第7章
夢小説設定
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グラミア王自ら指揮をとりアルシャハルへ向かう事となり、プロトカルチャーの遺跡シグルバレンスに朔姫夜も乗船していた。
宇宙へ飛び立つとアルシャハルの手前までデフォールトし新統合軍の艦隊との戦闘が開始された。
「風が吹いている。幕を上げよハインツ!!」
グラミア王の命令でハインツが風の歌を歌い出すと、シグルバレンスの周りに次元断層が形成され新統合軍の攻撃を防いだ。
「…止めて…」
船内の一室に居た朔姫夜はハインツの歌声が聴こえて来ると、耳を塞ぎその場にしゃがみこんでいた。
「…もう止めて…人々のヴァール化は見たくない…」
朔姫夜の想いは届く事なく、ハインツの歌声は更に強まりヴァール化を促進し、開戦から15分でアルシャハルは陥落した。
「やはり一緒に来るべきではなかったのだ。ウィンダミアに残っていれば、その様に泣き腫らす事もなかったはずだ」
アルシャハル陥落後、まだ出撃命令が出ていないキースは朔姫夜の元へ来ていた。
「そうかもしれない。けど1人には、なりたくない…」
「…次はラグナへ進行する。お前が大切に思う仲間だろうが、俺は容赦なく撃ち落とす。風を穢した者共を俺は許す事は出来ない」
「…分かっています」
「ならば早々に腹を決める事だな…戦いは既に始まっているのだから。…言い忘れていたが、俺が死神の翼を折り風に散らせた」
「えっ!?…メッサーさん……」
朔姫夜にとって酷な事だと分かっているが、キースは敢えて厳しい態度をとり部屋を去った。
分かっていてもそう簡単に割り切れるものではなく、思い悩んでいる間にどんどんラグナとの距離が縮まって行った。
先制攻撃でマクロスエリシオンがデフォールトして来たが、ルンで事前に察知していたグラミア王は、すれ違いざまにラグナへデフォールトした。
だが、デフォールトする直前エリシオンから放たれた攻撃でサウンドウェーブシステムの一部が損傷し、修復するまで風の歌を歌う事が出来なくなってしまった。
進行中のシグルバレンスの周りでは空中騎士団と新統合軍との戦いが始まっていた。
「歌!?」
シグルバレンスがラグナの遺跡に向かっていると、デフォールトして戻って来たワルキューレ達の歌声が聴こえて来た。
「何?これは…?」
遺跡に近づいていたシグルバレンスの下の方から嫌な風をルンに感じた。
その直後、新統合軍が仕掛けた反応弾が爆発し衝撃でシグルバレンスが激しく揺れた。
大規模の爆発で逃げ遅れた機体は敵も味方も関係なく消滅して行った。
シグルバレンスはというと、シグルバレンスの遺跡が反応弾の衝撃を吸収し無傷だった。
ラグナの遺跡は消滅したが、その場に亜空間から転移して来た別の巨大システムが現れ、シグルバレンスと繋がった。
このシステムの強いエネルギーを利用してハインツが風の歌を響かせ、それに対抗してワルキューレ達も歌い出した。
「…私は…私は…」
どちらの歌も歌う事が出来ずにいた朔姫夜は、ゴメンなさい…と耳を塞ぎその場に蹲っていた。
ハインツの歌声が強まり命を掛けて歌っているのを感じたり、フレイアの命懸けの歌声も感じていたが朔姫夜は耳を塞いだまま動こうとはしなかった。
そして再び強い衝撃を受けた。
時限バリア焼失しエリシオンの攻撃が命中したのだ。
「っキース!?」
朔姫夜はキースの風の乱れを感じ顔を上げた。
「キース…どうか無事でいて…」
そう願っていると今度はグラミア王のルンが尽きる気配を感じ取った。
「伯父様…」
先程の衝撃でグラミア王が負傷し、それが元で亡くなった様だ。
エリシオンとラグナの一部の市民達はというと、惑星ラグナから離脱し宇宙へと旅立っていた。
「キース…」
その後キースは帰還したが片目を失い意識不明の状態で集中治療室で治療を受けていた。
グラミア王の葬儀とハインツの戴冠式の為にシグルバレンスはウィンダミアに戻る事となった。
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