第三章 可愛い子には楽をさせよ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
10.料理と会場
皐月末に行われる春誕生日会。
忍たまやくノたまたちは忙しい合間を縫ってユキのお手伝いを頑張ってくれていた。
もちろん、この誕生日会の責任者を任されているユキも頑張っている。そう、どんなに彼女の心がズタボロになっていようとも、だ。
「なあなあなあ!どうやって山賊から金品巻き上げたんだ?」
『煩い勘右衛門くんっ。それにそのうわさ違う「俺もその山賊に会いたいっていうか、その金大丈夫なのか?血まみれの金で春誕生日会しても・・・『だーかーらー山賊から巻き上げたわけじゃないんだってばッ』
彼女の心がズタボロなのはこの噂のせいである。そしてそれは全て鉢屋三郎のせいだ。
じゃあどうやってお金を工面したんだ?と聞いてくる勘右衛門くんに各委員会の春誕生日会準備の進み具合を聞いてくるように指示を出して追い払いながら思う。
三郎くん・・三郎のせいで忍術学園には素敵な噂が広がっていた。
「事務員の雪野さん、春誕生日会の予算計算ミスって予算足りなくなってただろ?
足りなかった予算分、山賊から巻き上げたらしいぜ」
初めの噂はこうだった。が、今の噂はこうだ。「雪野が山賊に指示を出して屋敷を襲わせて金を工面した」になっている。
お前ら忍者の卵だろッ。噂の内容ぐらい正確に伝達しろよってか、私は山賊となんの関係もないわああああっ!!
と、言うことで、不本意ながら私はこんな紙を掲示板に張っています。
“雪野ユキは山賊から金品を巻き上げておりません。春誕生日会はクリーンなお金で開催されます”
汚職政治家の言い訳みたいな文句だが、ないよりはましだろう。
ましだ、というのはさっきの勘右衛門くんみたいに私を茶化したくてこのネタを私にブン投げてくる忍たまが多いからだ。
兎に角!上記の事をまとめると“三郎が悪い”に尽きるのである。
さてさて、こんな噂はあるのだが、噂消しに躍起になっている場合ではない。私にはやることが山ほどあるのだ。
今日の放課後は料理担当の委員会さんとおばちゃん、そして私のお手伝い係という名のなんでも係の学級委員長委員会の合同打ち合わせである。
ちなみに、勘右衛門くんにはさっき用事を頼んだし、三郎くんは会場設営の用具委員さんの手が足りていないらしく手伝いをお願いしているのでこの二人はいない。
残る学級委員長委員会、一年い組の彦四郎くん、は組の庄左ヱ門くんと一緒に食堂に入ると、既に図書委員さんと火薬委員さんが待っていてくれた。
『お待たせしました』
そう謝りながら食堂に入るとにっこり笑顔で私の名前を呼びながら手を振ってくれる下級生たちが目に映る。ここは天国か?天国なのか!?
天に召されないように気をつけながら長テーブルをみんなと一緒にくっつけていよいよ会議開始。
まずはメイン料理を決めましょう。
はじめに、予算をみんなに見せる。
「前回と同じくらいの予算ね」
とおばちゃんが言った。
「前回はどんなお料理が出たんスか?」
はい。と手を挙げてきりちゃんが質問。
「前回は冬誕生日会だったからねぇ。お肉とかを手に入れるのは難しかったのよ。野菜とお魚中心のお料理だったわ」
一年生以外のメンバーが前回の冬誕生日会のメニューを教えてくれる。お肉料理はないと言っていたが、聞いているだけでヨダレが出そうな美味しそうなメニューだった。
「・・・ですが、今回は春誕生日会ですし、肉も手に入ると思います」
「そうね、長次くん。お肉料理も入れたいわね。だけど・・・お肉って高いのよねぇ。お肉を買って、他の食材が買えなくなったら困るし」
おばちゃんが困ったように頬に手を当ててふーと息を吐いた。
確かにお肉は高い。だけど、食べ盛りの忍たま、くノたまちゃんたちにお肉料理も出せたらいいんだけどなぁ。
何か良い案はないだろうか?と考えているとポンと兵助くんが手を打った。
「買うんじゃなくて捕ればいいんじゃないかな?罠を張れば、春誕生日会までにある程度の動物を捕獲できると思う」
「それはいい案ですね~。罠なら僕たちの学年の綾部喜八郎にアドバイスを受けながら張ったらどうでしょう?」
兵助くんの言葉にタカ丸くんが言う。
「塩漬けにしておけば保存がきく・・・」
どのくらい捕れるか分からないがこれは良い案だ。みんなで顔を見合わせて「これでいこう」と頷き合う。
「あ!それなら、川にも罠を張って魚を捕まえませんか?」
ピンと手をまっすぐ伸ばして発言してくれたのは庄左ヱ門くん。
『うん。そうしよう。あ、でも・・魚も今からとって春誕生日会まで保存は効くのかな?』
「天日干しする方法もあるが・・・魚くらいなら春誕生日会までの間生簀で飼ったらいい」
「そうですね。流石に動物は愛着が湧くし、猪などの凶暴な生き物を飼うのは危険ですからね」
長次くんの言葉を受けて眉を下げて雷蔵くんが言った。
私たちは取り敢えず山で取れそうな動物、川や海で取れそうな魚を書き出してみることにした。
猪が捕れたら牡丹鍋、うさぎや鳥類はそのままバーベキュー。
魚の煮物類は誕生日っぽくないという意見が上がったのでこれも串刺しにしてバーベキュー式で焼くことにした。
こうなると、晴れているなら屋外でした方が都合がいいのかな・・・?
後で留三郎たち用具委員に相談してみないと。
『あとは食料調達の担当を決めたほうがいいね』
こうして食料調達の係りを決めることになった。
料理担当は食料調達から調理まで大変なので、図書委員さん、火薬委員さん合同で進めることに。
そして話し合いの結果決まったのが、上級生の長次くん、雷蔵くん、兵助くん、タカ丸くんがお肉調達係。
下級生は能勢久作くんをリーダーに図書委員の下級生、怪士丸くん、きりちゃん、そしてお手伝いとして学級委員長委員会の庄左ヱ門くん、彦四郎くんを魚捕獲担当に決定。
火薬委員の下級生、三郎次くんと伊助くんにはおばちゃんの街への買い物の手伝いをお願いすることにした。
メインの方向性が決まったところで話はデザートの話へ移る。
『「どんな豆腐デザートにしようか??」』
「も~~久々知先輩もユキさんも絶対言うと思いました」
同時に言う私たちに三郎次くんが苦笑いをしていると、伊助くんがはいっと元気よく手を挙げる。
「やっぱり誕生日ケーキは外せないと思います」
『豆腐ケーキ?』
「ユキさんっ!」
『もごご』
黙りなさいとばかりにきりちゃんに口を塞がれてしまう。反省します。ごめんなさーーい
無事にケーキはメニューに加わった。
『人数がたくさんいるから一人が食べられるケーキの量は限られてしまうし、ケーキの他にも何か作ろうか』
みんなでアイデアを出し合う。
クッキー、ボーロ、カステラ、お饅頭、お団子、そして・・
『「杏仁豆腐っ!!」』
「「「「「「「「はいはい」」」」」」」」
みんなに呆れられつつも、杏仁豆腐はデザートに決定!私と兵助くんはパチンと手を合わせる。
残りはボーロ、お団子、それから最近ムシムシしてきたので水まんじゅうを作ることになった。
デザート作りは図書委員、火薬委員の両委員が協力して作ることになった。
私と学級委員長委員会も作りたかったのだが、当日は不測の事態に備えて控えておきたかったので、デザート作りのお手伝いは遠慮させてもらった。
『これで当日の献立は決まりかな』
「モソ」
「もし何かあっても俺たちで調整するからユキは心配せずとも大丈夫なのだ」
『ありがとう、長次くん、兵助くん、みんなも、おばちゃんも』
よし。料理の方はこれでオーケーとして、私たちは次の場所に向かわなければならない。
『それでは、私たちは用具委員さんのところへ行くので後をお願いしますね』
「はーい!」と元気な声に見送られて私は庄左ヱ門くん、彦四郎くんとともに用具委員さんのもとへと向かう。
委員会活動をしているという用具倉庫へと向かうと、
「ユキさんだっ!」
「わーーーい!ユキさ~~~んっ」
元気な二人が私に飛びついてきてくれた。しんべヱくんと喜三太くんだ。
ふたりの後ろに視線を向ければ用具委員さん、作法委員さん全員と三郎くん、勘右衛門くんの姿もあった。
『しんべヱくん、喜三太くん、二人共委員会活動頑張ってる?』
「うん。僕たち、食満留三郎先輩と立花仙蔵先輩のお役に立てるように」
「一生懸命に頑張っているのですっ!」
交互に言う二人から名前が挙がった先輩たちの方に目を向けると・・・
『え?仙蔵くん!?』
仙蔵くんがその長くて美しい髪を振り乱し、地面に倒れていた。な、何事!?!?
慌てて仙蔵くんのもとに駆け寄る私。
『ちょ、ちょっと!?大丈夫』
「あ・・・・ユキか・・・ははは、はは。(ガクッ)」
気絶した。
『レ、レア!!写真!写真撮りたいっ』
「おいおい。心配してやれよ(シャシンて何だ?)」
じーっと珍しい姿に見入っていると後ろに立っていた留三郎から突っ込みが入った。
だって仙蔵くんがこんなになってるのを見られる機会なんて滅多にないんだもの。
『で、いったいなにがあったの?』
「いやー実はな・・・」
仙蔵×厳禁(しんべヱくん+喜三太くん)=爆発 という方程式があるらしい。
よく理由は分からないが、しんべヱくんと喜三太くんと一緒にいると仙蔵くんは伊作くん並みの不運に見舞われて、最終的にはこのようにズタボロ状態になってしまうそうな。
この話、噂には聞いていたけれど実際にこうなってしまうなんて・・・六年生の秀才をこんな状態にまでしてしまうしんべヱくん&喜三太くん恐るべし、である。
「ユキ、ちょうどいいところに来てくれて良かった。会場の場所の候補をいくつか挙げたから一緒に検討してほしいんだ」
留三郎たち用具委員さんが考えてくれた場所は武闘場、校庭、それから教室を二つ使う案。
「どれもそれぞれ問題があるんだよな。例えば武闘場は、武闘場での飲食を戸部先生が許してくださるかということ。校庭は雨が降っちまったら使えねぇだろ。教室は許可を取るのは問題はないが、二つの教室を行ったり来たりしなきゃいけなくなる」
『そうだね。難しいね・・・』
「飾り付け係の作法委員にも相談していたんだが、このくらいしか案が浮かばなくてな」
留三郎が三郎くんと勘右衛門くんにズルズルと引きずられて壁にもたれかけさせられている仙蔵くんを見ながら言った。
『確かに、これは難しいね。料理の方がバーベキューにほぼ決定なの。流石に武闘場でバーベキューなんかしたら匂いがねぇ』
戸部先生にご迷惑をかけてしまう。
「外に天幕を張るか、それかどっか外にいい場所ねぇかな」
「・・・に・・たら・・・・どう、だ?」
留三郎と二人でうーんと考え込んでいると絶え絶えとした声が聞こえてきた。
タタっと走って仙蔵くんの前にしゃがみこむ。
『大丈夫?保健室連れて行こうか?』
「・・・いや、いい。これはいつもの事だ」
三郎くんと勘右衛門に支えられながらヨロヨロと立ち上がった仙蔵くんが私に言ったことは意外なこと。
「ユキ、お前は山賊を子分に持っているだろう。そいつらに、使われなくなった古寺や空家がないか聞いてみたらどうなのだ?」
思ってもみなかった提案に目を瞬きながら考える。
確かに、仙蔵くんの言う通り、汚しても良くて、屋内の場所だったら廃墟や古寺はもってこいだ。
『それ凄くいいアイデアだよ!』
「しかしユキ、山賊たちの居場所はわかるのか?」
『ふふ。実はわかるんだなーこれが』
勘右衛門くんに懐から山賊のアジトの地図を見せる。
笑顔に変わる、みんなの顔。
「わあ!凄いや!やっぱりユキさんって山賊の親分だふぁアハハハハ」
おかしな事を言う兵太夫くんにはこれだ!くすぐりの刑!!
ヒーヒー笑う兵太夫くんを見て僕もくすぐって!と私に寄ってきてしまう一年生を諌めてくれる上級生。
そんな仲良く、絆の深い彼らに私から提案。
『この地図から見るとそんなに遠くないみたいだし、今から山賊のアジトに行ってみない?』
こうして用具委員、作法委員、そして私と学級委員長委員会は山賊のアジトへと向かうことにしたのだった。
****
一辰刻(二時間)ほど歩いて辿りつた山賊たちの砦。そこは簡素な掘っ立て小屋。ではなかった。
『凄い・・・』
「随分でかいな」
「こんな場所にこんな立派な建物があったとは・・・・」
どーんと立っているのは大きなお寺だった。だった、というのはもう既に寺はどこか別の場所にお引越しして久しいらしく、門に寺の看板もかかっていなかったし、中はだいぶ朽ちていたからだ。
「山賊怖いよぉ」
『大丈夫だよ、平太くん。怖いって感じの山賊ではないから。それに何かあってもこっちには上級生が四人もいるからね。怖がらなくても大丈夫だよ』
そんなことを話しているとザッと私と下級生を囲むようにして上級生が武器を構えて身構えた。
しばらくして建物内から聞こえてきたのはドタドタという足音。
どうやら山賊のお出ましらしい。
ドタドタという足音ともに一番大きな建物から出てきたのは見たことのある三人の顔。
「「「姐さんっっっ!!!!」」」
『やっほー(姐さん言うなっ)』
刀を抜いていた山賊たちはそれぞれ鞘に刀を収めながらニコニコと私たちの方へとやってきた。
「ええと、姐さん・・こちらのみなさんは?も、もしや俺たち以外にも子分がッ!?」
『違うわっ!忍術学園の生徒さんよ!!』
「そうでごぜぇやしたか!(よ、よかったー)」
口々に良かったー。と顔を見合わせている山賊たちは何が良かった。なのか気になるところだが、今はややこしいので気にしないでおきましょう。
「ところで、姐さん。今日はなんの御用で?」
『うん。それがね・・・・
私は山賊に事情を話し、適当な廃墟がないか聞いてみた。すると、何故か山賊たちはニンマリ顔。
「実はですね姐さん」
すーっと一斉に息を吸った山賊たちは
「「「この寺は姐さんへのプレゼントなんですッ!!!!」」」
と言った。
「「「「「「はああああああぁぁぁ?!?!?!?」」」」」」」
驚愕。という言葉はこういう時に使う言葉なのだろう。
いつも冷静な仙蔵くんを始め、上級生から下級生まで大絶叫。
『な、な、な、何言っているわけ?こんな大きなお寺をプレゼントって』「元寺です」“元”なんてどーでもいいのよ!いくらなんでも受け取れないわよ!』
というか、この前の刀といい、どうして君たちのプレゼントはこう突拍子もないのだ!
しかし、頭を抱える私の横では・・・
「これなら忍術学園全員が入れますね」
といつも冷静な庄ちゃんが言い、
「からくり屋敷に出来そうだ!」
「古いけど大丈夫かな?確認しないと」
と、兵太夫くん、伝七くんがお寺の方丈と呼ばれるメインホールへと駆けていってしまった。
「しんべヱ!僕たちも行ってみようよ。なめさんたちも中を見てみたいって言っているし」
「うん。行こう!平太、庄左ヱ門と彦四郎も行こう」
「「「うん。行こう!!」」」
『ちょっと待って!まだ受け取ると決めたわけではッ』
私の言葉を聞いてか聞かずか走って言ってしまった一年生’S。振り向くと、残された上級生メンバーの苦笑があった。
『み、みんな~~~私どうすればいいの!?!?』
「もらっとけば?」
『またそうやって三郎くんは簡単に言うッ』
思考がついていけずうわーん。と頭を抱えていると、「私たちも中見てみようぜ」「おう!」という自由な五年生の会話が聞こえてきた。五年生コンニャロオオォ
「ユキさん大変ですね」
『ありがとう、藤内くん。私の気持ちを分かってくれて・・って喜八郎くんは?』
「綾部先輩は穴を掘っていらっしゃいます」
『あーーやーーべーーーーー!!!!』
皆の自由加減にゴオオォと怒りの炎を燃やす私を見て三年生の作法委員、浦風藤内くんと用具委員、富松作兵衛くんが喜八郎くんを止めに行ってくれた。
そして、結局この場に残ったのは山賊、私、そして六年生のふたり。
話し合いをするのには適した人数だけど・・・つ、疲れたよ。
「実習で廃墟をよく利用しているがここは初めて来たな」
辺りを見渡して仙蔵くんが言った。
「そうだな。こんなところに古寺があるとは知らなかった」
留三郎も首を縦に振って同意する。
「俺たちもここを見つけたのは偶然だったんですよ。雨の日に森をさまよい歩いていたらこの古寺を見つけて」
「俺たちが見つけたときは随分朽ち果てていやしたが、俺たち元大工だったんで、俺たちでこの古寺を修繕してたんです」
山賊手下其の一と山賊手下其のニが代わる代わる話してくれた。
その時、私はふと思った。大工って・・・この人たちどうして山賊やっているのだろう?
それに私に手紙をくれた山賊の頭。
この世界は私の世界の過去とは少し違う、別の時間軸の世界だ。それでも、この世界の今の時代には寺子屋などはなく、識字率はとても低いと吉野先生から聞いたことがあった。
手紙をかける山賊の頭。元大工の山賊。
まっとうに暮らせばいいのに・・・・
「ユキ?」
『え、あ、ごめん。ぼーっとしてた』
仙蔵くんの声で現実に引き戻される。
とにかく今は山賊よりも、この古寺を貰い受けるか否かだ。
「もし、この寺を貰ってくださるのなら姐さん。あっしたちを姐さんの子分にしてくだせぇ」
これが私にこの寺を譲る条件だった。
『ちょっとこの子達と相談させて』
この立派な建物と広い敷地付きの古寺+やっかいな山賊どもの姐となるか、はたまた、この話は断って、新たに春誕生日会をやれそうな場所を探すか。
仙蔵くん、留三郎と相談して私が出した答えは・・・・
『この古寺!貰い受けさせてもらいます!!』
「「「っしゃーーーーー姐さ~~~~~んっ」」」
こうしてめでたく三人の子分を持った私は、めでたく春誕生日会の会場をゲットすることができたのだった。
(近々、山賊たちにまっとうな職がないか吉野先生に相談に乗ってもらおうっと)
いつまでも 姐さんでいる 気はないぞ
私は心の俳句を詠んで瞳を閉じ、
「立花センパーイ。このお寺、からくり屋敷にしていいですか?」
「ダメだッ」
「山賊さーん。しんべヱが備蓄している食料食べていますがいいですか?」
「ええええっ!?!?良くない、良くないッ」
「なめさんが行方不明だ~うえ~ん。立花せんぱーい」
「ひいぃお前の所属委員は用具委員だろうッ。食満留三郎に頼れって留三郎はどこだ!」
「食満先輩はぁ僕の落とし穴のトシ夫くんに落ちられました~」
「喜八郎~~~っ!!何故こんなところに落とし穴を掘ったんだッ」
「ユキっここに布団がある!一緒に昼寝しようぜ」
「私も混ぜろ三郎!ってことは三人で・・・やらしいなっ」
『変な想像はやめてくれっ』
このカオスな状態から目を逸らした・・逸らせなかったのだった・・・