【中学生編】拝啓、何者にもなれなかった僕へ
息ぐるしい。
熱い炎にふさがれて息を吸うことも吐くこともできない。
耐えきれなくなって口を開いた途端、溢れでそうになる嗚咽。からだの中で風船が膨れ上がって、そのまま破裂しそうになる。
まるで、僕は陸にうちあげられた一匹のさかな。
たとえ海の中で泳げて、自由にうごきまわれても陸の上では歩くことさえできない。ぴちぴちと跳ねるしかない。
空っぽの毎日のなかで、いつの日か夢をみた。
だれかの手助けをするそんな夢。
だけど、憧れのままでいい。
そうじゃないと、あわになってしまうから。