第6章
夢小説設定
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ウィンダミアへ帰還するとボーグ、テオ、ザオの3人は朔姫夜の元へと駆け寄り膝まづいた。
「「「知らなかった事とはいえ、先程の暴行すみませんでした」」」
3人は同時に謝ると深々と頭を下げた。
「謝る必要などない」
後ろからやって来たキースはそう言い朔姫夜の前で立ち止まり、朔姫夜の頬をパチンっと平手打ちした。
「城からいなくなり心配掛けるだけでは飽き足らず、穢れた者達と一緒に穢れた歌を…何を考えている!」
キースは左手で朔姫夜の胸倉を掴んだ。
「ワルキューレの歌も彼女達自身も穢れてなどいません!!」
朔姫夜はキースを真っ直ぐ見つめキッパリと言い放った。
「キース達こそ何故、兵士達を道具の様に扱うんです?関係ない者まで巻き込み親子を引き裂いて…それも騎士道ですか?そんなんで恥ずかしくないのですか?」
「お前に何が分かる!?」
「そんなもの分かりたくもありません!」
キースが右手を振り上げるとロイドがそれを止めた。
「キース、もうその辺で…」
「ふんっ」
キースは胸倉から左手を離すと、今度は右手で朔姫夜の腕を掴み歩き大股で歩き出した。
朔姫夜は引っ張られながら小走りで自室へと戻って行った。
「地下牢ではないんですね?」
激怒しているキースの態度から、てっきり地下牢へ入れられると思っていた朔姫夜は自室へ戻され少し驚いていた。
「…その方が良ければ、今からでも地下牢へ連れていくが?」
「いえ…」
朔姫夜は椅子に腰掛けた。
「…キース、貴方は私がワルキューレにいる事を知っていたんでしょう?何故、他の者にそれを報告しなかったの?」
イオニデスで起きた不思議な体験を思い出し聞いてみた。
「確証が持てなかったから…」
他の者に知られる前に朔姫夜をウィンダミアへ連れ戻したかった、等と口が裂けても言うものかとキースは思っていた。
「……嘘つき…」
朔姫夜はキースに聞こえない位の大きさでボソッと呟いた
私の半身は確実にキースの元へと飛んでいた。
風を敏感に読み取る貴方が、それに気づかない訳が無い。
ワルキューレとして歌いながら貴方を護りたい、と包み込む様に傍にいた私の心に気づかない訳が無い…
ルンがザワつく…
それに胸の辺りがモヤモヤ、チクチクして何だか苦しい…
苦しくて…
苦しくてたまらない…
これは何…?
この感覚は何?
この感情は何なの?
朔姫夜は胸の辺りを押さえ縮こまった。
「何処か痛むのか?ボーグ達に殴られた時に怪我でも?」
キースの表情が一変し、心配そうな朔姫夜を覗き込んだ。
「…いえ…大丈夫です。殴られた傷はあるけど、大した怪我はしてないわ」
朔姫夜は顔を上げ答えた。
「なら良いが…後で食事を運ばさせる。それまで横になっているといい」
キースは朔姫夜に手を添えベッドまで連れて行った。
「フフッ、やはりキースは優しい人ですね。隠さずにもっとそれを表に出したら良いのに」
「戯言(ざれごと)を…」
「……もう少しだけ傍にいて…昔の様に…」
キースの袖口を掴み引き止める。
「………」
キースは無言でベッドの傍にある椅子に腰掛けた。
思っていた以上に疲れていたのか、朔姫夜は目を瞑ると直ぐに眠ってしまった。
キースはそんな朔姫夜の髪を撫で、平手打ちをしてしまった頬をに触れた。
少しやり過ぎてしまったか…?
腫れなければ良いが…
勢いでやってしまった事とはいえ、頬を引っ叩く必要は無かった
イトコだが妹みたいな存在のサキヤも一応、女性…
やはり手を上げるべきでは無かった…
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