第5章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「罠に掛かったのは4匹か…統合政府の犬共と…」裏切り者のウィンダミア人」
空中騎士団の1人、ボーグ・コンファールトはジャンプし階段を一気に飛び降りた。
「風を穢す裏切り者…」
ハヤテ、ミラージュ、朔姫夜の順に殴られ倒れて行く。
そしてフレイアには剣が向けられた。
「フレイアに手を出すな」
ハヤテは上半身を起き上がらせながら言い、その後ミラージュと目配せをした。
「ふんっ、何が空中騎士団だ。丸腰の女に剣を向けるのが、お前らの騎士道なのかよ!」
「何だと」
「ヴァールを盾にしないと喧嘩も出来ないんだろ?強え、強え、ご立派なーー」
ハヤテが挑発していると、ボーグはハヤテを蹴り飛ばし、そのタイミングでミラージュは閃光弾を放った。
辺りが光に包まれその光に紛れて朔姫夜とハヤテ、ミラージュが攻撃を仕掛け様としたのだか、通路の上で待機していた双子のテオ・ユッシラとザオ・ユッシラに殴られ未遂に終わってしまった。
「何が解放だ…人を操って…親子を引き離して…そんなのが大義だってぇのかよぉ!!」
「先に我等の平和を土足で踏み躙ったのは地球人だ!!」
「だからって…だからって、食べ物を粗末にしちゃいけん!」
フレイアはリンゴを掴みボーグの前に突き出した。
「はぁ?」
「皆が…皆が一生懸命作ったリンゴを戦争に使うなんて…それが本当にウィンダミアの為なんか?リンゴと皆に謝らんかい!!!」
「っダハハハハ。一本取られたなボーグ」
ボーグの後ろにいたヘルマン・クロースは笑いながら言った。
「俺の家もリンゴ農家だったよ」
黙って一部始終を見ていたカシム・エーベルハルトが口を開いた。
「だが、畑も両親も兄弟もあの戦争で失ってしまった。これは、戦争なんのだ」
カシムがそう言い終えた時、コツコツと此方にむかって来ている足音が聞こえた、
「茶番は終わりだ」
現れたのはキースだった。
「フレイア・ヴィオン、祖国を捨ててお前は何故、穢れた者達の歌を歌う?」
「祖国を捨てて…」
フレイアが呆然としているとキースは階段を飛び降りた。
「私はウィンダミアを捨ててなんか」
「では何故歌う?憎むべき者達の歌を…お前はただ、歌と言う幻に取り憑かれているに過ぎない。何の覚悟の持たぬ者の歌など戦場には不要」
キースは剣に手を掛けた。
「その震えるルン事斬り落とし祖国に帰してやろう。それが同じ風の中で生まれたものとしての、せめてもの情けだ」
キースはフレイアに近づき剣を振り上げた。
「止めなさい!キース!!」
フレイアの傍で膝をついていた朔姫夜は立ち上がりフレイアの前で両手を広げた。
その姿はワルキューレでの朔姫夜ではなく、髪を解きホログラフィ装置を外し本当の姿に戻っていた。
「「「朔姫夜様!?」」」
キース以外の空中騎士団は驚きながら片膝をついた。
朔姫夜の事を薄々勘づいていたキースは眉間に皺を寄せ、朔姫夜を睨んでいた。
「ワルキューレの歌を歌う事が裏切り者だと言うのなら、私もフレイアと同罪です。キース、私から斬りなさい!」
朔姫夜はキースから目を逸らさずに、睨み返していた。
キースが剣を振り下ろそうとした時、ロイドが突如現れて剣でそれを止めた。
「ロイド…」
「捕獲しろと命じた筈だ。ワルキューレについては知りたい事がある」
その時、ワルキューレの曲が聴こえて来た。
美雲やカナメ、マキナ、レイナが助けに来たのだ。
あちこちでホログラフィの4人が映し出され空中騎士団を惑わして行き、隙を見てメッサーが銃で攻撃して来た。
フレイア、ハヤテ、ミラージュが救出されて行く中、朔姫夜だけはキースに捕まってしまっていた。
「「「朔姫夜!!」」」
「私は大丈夫!大丈夫だから皆は早く逃げて!!!」
朔姫夜がそう叫ぶとワルキューレ達はその場を離れて行った。
「必ず戻るのよ!待ってるから!」
逃げ出す直前、美雲はそう叫んだ。
キースは朔姫夜を肩に担ぐ様に抱えながら、メッサーの銃撃を華麗に避けて行く。
「キース、降ろして!」
「怪我したくなかったら大人しくしていろ」
朔姫夜は仕方なくキースの肩の上で暴れるのを止めた。
メッサーはワルキューレ達が逃げ出したのを確認すると、銃を撃ちながら後退し始めたのだが、階段の途中でキースと出会した。
キースは朔姫夜を抱えていないもう片方の手に剣を持ちメッサーに斬りつけたが、メッサーは銃でそれを防いだ。
「我が風を読んだな?貴様が死神か?」
「お前は…白騎士っ。彼女を離せ」
「それは出来ぬ相談だな…貴様との決着は空でつけよう」
キースは飛び退き朔姫夜と一緒に闇の中へ姿をくらました。
朔姫夜は逃げ出せない様に両手と体をロープで縛られてしまった。
「話は後だ」
キースはそう言うと朔姫夜をロイドに渡した。
ハインツの風の歌声とワルキューレの歌声が聴こえ出し、空中騎士団やヴァール化した兵士とΔ小隊の空中線が始まった。
ハインツの歌声は前よりも強く感じ朔姫夜は胸を締め付けられている様な感じがしていた。
「…遺跡と相互しているの?ロイド、止めさせて!これではハインツの身体が…」
朔姫夜はロイドに訴えた。
「それは出来ません、朔姫夜様。これもウィンダミアの為なのです。早く戦争を終わらせる為…」
「その為にあの子が犠牲にならなければならないのですか!そんなの…そんな事は間違ってます!!」
「ハインツ様もご納得されての事です。朔姫夜様、貴女が口出しする事ではありません!」
行きますよ、とロイドは朔姫夜を引っ張り歩き出した。
朔姫夜はロイドについて行きながら、少しでも皆の力になりたいと思いワルキューレの曲に合わせて口ずさんでいた。
「その歌は…ワルキューレの…」
ロイドは立ち止まり朔姫夜を見つめ少しの間何かを考えている様だったが、朔姫夜は別の感覚に気を取られていて気づいていなかった。
何?この感覚…
歌が重い…
遺跡がワルキューレの歌にも反応してるの?
朔姫夜がその感覚に押し潰されそうになっていると、今度はフレイア1人の歌声が聴こえて来て苦しさが和らいで行った。
それと同時に朔姫夜を見つめていたロイドが
「これは面白い」と言って顔を上げた。
「遺跡の力が蘇りつつあるのか…?」
・