第3章 小さな動物たち
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2.蝙蝠の友達
ホグワーツでの生活が始まって1ヶ月――
『おはよう。セブ、待ってたよ』
談話室に降りると僕を見つけたルイがソファーからピョンと立ち上がって駆け寄ってきた。
黄色い瞳がロウソクの炎に反射してキラキラと輝いている。
「僕のことなんか待たずに先に行っていれば良かったのに」
『私はセブと一緒に食べたいの』
嬉しそうな顔とストレートな物言いに頬が熱くなっていくのを感じたので、階段を駆け上がるように登っていく。
親鳥についてくる雛のように僕を追いかけてくるルイ。
『待ってよ、セブ』
大広間に入ると周りの生徒たちからの視線を感じた。彼らが見ているのは僕じゃなくてルイの方。
白い髪に黄色い目。変わった容姿の彼女は人目を引く。
この1ヶ月、僕はルイの陰口を何度も耳にしてしまった。
何の種族との混血なのだろう。気持ち悪い、と。
彼女が僕とリリー以外の人と話しているのを見たことがない。
僕の方も、僕が闇の魔術について話すたびに人が離れていった。嫌悪と……嫉妬。僕はルシウス先輩に目をかけられている。それが皆、面白くないのだ。
溢れた者同士
周りはそういう目で見るけど僕は嫌じゃなかった。
むしろ彼女と一緒に過ごすのが好きだから、ルイに近づく奴がいない今の状態がずっと続けばいいと思っている。
『初めの授業は変身術だっけ?』
料理を小皿に取り分けていると口をモグモグ動かしながらルイが言った。
「あぁそうだ。ルイ……食べながら話すなよ」
『ごめん』
肩をすくめてルイは自分の方にパンが入った籠を引き寄せた。
彼女の取り皿を見れば山盛りに盛られていたはずのポテトサラダが綺麗に消えていた。いつの間に食べたんだ?
驚いて食べている様子を観察していると、ルイはマグルの掃除機で吸い込むようにパンを口の中に消していく。
「そんなに食べると太るぞ」
『私、太ってる?』
「今はまだ。でも、運動もしないでその勢いで食べたらあっという間に膨れ上がる」
ふうんと他人事のように相槌を打つルイの食欲に呆れているとクスクスと小さな笑い声が聞こえてきた。
「あ、おはようございます、ルシウス先輩」
『おはようございます』
「おはよう。ルイは朝から元気がいいね」
ペースを乱さずに黙々と食べ続けるルイを見てルシウス先輩が笑った。恥ずかしい奴……
「君たちスポーツは好きかい?」
唐突なルシウス先輩の問いに言葉を詰まらせていると先輩は僕たちの前に1枚のポスターを広げた。
ルイも興味を持ったらしく僕と一緒に覗き込む。
スリザリン クィディッチチーム 強化選手募集
第1回 練習 10月15日 16:00~
『クィディッチってなんですか?』
「あぁ、君は記憶喪失だったね。スラグホーン教授から聞いているよ。クィディッチについて説明してあげよう」
そう言ってクィディッチの説明をしてくれるルシウス先輩。
魔法界で人気のスポーツ、クィディッチは空中でやるサッカーを過激にしたようなもの。
僕には縁のなさそうな話だがあまりにも興味を示さないと先輩に申し訳ない。
『1年生も選手になれるのですか?』
適当に相槌をうっているとルイがポスターを手にしながら言った。
「いや、レギュラーに入れるのは2年生からだ。だが、今のチームは最上級生が中心のチームだから来年度は新しく選手を補充しなければならない。クィディッチは寮杯に関わるから監督生として今のうちから手を打っておこうと思ってね。見込みがありそうな生徒に声をかけているのだよ」
『私やりたい』
お腹が減ったと同じようなトーンでルイが言った。
「興味があるのかい?」
ルシウス先輩の問いに満面の笑みで頷くルイに僕は眉をしかめる。どうにかやめさせないと。
「簡単に言うけどクィディッチは激しくて危険なスポーツなんだぞ。今まで授業でしか箒に乗ったことないだろう?」
『でもやってみたいんだもん』
目をキラキラさせてポスターを見ているルイは相当やる気なようだ。
何にでも興味を持つのはルイの良いところでもあり、悪いところ。
『ルシウス先輩、この強化練習に参加してもいいですか?』
「こら、ルイ。初心者のお前が行っても邪魔になるだけだ。やめておけ」
さっきからルイに冷たい視線を向けている周りの目が気になる。
練習に参加したところで笑いものになるか虐められてしまうかもしれない。
今は陰口を叩かれるだけで済んでいるが……
そう考える僕の気も知らず目の前のルイはブスっと膨れっ面。
「何事もやってみないとわからないさ。我々は君を歓迎するよ、ルイ」
「ルシウス先輩!」
品の良い微笑みを浮かべるルシウス先輩の言葉に破顔するルイ。
僕は胃が痛いような気がしてお腹をさすった。
「詳しいことは後日キャプテンから連絡させよう。では、私はこれで」
『先輩、ありがとうございました!』
無邪気な顔で手を振るルイを見て僕の心臓がズキリと痛む。
『私たちも行こうか』
「そうだな」
この笑顔を曇らせたくない。
バスケットのパンを全て食べ尽くしたルイと一緒に大広間を出る。
1時間目は変身術。
ややこしく動く階段に苦労しながらマクゴナガル教授が教える変身術教室の扉を開ける。
「セブ、ルイ、おはよう!」
「おはよう」
『おはよう、リリー』
扉を開けると赤い髪をサラリと揺らめかせて振り返ったリリーが僕たちのところに駆け寄って来てくれた。
「今回の宿題難しかったわね。取り敢えず書いたけど自信のないところがいっぱい」
『マクゴナガル教授が来るまでに見せ合いっこしよう』
「いいの?助かるわ!」
ルイもリリーにだけは心を開いているようだ。
リリーは僕たちが避けられている事を知っているだろうけど、気にする素振りを見せたことがない。
優しくて正義感の強いリリー。
たくさんの友達なんかいらない。こうやって分かり合える友達がいれば―――
「セブったら早く」
「ごめん。今行く」
「可愛いリリー!今日こそ君の隣に座ってもいいかい?」
僕の言葉に重ねるように言って、グリフィンドールの男子生徒がリリーのもとへ駆け寄っていった。
癖のある黒髪にメガネをかけたそいつはジェームズ・ポッター。
最近リリーにしつこく付きまとっている奴だ。
「悪いけど、この授業はルイちゃんとセブと受けるって決めているの」
迷惑そうな顔でリリーに言われ、ポッターが僕を振り返った。
「スリザリンじゃないか」
「あら、スリザリン生と話しちゃいけないの?ポッター」
「いや、そうじゃないけどさ……」
ポッターはリリーの言葉に決まり悪そうにゴニョゴニョと言った。
「ジェームズ揉めてんのか?」
周りの注目が集まり始め、さっさと席に着きたいと考えていた僕は近寄ってきたグリフィンドール生を見て心の中で舌打ちをした。
いつもポッターとつるんでいるシリウス・ブラック。
チャラチャラした目立ちたがり屋の男。僕が最も嫌いなタイプだ。
「なんだよ」
僕と目があったそいつが言った。
コイツと関わるのはゴメンだ。「別に」と答え、挑発するような目を無視して席へと向かう。
しかし、数歩歩いたところで肩をグッと掴まれた。
「無視はねぇんじゃないか?」
「離せよ」
どこのチンピラだ。
僕の肩を掴むそいつの手を払い除ける。
「Mr.ブラックやめてちょうだい。セブも落ち着いて」
ピリっとした空気を察したリリーが仲裁に入ってくれるが、ブラックはムッとした表情のまま引く様子がない。
「エバンズはスリザリンの肩を持つのか?」
「そういう問題じゃないわ!」
リリーにまで突っかかってくるブラックに苛々していると
「シリウス、彼女の言うとおりだよ。席に着こう」
と入学式の時に隣に立っていたヨレヨレのローブの奴がブラックの腕を引っ張った。
ポッターもブラックに席に行こうと促している。
二人の言葉に面白くなさそうな顔をしながらもブラックは席に着く気になったらしい。
僕も気を緩める。
しかし、
「そうだな、これ以上スリザリンの奴と話してたら脳みそが腐る」
騒ぎはブラックがこの捨て台詞を言った事で終わりとはいかなくなった。
周りで面白半分に見物していたスリザリン生が一気に殺気立つ。
それは僕も同じ。
スリザリンを馬鹿にされて黙っているわけにはいかない。
「俺とやるのか?」
二ヤッと笑うあいつの顔に一発入れてやる。
『ダメだよ、セブ』
「離せよルイ」
僕のローブを掴んで止めに入るルイを睨む。
不安げに揺れる黄色い瞳が目に入り僕の心が波立つ。
「うわ……気持ち悪ぃ」
ブラックの小さな呟き。
奴の視線を追う。
ブラックが見ていたのはルイだった。
「撤回しろッ」
怒りで体が熱くなっていく。
僕は無意識のうちに拳をブラックに振り上げていた。
「ッ!コノヤロ」
「っく!」
体に走る痛み
喧嘩などしたことのなかった僕の拳はブラックに避けられてしまった。
奴を殴れなかった上に僕はブラックに突き飛ばされて机に激突し、床に尻餅をついてしまう。
打った背中がジンジンと痛み、悔しいことに自然と涙が出てきてしまう。
歪んだ視界に見える両手で口を押さえるリリーの姿。
殴ってやろうと思ったのに逆にやられてしまうなんて……
僕は恥ずかしさに耐えられず俯いた。
「なんてことするのよ!」
「先に手を出してきたのはあいつの方だぞ」
「セブ、平気?」
「あ、あぁ」
リリーが駆け寄ってきて隣にしゃがみ、僕の背中を支えてくれる。
「女に慰められて情けないな、スニベリーちゃん」
「誰のせいだと思っているの?!」
追い打ちをかけるように嘲り笑うブラックにリリーが声を荒らげる。
周りのグリフィンドール生も含み笑いで僕を見下ろしている。
スリザリン生からは冷たい視線。
「行こうぜ」
「待ちなさい、ブラック!セブに謝って!」
僕はブラックに向かっていこうとするリリーを止めた。
「もういい、リリー。何ともないから」
「そんな!何ともないなんて事ないわよ!」
やり返してやりたい。
だけど騒ぎを長引かせたくなかった。
これ以上みんなに、リリーやルイに情けない姿を見られたくなかった。
悔しい、痛い、怖い。
簡単にやられてしまった自分が恥ずかしい。
できるならこの場から消えてしまいたい―――
「ブラック!!もし謝らな……いえっ……」
勢いのあったリリーの声が徐々に小さくなっていく。
顔を上げれば目を大きく見開いてリリーが固まっていた。
教室中からも息を呑む声が聞こえてくる。
彼女の横顔から視線を外し、前を見た僕も思わずあ!っと声をあげる。
そしてブラックの痛みを想像して顔を歪めた。
周りで見ていた男子生徒の顔は全員、僕と同じ。
女子にはこの痛みが分からないのだろう、小さくクスクス笑いを漏らしている。
「テ、テ……おうぅぅ」
視線の先では、ルイがブラックの急所を蹴り上げていた。
男の急所を手で押さえるブラックの口からは上ずった悲鳴が漏れている。
奴は顔に脂汗をかきながらベタリと座り込んで体を丸めた。
「これは何の騒ぎですか!?」
騒然とした空気を破ったのはこの教室の主だった。
キーンと耳が痛くなるような声で怒鳴りながらマクゴナガル教授が教室に入ってきた。
教室が再び静まり返る。
マクゴナガル教授は倒れこむブラックとまだ足を空中に上げているルイを唖然として見つめている。
「どうしてこんなことに!?」
『私が股間を蹴り上げたからです』
ルイがブラックに視線を向けながら平然と言った。
笑いを堪えきれなくなった生徒何人かが吹き出した。
堂々と股間とか言うなよ、馬鹿ルイ。
僕は上がってしまう口角がバレないように下を向く。
「お、お黙りなさい!!」
シレっとした顔で言うルイには喝が飛んだ。
「ハアァMr.ポッター、Mr.ルーピン、二人でMr.ブラックを医務室に運びなさい」
『あのくらいで大袈裟』
「シリウスは重傷だよ!」
ブラックの代わりにポッターが叫んだ。
『鍛えてないのが悪い』
「鍛え方を教えて欲しいね!!」
「さっさと医務室に行きなさい!!!」
マクゴナガル教授の怒声に漸く黙る二人。
呻くブラックはポッターとヨレヨレローブに支えられて教室から出て行った。
いまだに一人で動ける状態じゃないらしい。
いい気味だ。
よくやったぞ、ルイ。
通じたのか僕と目のあったルイがニヤリと笑った。
「Ms.プリンス。騒ぎの事情は後から聞かなければなりませんが、暴力を振るったあなたを許すわけにはいきませんよ」
僕にチラと視線を向けたマクゴナガル教授は当然といえば当然、ルイに減点と罰則を言い渡した。
目に見えてしょんぼりしていくルイ。
「気にするなよ」
『でも10点も減点されちゃったんだよ』
気落ちして授業へのやる気も消えてしまったルイの教科書を開いてやる。
「10点くらいすぐに取り返せるだろ?」
「授業が終わったら罰則を軽くしてくれるようマクゴナガル教授に言いにいくわ」
それでも眉間に皺を寄せているルイの額をピンと弾く。
『セブ?』
「罰則が終わったらルシウス先輩に貰ったクッキーを一緒に食べよう」
現金な奴。
黄色い目を大きく見開いて、破顔するルイに僕は笑みを零した。
「よく出来ました、Ms.ルイ・プリンス!スリザリンに5点」
笑顔のマクゴナガル教授の声が教室に響く。
「すごいわ、ルイ!」
『エヘヘ、ありがとう。リリー』
変身術でネクタイの色をクラスで一番早く変化させて5点。
妖精の呪文のクラスでも本を鳥のように飛び回らせることに唯一人成功して5点。
ルイの減点10点は彼女自身によってその日のうちに取り返された。
ルイに元気が戻ったのは良かった。
しかし、僕にとっては有り難くないことに、この日を境にルイとの関係が少し変わってしまった。
この事件と点数を自身で取り返したことによって、ルイに対するスリザリン生の見方が変わったからだ。
ルイは同級生だけでなく先輩たちからも声をかけられるようになった。
元々明るい性格だったルイ。
気がつくと彼女は避けられていたのが嘘のように皆から慕われていた。
***
『今日の夜ごはんも美味しかったねー』
大広間を出てルイが言った。
あの日から数週間。すっかり人気者になった彼女。
でも、ルイは他の人の誘いを断っても僕のそばにいようとしてくる。
他の誘いを断ってまで僕の側にいる必要はないんじゃないか?
もう僕とルイは溢れた者同士じゃない。
溢れているのは僕だけ。
そんな思いがこの数週間、僕の中で渦巻いている。
『図書館に行って一緒に宿題しよう』
「もういいよ」
『セブ?』
「もう、無理して僕といる必要なんかない」
僕はついに抱えていた心のモヤモヤを口に出した。
ルイといるのは楽しい。
一人ぼっちは嫌だ。
でも、哀れみで傍にいられるのはもっと嫌だ。
『どうしてそんなこと言うの?』
僕の言葉に足を止めたルイを振り返ると、黄色い目を大きく見開いていた。
自分がさせた表情なのに傷ついたルイの顔を見て動揺する。
僕は悲しみに揺れる黄色い瞳を直視出来なくなり顔を背けた。
『なんでよ、セブ』
喉が詰まったような声。
「……ルイこそ何でだよ。何で僕なんかと一緒にいるんだ?」
『え?』
怪訝そうな顔をするルイに言葉を続ける。
「だってそうだろ?今のルイには友達がいっぱいいる。無理して僕と一緒にいる必要はない」
彼女に背を向けて歩き出す。胸が痛い。
でも、これでいいんだ。
僕の傍に居続けたら、また以前のように皆から距離を置かれてしまうかもしれない。
これで、いい―――
『待ってよ』
「うわっ!?」
僕は突然手を後ろから思い切り引っ張られた。
バランスを崩して廊下に倒され、背中に痛みを感じていると上からも衝撃。
目を開けると数十センチ前にルイの顔。
『勝手に決め付けないでちょうだい!』
目の前の彼女は怒っていた。
黄色い瞳が燃えている。
『私はね、無理なんかしてない。私がセブの傍にいたいから傍にいるの』
僕の肩を痛いほど掴んでルイが言った。
「でも……僕の傍にいたら、また皆が離れていく……」
『離れていくなら離れたらいい!私がセブと仲良くすることで離れていく友達ならそんな友達いらない』
「なんで、そこまで……」
『セブが好きだから!』
ロビーに響くルイの声。
心臓がトクリと跳ねる。
真っ直ぐな瞳で言われた真っ直ぐな言葉。
『私、知ってるの。話しかけてくれるようになった人たちが私のことを影で何て言っていたか。みんな私の容姿を見て怖い、気持ち悪いって言ってた』
ルイは今まで陰口を気にするそぶりなど見せたことなかった。
だから勝手に知らないものだと思い込んでいた。
でもルイは心の中では酷く傷ついていたんだ。
ずっと一緒にいたのに気付かなかった。
気付けなかった自分に腹が立ち、唇を噛む。
「ルイ……」
『私の事避けなかったのはセブとリリーくらいだよ』
ルイはそう言って小さく息を吐いた。
『それにセブは私がブラックから気持ち悪いって言われた時、私のために怒ってくれた。あの時、すごく嬉しかった』
だからセブは大事な友達なんだ。と笑うルイ。
そんな風に思っていたなんて知らなかった。
胸の奥からジワジワと温かい何かが出てきて広がっていくのを感じる。
『セブは私が嫌い?』
「っ嫌いなわけない……だろ」
彼女の問いにかぶせるように勢いよく答えた自分が急に恥ずかしくなってルイから視線を逸らす。
目の端にルイが嬉しそうに笑みを零しているのが見えた。
「ルイ、いつまで乗っているんだよ」
『あ、ごめん』
忘れていた、とルイが僕の上から降りる。
僕は立ち上がってルイを見る。
白雪のような髪と満月のような瞳
大食いで、変な奴で、好奇心旺盛な不思議な女の子。
誰に何を言われようと僕のそばにいたいと言ってくれる、僕の友達。
「行くぞ、ルイ」
『どこへ??』
「図書館だよ。宿題しに行くんだろ?」
僕たちは溢れた者同士でつるんでいるんじゃない。
お互い一緒にいたいから、一緒にいるんだ。
本当に分かり合える友達がいれば沢山の友達なんていらない。
ルイとリリーと三人でずっと仲良くしていきたい。
図書館に向かう廊下を歩きながら僕はそう思った。