第4章
夢小説設定
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「ミラージュ、貴女の飛び方は固すぎるわね。頭で考えて飛び過ぎよ。たまに遅れたりするのもそのせいよ」
「教科書通りで硬いって言いたいんでしょ?貴女に言われなくても分かっています!」
「もっと身体で風を感じて心のままに飛べば凄腕のパイロットになれるのに、勿体ないわ。私が教えましょうか?」
隊に残る事を決めた翌日からミラージュが、通常の訓練以外でも自主的に訓練しているのを知っていた朔姫夜はそう提案した。
「機体を飛ばしたことも無い貴女に何が分かるっていうの!」
馬鹿にしないで!!とミラージュは怒りをあらわにした。
「操縦したことが無いなんて1度も言った覚えはないわ。玄人ではないけれど素人でもないわよ。試してみる?」
そこまでいうのなら、とミラージュと朔姫夜は模擬戦をする事となった。
「ハヤテの機体借りるわね。私もヘルメットは嫌いなの」
朔姫夜はコックピットに入ると目を閉じ1度だけ大きく深呼吸をした。
「それじゃあ、先に飛ばせてもらうわね」
目を開けそう言うと空に飛びたち機体の癖を探る様に上下左右に動かした。
この感覚は久しぶりだけど、やはり飛んでる時の風も気持ちが良い
んっ?
左右の風が微妙に違う
左エンジンか…
見た目では気づかない微かな凹みの様だから飛ぶ分には何の問題もない
「いつでもいいわよ」
「それでは、機体がすれ違った瞬間、開始します」
審判はメッサー
ルールは先に実弾の代わりのペイント弾を相手の機体に当てた方の勝ち
制限時間は5分
2人の機体が左右に別れ相手の方へと飛んで行く。
どんどん距離が縮まり機体がすれ違うと朔姫夜はクルリと機体を回転させミラージュの機体にペイント弾を当てた。
それは、あっという間の出来事だった。
「ルール変更!5分間の間に私に1発でも当てられたらミラージュの勝ち」
「いえ、もう勝負はつきました。私の負けです」
とミラージュが言っている時に、上空から朔姫夜の機体目掛けてペイント弾が発射され間一髪でそれを避けた。
「ほぉう、あれを避けるか」
「ちょっ!メッサーさん!?」
「ルール変更だ!ミラージュ、朔姫夜を堕とすぞ」
メッサーの声は何だか嬉しそうだった。
「えっ?あっ、はい!」
「はぁ?ちょっ!それはズルい!!」
そう言いながら朔姫夜は風に乗りスピードを上げ2人の攻撃を華麗に避けて行く。
「この飛び方は、白騎士…」
下で見ていたアラドが呟いた。
メッサーも機体を操縦しながら同じ事を思っていた。
「そーいえば、あのお嬢ちゃんは飛ぶ事が好きで何度か後ろに乗せてとせがまれたっけな…」
アラドは昔を思い出し微笑みながらボソッと呟いた。
朔姫夜は何とか2人の攻撃を避け切り5分間無傷で模擬戦は終了した。
その間ミラージュは数発朔姫夜の攻撃を受けていた。
朔姫夜のコックピットが開くと、いつの間にか集まった大勢の観客が盛大に拍手した。
「えっと…あのー」
朔姫夜は困惑しながら降りて来た。
「完敗です」
ミラージュはそう言うと項垂れた。
「ワルキューレを辞めてパイロットになる気はないか?」
アラドが声を掛けた。
「それは困ります!」
アラドの隣にいたカナメが即答した。
「白騎士には劣るがかなりの腕前。野放しにしておくには勿体無い才能なんだが…」
と、アラドは頭をポリポリとかいた。
「すみません。とても嬉しいお言葉なんですが、お断りさせていただきます」
朔姫夜がそう言い頭を下げるとカナメはホッと胸を撫で下ろした。
「レッスンの合間でいい、俺の訓練を手伝ってくれないか?」
傍で黙って聞いていたメッサーが口を開いた。
「えーっと…優先順位は3番目になりますけど、それでも良ければ…」
第1はワルキューレとしての活動、第2はミラージュの訓練、なので3番目と告げた。
「それで構わない」
「あっ!ズルい、俺も」
ハヤテも言って来たが、貴方にはミラージュがいるでしょう、と断った。
「さー、そうと決まったら訓練ね!着替えて出掛けるわよ、ミラージュ!」
朔姫夜はミラージュの腕を掴み歩き出した
「はっ?えっ?出掛けるって何処へ?」
「それは着いてのお楽しみ」
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