『ひーーー…… あ、暑すぎる…』

真夏の日差しが強く照りつけ、立ってるだけで
溶けてしまいそうな夏のある日。
普段ならこんな暑い日に外になんか出ないで家でのんびりアイスクリーム食べながら過ごすのだが今日は事情があり、鮫柄学園に来ていた。

『屋内プールって、ここ……？』
私はある人に来てほしいと朝の７時に電話されやむおえずはるばるここに来た。
しかし鮫柄学園は男子校なので女子である私がここに来るとのちのち面倒なのではと思いつつ来てしまった。
さすが、水泳強豪校なだけあり、屋根付き屋内プールで大勢の選手が各々練習している。
ここにうちの筋肉大好きマネージャーがいればオアシスだったであろう。

『どこにいるのかな……』
キョロキョロしてたら前の人とぶつかってしまった。
『ぐえっ』
｢あ？なんだ？｣
『す、すいません…………あ！！凛！！！！！』
｢おー、海月じゃねえか。つか、さっきの変な声はなんだよ（笑）｣

このイケメンヅラした赤髪の彼はここ、鮫柄学園水泳部部長の松岡凛。ちなみに私の小学校からの幼馴染でもある。
相変わらずギラギライケメンオーラ全開で、正直この暑い日にはうっとうしい。
『人探ししてたらぶつかっちゃった。』
私は凛にことの経緯を説明した。
｢あー、あいつなら今タイムアタックしてっからここで待ってろ。つか、もうすぐ今日の練習終わっから。｣
『ほんと！？ありがとう！』
｢ん。｣
凛はそう言うとプールへ戻っていった。

待ってる間私は彼の泳いでるコースを探した。
でも、彼の泳ぎはすぐに見分けがつくのであまり時間はかからなかった。
『あ、いたいた。』
私は彼を待ってる間にプールから漂う塩素の匂いと湿った空気に落ち着いたのか、いつの間にかうとうとしていた。