夢小説 短編
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relief
トランクスは変わったと思う。
昔は自分より何もかも小さかったのに、今では見上げなければ目を合わすことが出来ないくらい大きくなった。男の子は後から一気に成長する生き物なのだとつくづく実感させられる。
しかし変わったのは見た目だけでは無い。
「ねぇ、最近忙しい?」
「まぁ、大手の会社との企画が持ち上がってたりするから少しね」
「そっか......」
トランクスが社長をしているカプセルコーポレーション。今はお昼休憩時間で、トランクスとソラは偶に密会をしている。
誰にもバレない空中で。ゆるやかに流れてくる雲に隠れながら。
ソラは少し寂しそうに目を伏せた。
「なに、どっか行きたい所でもあるの?」
「いや、別に」
「本当に? 俺お前が行きたい所なら付き合うけど」
「大丈夫だよ。ほら! もう少しで休憩時間終わっちゃう。会社戻りなよ」
「あ、あぁ。でも待って」
ソラは腕を引かれ、トランクスの胸に飛びこむ形になった。
「ちょっと!」
「うん、ごめん。でもちょっとだけ」
トランクスはソラを軽く抱きしめる。
彼のスーツからは苦くて重々しい香りがした。他人の香水だろうか。それはソラにとって彼が遠い存在のように感じるものであった。そんな思考を振り払うようにトランクスの頭へと手を伸ばし、サラサラとした紫髪を撫でる。
「頑張りすぎないでね」
「大丈夫だって」
「明日も来るから」
そうして彼と私は離れた。
ソラは思う。
大人になったな、と。物事や予定は自分に合わせるようになった。勿論そうやって自分の願いを聞いてくれるのは嬉しいし、トランクスも楽しそうである。ただこの男は疲れていても自分を優先してくるのだ。
無理をしないで
ゆっくり休んで
昔みたいに彼の我儘を聞いてあげたい。
これは私の我儘になるのだろうか。
次の日もまた彼と密会をする。
しかし、昨日とは違うことがあった。
「なぁ、なんで俺の部屋なの?」
「いいの、ほら、横になってよ」
ソラはトランクスの頭を自分の膝に押し付けた。いわゆる膝枕。
「えっ、なにこれ」
「寝ていいよ、目元にクマができてる」
「俺は大丈夫だって、つかこれだとお前が疲れるよ」
「これくらいで疲れないから。ね、トランクスの方が疲れてるでしょ? 時間は限られてるけどさ、休みなよ。それとも私の膝が嫌だったりする?」
「それは無い、絶対無いから。」
「じゃあ決まり、ね」
呆れられただろうか。結局自分の我儘になってしまった。いや、でもこれはトランクスの為。
これでいいのだ。
「なぁ」
「どうしたの?」
「多分寝たら起きれなくなりそうなんだ」
「じゃあ、やっぱり、やめ」
「だからこのまま甘えてもいい?」
久しぶりに見る男の緩んだ顔につられ、いいよ、と口端を上げた。
「俺さ、お前に弱ってる所見せたら幻滅されると思ってた。」
「うん」
「ソラの中では余裕のある俺でいたかった、そうすればお前より大人になれると思ってた」
「うん」
「でもやっぱ駄目だった。俺まだまだガキだな」
トランクスは顔を隠すように腹部に擦り寄り、手を腰にやわやわと回す。
「トランクスは昔からかっこいいよ」
ソラは背中をトントンと叩く。
「最近弱音吐かなくなったから心配だったんだ。私の我儘ばっかり聞いてくれるのは嬉しいけど、偶にはトランクスも我儘言って欲しい」
それに、
「トランクスが私より大人になったら、遠い存在になったみたいで寂しいよ」
トランクスは埋めていた顔を上げてソラを見る。そこには寂しげな彼女の顔があった。
「私の事、置いていかないで」
トランクスは勢いよく起き上がりソラを強く抱きしめた。
「ごめん」
ソラもそれに応え、彼の首すじに顔を寄せた。
「また私の我儘になっちゃった」
「そんな事ないよ」
「トランクスも我儘言っていいんだよ」
「うん、ありがとう」
トランクスはソラを抱く腕を緩め、顔に手を寄せた。彼女は彼の手を嬉しそうに受け止めた。そうして2人はどちらともなく口を寄せる。
2人でいる時はお互い素直になれたらいいよね。
そんな自分と貴方が好きだから。
30分の休憩時間はあっという間に過ぎていく。
トランクスは変わったと思う。
昔は自分より何もかも小さかったのに、今では見上げなければ目を合わすことが出来ないくらい大きくなった。男の子は後から一気に成長する生き物なのだとつくづく実感させられる。
しかし変わったのは見た目だけでは無い。
「ねぇ、最近忙しい?」
「まぁ、大手の会社との企画が持ち上がってたりするから少しね」
「そっか......」
トランクスが社長をしているカプセルコーポレーション。今はお昼休憩時間で、トランクスとソラは偶に密会をしている。
誰にもバレない空中で。ゆるやかに流れてくる雲に隠れながら。
ソラは少し寂しそうに目を伏せた。
「なに、どっか行きたい所でもあるの?」
「いや、別に」
「本当に? 俺お前が行きたい所なら付き合うけど」
「大丈夫だよ。ほら! もう少しで休憩時間終わっちゃう。会社戻りなよ」
「あ、あぁ。でも待って」
ソラは腕を引かれ、トランクスの胸に飛びこむ形になった。
「ちょっと!」
「うん、ごめん。でもちょっとだけ」
トランクスはソラを軽く抱きしめる。
彼のスーツからは苦くて重々しい香りがした。他人の香水だろうか。それはソラにとって彼が遠い存在のように感じるものであった。そんな思考を振り払うようにトランクスの頭へと手を伸ばし、サラサラとした紫髪を撫でる。
「頑張りすぎないでね」
「大丈夫だって」
「明日も来るから」
そうして彼と私は離れた。
ソラは思う。
大人になったな、と。物事や予定は自分に合わせるようになった。勿論そうやって自分の願いを聞いてくれるのは嬉しいし、トランクスも楽しそうである。ただこの男は疲れていても自分を優先してくるのだ。
無理をしないで
ゆっくり休んで
昔みたいに彼の我儘を聞いてあげたい。
これは私の我儘になるのだろうか。
次の日もまた彼と密会をする。
しかし、昨日とは違うことがあった。
「なぁ、なんで俺の部屋なの?」
「いいの、ほら、横になってよ」
ソラはトランクスの頭を自分の膝に押し付けた。いわゆる膝枕。
「えっ、なにこれ」
「寝ていいよ、目元にクマができてる」
「俺は大丈夫だって、つかこれだとお前が疲れるよ」
「これくらいで疲れないから。ね、トランクスの方が疲れてるでしょ? 時間は限られてるけどさ、休みなよ。それとも私の膝が嫌だったりする?」
「それは無い、絶対無いから。」
「じゃあ決まり、ね」
呆れられただろうか。結局自分の我儘になってしまった。いや、でもこれはトランクスの為。
これでいいのだ。
「なぁ」
「どうしたの?」
「多分寝たら起きれなくなりそうなんだ」
「じゃあ、やっぱり、やめ」
「だからこのまま甘えてもいい?」
久しぶりに見る男の緩んだ顔につられ、いいよ、と口端を上げた。
「俺さ、お前に弱ってる所見せたら幻滅されると思ってた。」
「うん」
「ソラの中では余裕のある俺でいたかった、そうすればお前より大人になれると思ってた」
「うん」
「でもやっぱ駄目だった。俺まだまだガキだな」
トランクスは顔を隠すように腹部に擦り寄り、手を腰にやわやわと回す。
「トランクスは昔からかっこいいよ」
ソラは背中をトントンと叩く。
「最近弱音吐かなくなったから心配だったんだ。私の我儘ばっかり聞いてくれるのは嬉しいけど、偶にはトランクスも我儘言って欲しい」
それに、
「トランクスが私より大人になったら、遠い存在になったみたいで寂しいよ」
トランクスは埋めていた顔を上げてソラを見る。そこには寂しげな彼女の顔があった。
「私の事、置いていかないで」
トランクスは勢いよく起き上がりソラを強く抱きしめた。
「ごめん」
ソラもそれに応え、彼の首すじに顔を寄せた。
「また私の我儘になっちゃった」
「そんな事ないよ」
「トランクスも我儘言っていいんだよ」
「うん、ありがとう」
トランクスはソラを抱く腕を緩め、顔に手を寄せた。彼女は彼の手を嬉しそうに受け止めた。そうして2人はどちらともなく口を寄せる。
2人でいる時はお互い素直になれたらいいよね。
そんな自分と貴方が好きだから。
30分の休憩時間はあっという間に過ぎていく。