第4章 攻める狼
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12.過去の残像
医務室の明かりが消され、マダム・ポンフリーが出て行ってから約1時間。
入口近くのベッドからは大事を取って今晩入院することになったハリーの寝息が聞こえてきている。
パッドフットも心配しているだろうし、1回部屋に戻ろう。きっとお腹も空かせているだろうしね。
私はベッドから下りてそっと医務室を出ていった。
階段を降り、玄関ロビーを通って、中庭に面した吹きさらしの廊下を歩いて吹きさらしの階段を上っていく。
『解』
忍術で施錠していた鍵を開けて部屋の中へと入り、パタンと扉を閉めた。
『パッドフット?』
暗い部屋の中で名前を呼ぶと、リビングに通じる部屋の扉が勢いよく開いた。
入口に現れた男の姿。私は暗くてシルエットしか見えないパッドフットを腕を組みながら(相手からは見えないだろうが)睨みつける。
『あんたのせいで骨がボッキボ……うわっ!?な、なに??』
部屋をズンズンと歩いてきたパッドフットは私の前で止まり、ぐいっと私の肩を持って自分の方に寄せて私をギュッと抱きしめた。
ぎゅうぎゅうと、息が止まりそうなほど抱きしめられて、私は面食らう。
驚いて、どんな反応をしていいのか分からない私の耳に震えた声が届く。
「すまねぇ……」
『パッドフット?』
「お前とハリーを危険な目に遭わせちまった……無事で、お前が生きていて良かった……」
どうやらパッドフットは私とハリーが墜落するところまでは見たが、担架に乗って運ばれるところまでは見なかったようだった。
それはそうだろう、あんなにディメンターが迫っていたのだ。逃げて正解だ。
「怪我は?ユキ、お前がハリーを庇いながら落ちていったのは見えたんだ。ハリーの方も、無事だよな?」
懇願の混じった声でパッドフットが私に聞く。
私は私の両肩に手を置いて瞳を揺らすパッドフットを落ち着けるように微笑みながら『ハリーも無事よ』と言った。
『ハリーは無傷よ。でも、危ないところだった』
「俺のせいだ……」
『半分はね。半分はディメンターのせいだわ』
「ハリーはディメンターのせいで気絶したのか?」
『たぶんそう。実はね、ハリーはホグワーツ特急の中でもディメンターに接近されて気絶しているの。何故ハリーだけが影響を受けるのかしらね……』
ディメンターのことは詳しくない。ハリーにまた同じことがあったら次は守ってあげられるかわからないし、何か対策を打っておいた方がいいかもしれない。リーマスに相談してみようと思う。
『さあ、そんなに落ち込まないで。ハリーは無事だし、私は……まあ頑丈だから気にしないで』
「しかし……」
『気にしないと言ったら気にしないの!あ、でも、これに懲りて今後は軽率な行動はしないと約束してちょうだいね』
「……」
『なんで黙る!?!?』
視線を思い切り逸らすパッドフットに私は肩を落とす。
何を考えているんだか……この駄犬は……
取り敢えず、私はパッドフットに2度と勝手に出歩かない事を約束させて(守られるか不安はあるが)料理を作り始める。
最近は胃の調子も元に戻り始めているので固形物も食卓に並ぶようになってきている。今日の夕食はシチューにパン、それからサラダだ。
「ユキの作る飯は最高だな」
『褒めてくれてありがと』
「お、俺の嫁に来ないか?」
『指名手配犯の嫁?お断りよ』
冗談を冗談で返したら凄く傷ついた顔をされた。
え、やだ。もしかして本気で言っていたの?ま、まさかね……
微妙な空気の中でパッドフットが食事を続けているのを眺めていると、(ちなみに私たちが食事をとっているのは寝室にあるテーブル)玄関の戸がノックされてから、カチャリと扉が開いた音がした。
続いて、リビングから私たちのいる寝室に続く扉の戸が叩かれ、カチャリと扉が開く。寝室へと入ってきたのは私の影分身だ。
私とパッドフットに見つめられる影分身。
私の影分身は私たちに、残念そうに首を横に振った。
私とパッドフットは同時に溜息を吐き出す。
「今日もダメだったか」
『ネズミってのは厄介ね』
ポンと消える影分身。
消えた影分身が探しに行っていたのはワームテール、ピーター・ペティグリューだ。
ピーター・ペティグリューが真犯人だとパッドフットに聞かされてから私は影分身を使ってペティグリューを探していた。
しかし、相手はネズミ。しかもペティグリューは臆病な性格であるらしく、私は奴の姿さえ見つけるのに苦労していた。
『元忍の私が情けない……』
「そう肩を落とすな。俺だってそうやすやすと奴を見つけられるとは思ってはいない。だが……」
『だが……?』
「もどかしいな。俺も手伝いたい」
『パッドフット!』
何を言っているの!?という気持ちを込めて彼の名を呼ぶ。
今回のクィディッチの一件でダンブルドアは猛烈に怒り、ディメンターを学校の敷地内に入れないように厳重に注意をしたのだが、あいつらの事は信用できない。
それにホグワーツには教師、生徒、ゴーストを含めれば千人近くの人がいる。夜中だからといって見つからずに行動するのは忍でなければ難しい。
「俺だって捕まえに行きたいんだ。分かるだろ?ユキ、こうして世話を焼いてくれるのは感謝する。だが、このままでは気が収まらない。今の状態じゃあ俺が危険を冒して脱獄した意味がないっ!」
興奮したのかパッドフットがテーブルに両手をついて立ち上がった。
荒い呼吸をし、悔しさを噛み締めるように歯を食いしばり、どうにか怒りを沈めようと目を瞑るパッドフットを私は見つめる。
コチコチと、柱時計の音だけが部屋の中に響く。
『……分かったわ』
しばらく考えた私はこう言った。
顔を上げたパッドフットの目を見て頷く。
「本当か!?ここを出ていいのか!?」
『ちょっと落ち着いて。条件があるの。あなたに、変化の術を教えることにする。それが出来ないと外に出るのは許可できない』
「変化の術?」
『忍の術で、他人に変身する術よ。ポリジュース薬のように時間制限はない。魔力が続く限りは他人に変身することができる』
私は試しに印を組み、パッドフットに変身してみせる。
「っ!?凄いな……」
『ありがと』
立ち上がった私の周りをパッドフットが一周する。
「俺がユキに変身すればいいわけか。そうすれば、自由にホグワーツ内を歩くことが出来る」
『でも、完璧に出来るようになってからじゃないと外へは出せないわ。これは忍の術。もし外で変化が解けてしまったら、私はあなたと一緒にお尋ね者になってしまうからね。覚悟して練習してちょうだい』
「あぁ!あ……だけどよ……」
『なに?』
「いいのか?俺、おまえに変身したら、その……ユキの体になるってわけだろ?トイレに行きたくなったら、こう、ユキが見られたくない体の部分とかを見てしまうわけで……」
『こんの助兵衛ッ』
私はパッドフットの足をすくって床へと倒し、フォークを投げてパッドフットの服を床に縫い付けてやったのだった。
***
ディメンターの様子を見に行こう。
パッドフットが夕食を食べてから暫くして、私は医務室へ戻るために自室を出たのだが、ディメンターの様子が気になったので方向を変えて学校の敷地外へと足を伸ばしていた。
ディメンターが校内に入ったことにダンブルドアは猛烈に怒り、校内に入れないようにしていた。
そのことでディメンターたちの方も苛々しているらしく、奴らからはピリピリとした殺気が伝わってくる。
私は今、学校の敷地外にある剥き出しの土の広場でディメンターたちの様子を見ていた。
ヒュン
チャクラの糸を結びつけた苦無を投げ、一番近くにいたディメンターを縛り上げる。
『火遁・業火の糸』
ボッとチャクラの糸は燃え上がり、業火の炎がディメンターを焼き尽くす。
サーっと私から距離を取るディメンターたち。
彼らは私を憎しみを持って睨んでいるが、決して私に近づいて来ない。
ディメンターは楽しい気分や幸福な記憶を人間から吸い上げてそれを糧にして生きている――――――これが、彼らが私に近づかない理由だ。
普段、ホグワーツの教師のユキ・雪野である時はもちろん、私も他の人と同じく温かい思い出と楽しい記憶を持った幸福を持つ人間の一人だ。
だが、今は違う。こうして一人訓練をしている時の私は、暗部時代の自分に返るのだ。感情のない、任務を遂行することだけを考える暗部の傀儡。陽の感情はもちろん、負の感情もない。
『ハアッ』
両の手の指の間に一本ずつ苦無を挟み、ダンッと地面を蹴ってディメンターたちとの距離を詰め、苦無を投げつける。
先程と同じように苦無についたチャクラの糸でぐるぐると拘束されたディメンターたち。
私は術を唱え、ディメンターたちを焼き尽くす。
ディメンターであった灰が寒風で空へと飛んでいく。
『……』
私は自分の胸にそっと手を当てた。
落ち着く……
私はそんな自分の気持ちにぞっとした。
暗部になんか戻りたくないと、感情のないあの世界に二度と戻りたくないと思っていたのにこんなことを感じるなんて……
ゾクッ
しまった!
心の乱れを感じるのと同時に、遠くの方にいたディメンターたちが私めがけて音もなくやってくる。
今まで無の感情だった私の心に感情が現れたのを嗅ぎつけたのだ。
逃げよう。
心の乱れは直ぐに収めることができない。私はタンっと地面を蹴って後退し、城門を急いで開いて中へと入った。
城門に張り付き、恨めしそうに私を見る(とは言っても顔がないので目があるかはわからないが)ディメンターたち。
私はその姿を一瞥して、城へと戻っていった。
私は医務室へ戻る前にもう一度自室に寄ることにした。パッドフットの朝ごはんを作るためだ。
まだ朝の5時だからマダム・ポンフリーも起きては来ない。
見つからないで医務室に戻れる時間だ。
『ただいま』
自室の中はシンとしている。
パッドフットは低血圧らしく、私が授業を始める頃にようやく起き出してくるくらいの生活リズムだ。だから、まだ寝ているのだろう。
私はパッドフットを起こさないように気をつけながら扉を開けて寝室を通り、浴室に入る。
『……』
浴槽の中に座り、ザーッとシャワーを頭から浴びながらユキは考えていた。
魔法界に来てからユキは暗部時代のように無の感情になることは殆どなかった。
しかし、ディメンターが現れ、ディメンターが幸福や幸せな記憶を食い物にすると聞き、ディメンターに対抗するためにディメンターの前では暗部時代の自分に戻ったほうが戦いやすいと思い、彼らの前では感情を捨てていた。
3年のブランクを埋めるように感情を無にする訓練を繰り返すユキ。その勘が戻るに連れて、ユキの胸にこみ上げてくる気持ち。それは、“落ち着く”という認めたくない気持ちだった。
顔を上げ、シャワーのお湯を顔に浴びるユキは辛そうに顔を歪める。
私は圧倒的に、暗部として過ごしてきた時間の方が長い。
暗部時代を忘れようと思っても、暗部時代のことは心が、体がしっかりと覚えている。
忘れようと思っても、消えないシミとして私の中に残っている。
暗部時代の自分を消すことは出来ない。
暗部時代の私も、私なのだ。
暗部時代の私を他人が見たらどう思うだろう……?
私のことを好きだと言ってくれたセブとリーマス。
ふたりは、過去の私を知っても好きだと言ってくれるだろうか?
この手は、何人もの人を殺めてきている。
ある一族の抹消を言い渡されたときは、ホグワーツの生徒と同じくらいの子供も手にかけたことがあった。
火影の綱手様は私が魔法界に来る前、幸せになっちゃいけない人間はいないと言ってくれた。
だけど、本当にそうなのかな?
人殺しで言ったらヴォルデモート以上に私は人を殺めてきた。
ヴォルデモートのことを言ったら、誰もが彼の幸せなどは望まないだろう。そう思うと、綱手様の言っていた“幸せになっちゃいけない人間はいない“というのは違うのではないか――――
誰かと交際する前に、この問題について自分が納得する答えを見つけないといけない。そうしないと不誠実だ。
そうしないと、相手を騙すことになるような気がする……
トントントントン
急に扉が叩かれてビクリと体を跳ねさせる。
「おい、ユキ。大丈夫か?」
『……えぇ。大丈夫よ』
パッドフットはどうやら起きていたらしい。そして、なかなか浴室から出てこない私を心配してくれたようだ。
私はキュッとシャワーを止め、体を拭き、バスローブに着替えて浴室から出ていった。
「浴室で倒れてるかと思ったぞ」
『バスルーム占領しちゃってごめんね。杖貸してくれる?』
杖を使って髪を乾かす。
浴室で考え事をして疲れてしまったので、忍術を使っての早着替えはよしてクローゼットから衣服を引っ張り出してバスルームの中で着替える。
バスルームから出てきた私は、パッドフットがじっと私を見ていることに気がついた。
「なあ」
『ん?』
「なんか悩み事か……?」
『少しね』
「よければ聞くぜ?俺でよければ……」
私を心配そうに見つめるパッドフッドに首を振る。
『誰かに話す勇気が持てないの』
「ずいぶん深刻そうだな……」
肩をすくめる私に、パッドフットはそれ以上は言ってこなかった。その気遣いがありがたい。
『朝ごはん作ってくるね』
私は、気分を変えるために出来るだけ明るい声を出し、キッチンへと入っていった。
***
昼休み。私は闇の魔術に対する防衛術の教室へと向かっていた。
昨日の疑問。何故ハリーにだけディメンターの影響が出るのか専門家に聞くためだ。
「ユキ先生、こんにちは」
『こんにちは、ネビル』
たった今授業が終わったばかりのグリフィンドール3年生の子達と挨拶を交わしながら私が教室の中に入っていくと、教壇のところにリーマスとハリーがいた。
『ごめんなさい。何か大事な話をしていたみたいね。出直すわ』
「いいんです、ユキ先生。ユキ先生にも一緒に聞いてもらいたいです」
『何の話かしら?』
「ディメンターについての相談なんです」
どうやら私とハリーはリーマスに同じことを聞きたかったようだ。
「どうしてディメンターは僕だけにあんなふうに?いつも、僕だけが気絶してしまう……僕の心が弱いからでしょうか……?」
「そんなことはないよ」
リーマスはきっぱりと否定した。
「ディメンターが他の誰よりも君に影響するのは、君の過去に誰も経験したことのない恐怖があるからだ」
リーマスが言っているのはハリーがまだ1歳だった時の事。
リリーとジェームズがヴォルデモートの手にかかってしまった時の事を言っているのだ。
ハリーは覚えていなくても潜在意識の中にその時の恐怖が眠っているのだろう。リーマスは、それがディメンターたちを呼び寄せると言っているのだ。
「あいつらが傍にくるとヴォルデモートが僕の母さんを殺した時の声が聞こえるんです」
そんな声が聞こえていたのね……
私はそっとハリーの背中に手を添える。
「どうしてあいつらは試合に乱入してきたんですか?」
「ディメンターの奴らの餌は人間の希望や幸福だ。今は学外に締め出されてその餌が枯渇してしまっているんだよ。牢獄の見張りをしていた時は囚人を餌にしていたが、今はむやみに人を襲ってはいけないと命令されているからね」
『クィディッチ競技場に集まる大観衆の興奮や感情の高まりが魅力的で命令を破ってやってきたのね……』
ディメンターは命令に絶対服従をしないのかと考えて私は眉を寄せる。
「ルーピン先生は汽車の中であいつを追い払いました。ユキ先生はあいつらを消滅させる方法を知っています。先生方、僕にその術を教えていただけませんか?」
ハリーが私たちの事を交互に見ながら言った。
確かに、抗える術を覚えているに越したことはないのだが……
『私の方はハリーに教えるのは難しいわ。あの術はとても難しいのよ。あの術は禁術指定されるほど魔力の消費が激しいの。生徒向きではないわ。リーマスの方は?』
「防衛の方法がないわけではない。だけど、あれは1対1では効果を発揮するけど数が多くなると抵抗するのが難しくなる。それに、私はディメンターと戦う専門家ではないから……」
「それでも!どうか教えてください」
ハリーが切羽詰まった表情で言った。
『それでも教えてあげて、リーマス。対峙する方法を知っているのと知らないのでは心持ちもかなり違うわ』
「そうだね……わかった。なんとかやってみよう。でも、これは難しい術だから覚悟しておくんだよ」
「はい!」
ハリーの明るい返事が教室の中に響いた。
顔が明るくなったハリーを見て、私とリーマスは顔を見合わせて微笑み合う。
「練習は休暇が終わってからにしよう」
『ねえ、リーマス。その術、私にも教えてくれないかしら?あのキラキラした銀色の動物たち、私も出せるようになりたい』
「もちろん。いいよ。じゃあ、休暇が終わったら三人で特訓しよう」
ハリーは私たちにぺこりと頭を下げて教室から出ていった。その足取りは軽い。
パタンと扉が閉まり、私はリーマスに向き直る。
『ねえ。良かったら私にあの銀色の動物を見せてくれない?人によって杖から出る動物は違うの?その呪文、何ていう名前だっけ?』
私は競技場で私の周りを取り囲んだ美しい銀色の動物たちを思い出しながらリーマスに聞いた。
「エクスペクト パトローナム。守護霊を呼び出す呪文だ。人によって杖から出る動物は違うよ。僕のは狼になる」
リーマスが杖を振って呪文を唱えた。
杖先から出た銀色の光は徐々に形を変えて狼の形になり、私の周りを一周する。美しい、銀色の狼に私は見蕩れる。
『綺麗ね』
「あぁ。魔法でも最も美しいものの1つだよ」
『この魔法は難しいの?』
「守護霊の呪文は最古の呪文の一つでとても高度なものなんだ。古代では有体守護霊を作り出せる者は裁判所や魔法省の高官に選ばれることも多かったんだよ」
『守護霊を見ていると胸が温かくなるわ』
「それはきっと守護霊を創り出すためには幸福な記憶を思い出す必要があるからだね」
『幸福な記憶……』
急に自信がしぼんでいくのを感じ、私は眉を寄せる。
「ユキ?」
『ううん。なんでもない?』
急にトーンを落とした私を不思議そうに見るリーマスに首を振って笑顔を作る。
私にだって出来るわ。
この魔法界に来てから、私はたくさんの素敵な人に出会って、素敵な思い出を作ってきたのだもの。
きっと大丈夫……きっと――――――
そう思うのに、どうしてこんなに心が重苦しいの?
私は胸に重みを感じながらリーマスに別れを告げて、教室を出ていった。