第1章 優しき蝙蝠
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18.賢者の石 後編
入った瞬間唸り声をあげて出迎えてくれる三頭犬、フラッフィー。
『ふふふ……いつもの色気満載ベルベットボイスで歌ってくださいぃぃ!』
「お前どうしてしまったんだ!?」
涎を垂らす三頭犬を背にし手を広げ催促する私の姿を見たスネイプ教授は少々引きながら杖を振った。
ポロロン ポロロン
繊細で美しいハープの音が室内に響く。三頭犬は唸るのをやめ、ヨロヨロと床に横たわりグッスリと眠り込んでしまった。
『そんなぁ。貴重な歌声を聴けるチャンスだったのに』
じとっとした目でスネイプ教授を見つめる。
「喚いてないで、仕掛け扉を開けるのを手伝いたまえ」
スネイプ教授が三頭犬の前脚をどかし、私が仕掛け扉の引手を引っ張ると仕掛け扉が跳ね上がった。
『この先に何があるかご存知ですか?』
ポッカリと開いた穴は真っ暗で何も見えない。
「どのような仕掛けをしたかは校長以外には話さないことになっている。他の教師の仕掛けは分からない」
地下から吹き上げる冷たい風。
『影分身を出して先にってスネイプ教授!?』
「時間がない。先に行く」
止めるまもなくスネイプ教授の姿は目の前から消え闇に吸い込まれていく。
負けてられないわね。
私の心に小さなライバル心が芽生えた。にやっと口の端を少し上げ穴に飛び込む。
暗い闇、冷たい風を切りながら下へ下へと落ちていく。暗闇に目が慣れ始めた頃、ドサリと音を立てて柔らかいものの上に着地した。
『これは植物の蔓?』
「スプラウト教授の仕掛けであろう」
スネイプ教授が出したルーモスの光をたよりに辺りを見渡すが足元にある植物以外なにもない。
壁に仕掛けがあるのかもしれないと動こうとした時、片足に何かが絡みつき体勢を崩してしまった。
前のめりになった体はスネイプ教授の腕に受け止められた。
柔らかな薬草の香り。
細身に見えて実は逞しい腕。
脚を締め付けていく植物の蔓。
「雪野、その顔は……」
杖先の光がプックリと両頬の膨れ上がった私の間抜け顔をうつす。
スネイプ教授に見つめられ、気恥ずかしくなった私は少々顔を赤らめ、体をねじって横を向く。
『火遁・火炎砲』
ドラゴンのように口から吐き出された火が蔓を燃やす。一面火の海、煙が充満する。脚に絡みついていた蔓どころか危険を感じた足元の蔓も一斉に引いていき足場が消える。スネイプ教授の腕に抱かれたまま落下する私は印を結ぶ。
『風遁・風布團』
石畳のギリギリで足元には空気の層ができ、地面に打ち付けられずに着地することができた。
目の前にあるのは下り坂の石の一本道。頭上で勢いよく燃える植物は全て灰になるだろう。
燃えた蔓が落ちてこないうちに先へと進む。
「君は我々ごと焼き尽くす気だったのか!?」
『少し勢いよく出しすぎました。アハハ』
「少し?上は大火事だ!」
スネイプ教授の焼け焦げたマントから目をそらす。抱きとめられたことにも間抜け顔を見られたことにも動揺して少々火の勢いを強くしてしまったようだ。
「……結果的に抜けられたのだからいいだろう。よく悪魔の罠の弱点が陽の光だと知っていたな」
『残念ながら勘です。ごめんなさい』
頬をグイッと引っ張られた。
『うにーふぁめふぇくらふぁい』
「珍妙」
『失礼な!お揃いにしてあげましょうか?』
言い合っているうちに通路の出口に出て次の部屋に入った。
アーチ型の天井の部屋には無数の羽のついた鍵が飛び回っている。
『綺麗ですね』
「フリットウィック教授の仕掛けだ」
銀製の取手のついた扉にたどり着く。
「この中からこの扉の鍵を探さねばならないのだろう」
『例えばコレとか?』
明るいブルーの羽を持つ銀色の鍵を差し入れて回す。カチャリと音がして鍵は回り扉は簡単に開いた。
『ヨタヨタ飛んでいたので捕まえてみました。名誉挽回出来ましたかね?』
「あぁ」
何度も捕まえられた鍵はもう懲りごりというように上へと飛び去っていった。
次の廊下はそれほど暗くなかった。
光にあふれた次の部屋にあったのは大きなチェス盤。
壁の周りには白と黒の砕けた駒が積み上がっている。
静かな部屋に微かなうめき声が聞こえて私たちは駆け出した。
『Mr.ロン・ウィーズリー!?』
黒い駒の間に倒れるロンがうっすらと目を開け、頭を手で押さえている。
痛みで顔が歪んでいる。
「ユキ、せんせ……と……え……何で……」
「喋るな。頭を強く打ちつけたのであろう。動いてはならない」
私は手をかざし怪我の状態を調べ、スネイプ教授は杖を振って氷を出し先程ロンが手で押さえた箇所を冷やす。
『しばらく安静にしていれば大丈夫よ』
そう言うとロンは少しだけ笑顔を見せた。その瞬間、部屋中から不気味な音が響く。
砕けていた駒たちが元の状態に戻っていく音だ。
「行って……くださ……い」
ロンがここにいるということは先にはハーマイオニーとハリーもいる。
「戻ってくるまで動くな」
『ハリー達にすぐ追いつくわ。心配しないで』
盤上を移動する駒を避けながら部屋を突っ切り廊下を進む。暗い廊下の先から少女の悲鳴があがった。スネイプ教授が杖を振って扉を開ける。
途端にむかつくような悪臭が鼻をついた。
「ス、ステューピファきゃあぁ」
鈍い灰色の肌をした大きなトロールがハーマイオニーを壁際まで追い詰めている。
頭にコブを作って体のバランスが取れないようだがこん棒は高々と上に挙げられている。
「エクスぺリアームス!」
間一髪。スネイプ教授の呪文は命中して、こん棒は部屋の奥へと飛んでいく。
その間に不思議そうな顔をして掌を見つめているトロールとの間合いを一気に詰める。
『桜花衝』
ズゴゴゴォォン
地響きと共に舞い上がる粉塵。
石の床は割れて倒れたトロールを中心に鉢状の穴が出来上がった。深さはトロールの身長ほど。
私の拳で完全にノックアウトされたトロールはピクリとも動かない。
「す、凄いわ。授業で習った魔力コントロールの応用ですね。実際に見られるなんて。こんな機会滅多にないわ!!」
「馬鹿力」
高度な忍術を見てハーマイオニーが興奮気味に叫び、スネイプ教授は怪力に若干引きながら呟いた。
「はぁぁ。死にかけたのにグレンジャーはよくあんな感想を言えるな」
『彼女のああゆう所、私は好きですよ』
ポンと地面を蹴ってハーマイオニーの横に着地する。
瞳を輝かせて穴を観察しているから怪我はなさそうだ。
「君はMr.ウィーズリーのところまで戻りたまえ」
『気をつけてね』
扉を出ていくハーマイオニーを見送り、扉を開けてほの暗い通路を走る。
「先ほどのトロールはクィレルの罠だ」
『初めがハグリッド、それからスプラウト先生、フリットウィック先生、マクゴナガル先生だったから残るのは……スネイプ教授ですね。とても怖そうです」
「問題ない薬は持ってきてある」
ローブから取り出された小瓶には黒い液体が十分に入っている。
『不味そう』
「見た目ほど酷くはない」
私のげんなりした顔を見てスネイプ教授は口の端をあげて笑った。
『まだ桃ケーキの余韻が残っているのに』
「戻ったらまた買ってやろう」
『貰い物じゃなかったのですか!?』
「……」
黙り込むスネイプ教授が扉を開けると部屋の中はただテーブルがあるだけ。その上に形の違う瓶が一列に並んでいた。
敷居を通過すると通ったばかりの入口は紫色の炎に包まれ前方のドアの入口も黒い炎に包まれた。
『「!?」』
炎が現れるのと同時に私たちの足元に魔法陣ができ光に包まれた。
魔法陣も光も一瞬で消えた。
『これも仕掛けの……スネイプ教授!』
膝から崩れ落ちるスネイプ教授の体を支えながら床に横たえる。
直ぐに手をかざし状態を調べたが意識を失っている以外は問題ないようだ。
私にかけられたのは別の呪文?体が痺れている。
しかし、ハリーがいないこの部屋でグズグズしているわけにはいかない。
スネイプ教授の手から瓶を取り一気に飲み干す。
冷たい氷が体中を流れていくようだ。
メラメラと燃える黒い炎がしばらく続く。
「あなたが!」
動揺したハリーの声が聞こえてきた。
お願い。間に合って!
「私だ。ポッター、君にここで会えるかもしれないと思っていたよ。それからっプロテゴ!」
カンッ カンッ カンッ
私の投げた手裏剣は弾かれて床に突き刺さる。
『ハリー、怪我は?』
「ユキ先生!来てくれたんだね」
安堵の表情を浮かべるハリーを背に隠す。
体の痺れは段々と強くなってきている。
「来ると思いました。足止めにあなたの分身に術をかけたのに早かったですね。それにしても、いきなり攻撃してくるなんて酷いですよ」
私の姿を見たクィレル教授から笑みが消える。
「ぼ、僕、賢者の石を狙ってるのは……スネイプだとばかり」
「スネイプはまさにそんなタイプに見える。彼が育ちすぎた蝙蝠のように飛び回ってくれたのが役に立ったよ。彼の側にいれば可哀想な吃りのクィレル先生を疑いはしないだろう。ユキ、君を除いてね」
ハリーは信じられない様子で、恐怖か怒りか分からないが肩を震わせた。
「でも、スネイプはクィディッチの時に僕を殺そうとした!」
「ハハハ。殺そうとしたのは私だ。スネイプは私の呪文を解く反対呪文を唱えていた。君の友人のグレンジャーが私にぶつからなければ箒から叩き落とせたのに」
「スネイプが僕を救おうとしていた?」
「スネイプは私が同じことをしないよう審判を申し出た。あの日はダンブルドアもいたし、隣にはユキが座っていたから私は何もできないのにね。実に滑稽だよ。自ら憎まれ役を買ってでたわけだ」
「もしかして……ユキ先生が見張っていたのはスネイプじゃなくクィレルだったの!?」
「さよう。彼女はハロウィーンの日から私を疑っていた」
「まさか、あなたがトロールを学校に入れたのですか?」
「私はトロールに関して特別な才能がある……あの時、皆がトロールを探して走り回っていた。それなのにスネイプは真っ直ぐ四階に来た。そして、あの日は気付かなかったが君も四階に行っていた」
強い瞳がユキを睨む。
「そして君は三頭犬からあの男を庇い右腕に怪我を負った。あの男のために!」
吐き捨てるように喋るクィレルの目にはありありと怒りの感情が読み取れる。
『ハリー……つえ……構えて……』
喉が詰まったようなユキの苦しげな声にハリーは振り向いた。
「ユキ先生?」
クィレルは冷たい目をしてパチッと指を鳴らす。
何処からともなく現れた縄がハリーを縛り付けようとしたが、その試みは失敗した。
ユキはハリーを抱えて飛び退きクィレルから距離をおく。
「私の術に耐えるとはさすがですね。まだ動けるとは驚きです」
「ユキ先生に何をしたんだ?」
「時間が経つにつれて効果が現れてくる石化呪文ですよ」
クィレルは呼吸を荒くしながら睨み続けるユキを見て優しく微笑んだ。
「私と共に“あの方”にお仕えしましょう。あなたには力がある。あの方の元にいれば、もっと強い力と知識を得られるのですよ。才能を無駄にしてはいけない。私と共に生きましょう。さぁ、私の手をとって下さい!」
懇願するような眼差しでクィレルは訴えかけ、ユキに手を差し出した。
ハリーの顔が蒼くなる。
ユキがクィレルの方にフラフラと歩き出したからだ。
「ユキ……」
漆黒の瞳
「残念です」
寂しげな微笑み
炎を纏った苦無が振り下ろされる。
「あなたの意思で私たちの所に来てほしかった」
ユキがクィレルに負わせたのはかすり傷だけだった。
クィレルはしばしうつ伏せに床に倒れるユキを見たあと、杖をひと振りした。
魔法陣が現れユキの体を光が包む。
「まさか、ユキ先生を……ユキ先生を……殺したのか!?許さない!」
<呪いを解くとは随分とその娘にご執心のようだな>
叫びクィレルに杖を向けたハリーだが、どこからか聞こえた不気味な声にハッと身を強ばらせた。
クツクツと笑い声が部屋に響く。
「呪いは解きましたが気絶しております」
<その娘は後だ。クィレル、まずは石だ。ポッターを鏡の前へ>
「は、はい、御主人様。ポッター、ここに来い」
ハリーは鏡の前に連れてこられる途中、ユキの背中が上下しているのが見え僅かだが安堵する。
クィレルは不気味な声が聞こえてから体を震わせている。
「鏡を見て何が見えるか言え」
鏡のハリーは笑いかけ、ポケットから赤い石を取り出しウインクしてその石をポケットに入れた。
ハリーは自分のポケットに石の重みを感じた。
「ダンブルドアと……握手してる。僕のおかげで、グリフィンドールが……寮杯を獲得したんだ……」
<嘘だ!こいつは嘘を言っている……俺様が直に話す……>
「あなた様はまだ十分に力がついていません!」
<このためなら……使う力はある……>
ハリーはクィレルの後ろについた顔を見て悲鳴を上げるところだった。蝋のように白い顔、ギラギラと血走った目、蛇のような裂け目の鼻腔……
<石を出せ。命を粗末にするな……命乞いをして死んでいった両親と同じ道を辿りたいか?>
「嘘だ!」
ハリーは叫び、倒れているユキの前に立ち杖を構えた。
「ロ、ロコモーター モルティス!」
<無駄だ、小僧。石を渡せ!>
ヴォルデモートの叫び声。
「お前になどやるもんか!」
<捕まえろ。捕まえろ>
追いついたクィレルはハリーの首に手をかけたが悲鳴をあげて手を離した。
真っ赤に焼けただれた手。
「御主人様、私の、手が。手が!」
<早く小僧を殺すのだ>
非情なヴォルデモートの声。
苦痛に顔を歪ませながらクィレルは再び手をのばしたがハリーの体は炎が燃える入口まで後退した。
「ユキ先生!動けるの!?」
『私の後ろに隠れていて』
「クィレルの頭にヴォルデモートが!」
『わかった。影分身の術、ハリーを守れ』
<2人とも始末するのだ!>
ハリーを背に隠すユキの影分身。
ユキは印を結んで狙いを定め、クィレルは杖を振り上げる。
一瞬、視線が交わった二人
一瞬の躊躇が明暗を分けた
『火遁・火炎砲』
躊躇なく放たれた一撃。
クィレルの体は勢いよく噴出された炎に包まれる。
<おのれぇ小娘えええぇぇぇ>
床に倒れるクィレルの体から実体のない黒い影のヴォルデモートが抜け出て向かってくる。
ユキは人形の紙を出し、印を結ぶ。
弱っているヴォルデモートなら封印できる可能性は十分にある。
『封印じゅ……しまった。逃げなさい、ハリー!!』
ユキに向かっていたヴォルデモートは突如上昇し、頭上を通過してハリーへと向かっていく。
投げた手裏剣は実体のない体を通過し天井に刺さる。飛びかかったユキの影分身はヴォルデモートにかわされる。
「ハリー!ユキ!」
『ハリー!』
ユキに抱きとめられたハリーは額の傷をおさえながら意識を失った。
黒い炎の中から現れたのはダンブルドア。
『ハ、ハリーの体を、ヴォルデモートが通過したんです。息はしてる、けど、ハリーは……校長先生。呪いか何か……私のせいで、ハリー、ハリー!』
ダンブルドアは気が動転しているユキの背中をさすりながらハリーを見た。
「大丈夫じゃよ。気を失っておるだけじゃ。二・三日眠り続けるじゃろうが問題ない」
『良かった……』
「しかし」
ダンブルドアは部屋の中心で倒れるクィレルを見た。
青い瞳を陰らせ首を横に振る。
「手遅れじゃの」
『……私がやりました』
「いいや。ヴォルデモートに長期間憑依されてクィレルの体は限界だったのじゃ」
『私が彼を』
全身焼けただれ倒れるその姿は妲己に見せられた未来と同じ。
予想通り彼に手を下したのは自分だった。
どんなに恐ろしい任務の後でも心が乱れたことはなかったのに。
胸が張り裂けんばかりに痛い。
クィレル教授はヴォルデモートの手先だった……仕方ないじゃない。
胸の前で両手を握り締める。
胸が痛い
「……ユキ……」
かすれた、弱々しい声。
弾かれたように顔をあげ、クィレル教授に駆け寄った。
『……クィレル……教授……』
「そんな顔、しないで……下さい」
優しい眼差し
一緒に過ごした楽しかった時間を思い出す
「泣か……ないで……最後に、笑った顔を……見せてくれませんか?」
涙を流し続ける私にクィレル教授は手を差し出した。
「……ユキ……愛して……いました……」
『そ、そんな……』
突然の告白
―――ユキ、ずっと好きだった
気付かなかった。
私は驚きで大きく目を見開き、体を震わせた。
「……ユキ……幸せに……」
クィレル教授は寂しそうに微笑み、再びとられることのなかった手をおろす。
瞼はゆっくりと閉じていく……
***
「しっかりするんじゃ!何をしたんじゃ、ユキ!!」
体が勝手に動いていた
『ハァ、ハァ、私じゃなくて……クィレル教授を、ッハァ……病院へ。早く!』
クィレル教授の横で仰向けになりながら荒い呼吸を繰り返す。
「ユキ、君の体は!?」
『私は休めば、ハァ……か、回復します。校長先生、お願いします』
「分かった。直ぐに君も迎えに来る」
ダンブルドア校長は意識のないハリーとクィレル教授を連れ、姿を消した。
プラス五ってとこかな。
どこからか吹く冷たい風が心地よい。
そのまま十分ほど横になってから体を起こす。
自分の異常な体の強さに思わず笑ってしまう。
皆、大丈夫かな?
スネイプ教授は心配だったが燃えさかる黒い炎は通れない。しかし、気を失っているだけだから心配ないだろう。
辺りを見渡し、久しぶりに見たみぞの鏡にヨタヨタとした足取りで近づいた。
鏡の正面に立つ。
『ホグワーツ』
スネイプ教授、クィレル教授、ダンブルドア校長、マクゴナガル教授、ハリー、ロン、ハーマイオニー……
ホグワーツ城の前で大勢の教師と生徒に囲まれた私が笑顔で手を振っていた。