第11章
夢小説設定
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2人が消えてから間もなくキースが目を覚ました。
「…朔姫夜?」
「キース!?良かった…」
「真っ暗な闇の中、お前の歌声が聴こえて来て一筋の光が…導かれるまま辿って来たらお前の姿が」
「本当に良かった」
朔姫夜はキースに抱きつき、嬉しさのあまり唇を重ね合わせた。
「…あっ!ゴメンなさい。嬉しくてつい…」
朔姫夜の顔が見るみる真っ赤になって行く。
「い、いや…」
キースの方も何だか照れくさそうにしていた。
「動けますか?キース。そろそろ此処を立ち去った方がよさそうです」
「ああ、その様だな」
朔姫夜は少しフラついているキースに手を貸し家を出ると、来た道を戻り始めた。
暫く歩いているとミラージュの姿が見えて来た。
「朔姫夜!貴女一体何処へ…っ!?白騎士?」
朔姫夜の姿が見て駆け寄って来たミラージュは、キースがいる事に驚いていた。
「ほ、本当に生きていたのですね…」
ミラージュも手を貸し機体へ向かい、辿り着くと機体をバトロイドに変形させ掌にキースを寝かせた。
朔姫夜はキースに寄り添い一緒に掌に乗って基地へと戻り、キースは治療室へと運ばれた。
「やっと、いつもの朔姫夜に戻った様ね」
「美雲…そー言えばまだ、おかえりなさいって言ってなかったわね。おかえり美雲」
「…2回目」
「えっ?」
「おかえりって言うの2回目よ、朔姫夜。ここ数日、抜け殻状態だったから覚えていないのかもしれないけど…」
美雲は朔姫夜のおでこに軽めのデコピンをした。
「ウッ…ゴメン」
「ミラージュにもちゃんと謝りなさいよ。あの子、私達以上に心配していたんだから」
「うん。お礼も言わなきゃならないし、ウィンダミアに戻る前にちゃんと謝っておくわ」
「やはりウィンダミアに戻るのね…」
「あらっ?寂しがってくれるのね、美雲」
「べっ、別に寂しがってなんか…」
美雲の頬が赤くなって行く。
「陛下にお願いしたい事とかあるから、1度帰らないと。美雲が寂しがるからすぐに戻って来るわよ。それにしても本当に貴女変わったわよね?良
い意味で」
「最近、皆によく言われるけどそんなに変わったかしら?」
「ええ、変わったわ。今までの美雲も好きだけど今の方がもっと好き」
朔姫夜は美雲に抱きつき「大好きよ」と言うと、美雲は先ほどよりも赤く頬を染めた。
「朔姫夜!ウィンダミアに戻るって本当ですか?」
美雲と別れミラージュの部屋に向かっていた朔姫夜は、背後から声を掛けられた。
「ミラージュ、丁度良かった。今、貴女の部屋へ向かってた所よ」
「質問に答えて下さい!ウィンダミアに帰るって本当ですか?此処に残るって言ってたのに…」
「あれぇ?もしかしてミラージュも寂しがってくれてるのかなぁ?」
朔姫夜はからかい混じりに言った。
「寂しくなんかありません!」
「ムキになって怒るミラージュも可愛い」
「ムキになってませんし、怒ってもいません!!」
「うん、うん。分かった、分かった」
朔姫夜は美雲もミラージュも素直じゃないなぁ、と思いながらミラージュを抱きしめ頭を撫でた。
「陛下との婚約を解消したら戻って来るから寂しがらなくていいよ。それから、この数日たくさん心配かけてゴメンね、色々とありがとうミラージュ」
「…婚約解消するんですか?彼の…白騎士の為ですか?」
「キースの為じゃない、私の為。伯父様の遺言だと思ってたらロイドの企みだって分かったから、この話は無かった事にして貰えないかなぁって…大切な事だから通信じゃなく、直接会って話さないとね」
「そうですか…では約束して下さい!必ず戻って来ると。そして戻って来たらまた勝負して下さい。負けっぱなしはイヤですから」
ミラージュは笑顔でそう言った。
「約束する。そして戻って来たら貴女と勝負してまた私が勝つ!」
「いいえ、今度は私が勝ちます!」
2人は声を立てて笑った。
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