第8章
夢小説設定
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「これはどういう事だ?ロイド!!」
帰還したキースは朔姫夜の事を知りロイドの胸倉を掴み問い質した。
「どういう訳か朔姫夜様は敵の歌い手…美雲・ギンヌメールと同調し、増大なフォールド波を発生させた。おそらくその反動で意識を失ったと考えている」
「…お前でも予測出来なかったと言うのか?」
掴んでいた手を弛め離した。
「ああ。システムの解明は、また途中だ。何が起きるのか予測つかない…すまなかった」
「で、朔姫夜様の容態は?」
「意識不明という以外は正常。怪我などはされていない。ウィンダミアに戻り次第、再度精密検査を行う予定だ」
「そうか…だがもし朔姫夜様に何かあれば、その時は容赦しない」
「キース、お前…」
立ち去るキースの背中を見つめながらロイドは呟くいた。
キースが朔姫夜に対し恋愛感情があるのだと気づくが、それ以上何も言わなかった。
ウィンダミアに戻って来から数日後、朔姫夜は意識を取り戻し静かに目を開けた。
「っ!?朔姫夜…様…」
「…キース…ご心配をおかけしてすみません。もう大丈夫です」
部屋の感じから艦内ではなく既にウィンダミアに戻っており、自分が目を覚ますまでの間どれだけキースが心配していたのか、キースの安堵した顔を見て朔姫夜はすぐに分かった。
「長い夢を見ていました…いえ、あれは私の過去。全て思い出しました。そして母様と…父様の事も…」
「…父親?」
「ええ。まあ話しても信じて貰えないでしょうから秘密にしておきます」
「話してみなければ分からないと思うが?」
「そうですね、でも今はまだ秘密です」
朔姫夜は微笑んだ。
朔姫夜の自然な笑顔を見るのは久し振りだな…
ハインツとの婚約後、自分との言葉遣いも変わり無理に笑顔を作っている様に感じていたが、今日はとても穏やかな顔をしている。
「何か吹っ切れた様な顔をしているな」
「そうですね…夢の中でしたが母様と久し振りに話が出来たお陰かもしれませんね」
その時、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「何だ?」
「キース様、アルシャハルへの出撃の準備をお願い致します」
「…分かった。直ぐに行く」
キースは立ち上がりドアの方へと向かった。
「あっ、キース。私は何処にいても光射す道標として、いついかなる時も貴方の傍にいます。だから貴方は貴方が感じるままに翼を広げて飛んで下さいね」
「ああ」とキースは短く答え部屋を出て行った。
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