです…」
今度はその場でメイクを落とした。
「……追放の姫…?」
アーネストがポツリと呟いた。
「…それは母です。私はグラミア国王の妹、サラ・リヒト・ウィンダミアの娘。本当の名を朔姫夜・リヒト・ウィンダミアと言います」
黙っていてすみませんでした、と深々と頭を下げた。
「それで?」
アラドは話はこれだけではないのだろう?という様な顔をしていた。
私は7年前の独立戦争の時に母を喪ったショックからか、歌を歌わなくなってしまいました。
ですが、ウィンダミアを飛び出しアルシャハルで初めてワルキューレの生の歌声を聴き、その後もプレーヤーで聴いているうちにいつの間にか口ずさんでいました。
そこで美雲さんに捕まってしまい、カナメさんと美雲さんに騙され…いえ、違いますね。
策にはまり新メンバーとして参加する事に…
「それは、どうしても貴女をメンバーにしたくて…」
カナメは苦笑いしながら言った。
少しでしたがワルキューレとしてステージで歌い、その後のレッスンで皆と歌っているうちに歌う事が大好きだという事を思い出しました。
ウィンダミア王家の者だという事を隠していたので、私がスパイだと疑われても仕方の無い事だと思っています。
それでも私はワルキューレの皆と一緒に歌を歌いたい!
ケイオスの皆さんと知り合ってまだ数日ですが、私は皆さんの事も好きなんです。
ウィンダミアは勿論大切ですが、ケイオスの皆さんの事も大切なんです。
だから本当は戦争なんてして欲しくない…
けど私には戦争を止める術もない…
ワルキューレの歌声ならヴァール化で操られている人を助けられる。
私も皆の力になりたいんです!
皆と一緒に歌って苦しんでいる人達を助けたい。
ワルキューレのメンバーとして此処に残らせて下さい!お願いします!!
再び朔姫夜は深々と頭を下げた。
「……別にスパイだとは思っておらんよ。母親譲りのその真っ直ぐな瞳は嘘をついていない証拠だ」
アーネストが言った。
「艦長は母の事、ご存知なんですね」
「ウィンダミアにいた頃、グラミア王に頼まれてアラドと一緒に何度か様子を見に行った事がある…その時、一緒にいた少女が君だったのか…」
「私は艦長とアラド隊長にお会いした事があったのですね……すみません、あの頃の記憶は曖昧で…」
朔姫夜は母親を喪ったショックで、当時の記憶の一部を失っていたのだ。
「朔姫夜、君の母親は正義感の強い女性だった。そこも母親譲りの様だな…俺は此処に残っても構わないと思っている」
アラドが言った。
「私は朔姫夜の事もスパイだと思っていないわ。ワルキューレメンバーとして残る事も大歓迎」
カナメも朔姫夜が残る事に賛成した。
「私も残る事に賛成だ。だが問題はある…今、此処で話した事は口外しない。当分の間、朔姫夜は今まで通り朔姫夜・リュミエールとして素性を隠したまま活動。勿論、他のメンバーにも秘密だ。これが守れるのならワルキューレに残っても構わない」
アーネストが言った。
「…ほ、本当に残ってもいいんですか?しかも素性を隠したまま…」
ありがとうございます!と朔姫夜は涙を流しながら頭を下げお礼を言った。
「そーと決まれば、メイクと髪型をセットし直さなきゃね」
カナメは優しく涙を拭いてやり、ルンを隠す様に髪をセットし始めた。
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