夢小説 短編
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お洒落
ソラは困っていた。
「お前さ、お洒落とか興味ないのか?」
おしゃれ......?
つい聞き返してしまった。
質問を質問で返すなよ、と言われてデコピンまでされてしまった始末である。
「お洒落」
言葉の意味は分かる。もう、昔のように無知では無いのだ。街を歩いている女の子はフリフリとしたカラフルな服やきらきらした尖った爪、じゃらじゃらと色んな小物を沢山身につけていた。自分がそれを身につけたいかと聞かれても。
「うーん、よくわからないや。なんでそんなこと聞くのさ。」
「いや、ほら、お前いつも同じようなカッコしてるじゃん。だからなんとなく......?」
「トランクスはいっぱいお洋服持ってるもんね」
「まぁな。母さんがよく買ってくるんだよ。たまに、自分で選んだりするけど」
「ふぅん」
「いや、俺はどうでもいいの。俺、ソラが着飾ってるの見てみたいかも」
「かも......?」
「......見たいです」
ちょっと意地悪に聞き返すと照れながら本音を話してくれた。そういうトランクスの素直になる瞬間が好き、だから簡単に期待に応えたくなってしまう。
「いいよ。でも、持ってないからお洋服買うところからスタートしないといけないや」
「大丈夫、俺買ってやるよ。」
「え、悪いって......うわっ!」
言い終わる前にトランクスは私の手をとって駆け出した。こういうとこ、成長しても変わらないんだから。
で、今に至る。
トランクスに手を引かれて入ったブティック。場違いな雰囲気に自然と手に汗がはしる。
「やっぱむりだよ〜、絶対似合わないもん」
「そんなの試して見なきゃ分かんないだろ。ほら、これとかいいんじゃねぇの?」
トランクスが指さした先には、淡いピンクのひらひらとしたワンピースを着たマネキン。御丁寧にチャンキーヒールのショートブーツが下に飾ってあった。
「わっ、こういうの街の女の子が着てるやつだ。あの子達が着たら可愛いんだろうなぁ」
「お前だって女の子だろ。つか、ソラの為に買いに来たんだから自分の事だけ考えようぜ」
「......わかった」
ソラとトランクスは店内を物色して回る。中には背中がでろーんと開いたものや、胸が強調されるような物もあった。が、トランクスは好みではなさそうだった。
「あっ、これ」
「ん?」
「これがいいな」
トランクスに分かるように指をさした。
襟元が丸い白のワンピース。袖元と腰には紫のリボンがアクセントで付けられている。
「へぇ、いいじゃん。でもやっぱり白選ぶんだな」
「だって好きな色なんだもん」
「知ってる」
そう言ってトランクスはソラの頭を撫でた。ソラはへへっと笑ってみせた。
試着室に入り実際に選んだ物を鏡の前で着てみる。何だか自分では無いような気がして落ち着かなかった。
ドア開けるぞ、と外から声がした。
「うん。でも、笑わないでよ」
ドアを開けたトランクスと目があう。
目の前の男は豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
「ふっ、何その顔」
笑うなと人に言っておきながら、思わず自分が笑ってしまった。
「ねぇ、なんか言ってよ。やっぱり似合わないかな?」
「あっ、ごめん。......いいよ」
「え?」
「可愛いよ、可愛すぎてびっくりした。やっぱりお前は白だな、凄く似合ってる」
「もういいよ!! そんなに褒めなくても」
顔から火が出そうだった。付き合ってからというものトランクスの言動に振り回されるソラ。
でもきっとそれはトランクスも同じ。
そのあと2人でレジに向かった。ワンピースに今の靴は似合わなかったので、パンプスまで選んでしまった。値段は見なかったことにする。トランクスはポケットから黒いカードを出してあっという間にしはらってしまった。この金持ちめ。ワンピースを着たまま会計を済ませ、先程まで着ていた服は袋に入れてもらって、外に出た。
「あっ、ソラ」
「ん、なにー?」
「こっち」
トランクスに手招きされ近くまで寄った。
するとぽすんと頭に何か被せられた。
「おー、いい感じ」
「なにさ」
ショーウィンドウに映る自分を見てはっとした。頭に被せられたのは今着ているワンピースと同じ、白の生地に紫のリボンが付いたカンカン帽。
「プレゼント」
「今日の私貰ってばっかりだ」
「いいんだよ、俺凄く楽しいから」
トランクスはソラの腰を抱き寄せた。
「今のお前、本に出てくるお姫様みたいだ」
「じゃあトランクスは王子様?」
「姫の買い物に付き合わされる従者」
「......」
ソラはトランクスを少し睨む
「あー嘘だってば」
トランクスはソラの目頭に出来た皺を優しく撫でる。
「へへっ、知ってる」
ソラが楽しそうに笑う姿を見て、トランクスは彼女の買い物になら付き合わされてもいいと思ったのだった。
(なんで紫のリボンにしたか分かる?)
(さぁ......なんで?)
(トランクスの髪の色!)
(こういうとこ昔から変わらないな)
(え?)
(可愛い奴め)
ソラは困っていた。
「お前さ、お洒落とか興味ないのか?」
おしゃれ......?
つい聞き返してしまった。
質問を質問で返すなよ、と言われてデコピンまでされてしまった始末である。
「お洒落」
言葉の意味は分かる。もう、昔のように無知では無いのだ。街を歩いている女の子はフリフリとしたカラフルな服やきらきらした尖った爪、じゃらじゃらと色んな小物を沢山身につけていた。自分がそれを身につけたいかと聞かれても。
「うーん、よくわからないや。なんでそんなこと聞くのさ。」
「いや、ほら、お前いつも同じようなカッコしてるじゃん。だからなんとなく......?」
「トランクスはいっぱいお洋服持ってるもんね」
「まぁな。母さんがよく買ってくるんだよ。たまに、自分で選んだりするけど」
「ふぅん」
「いや、俺はどうでもいいの。俺、ソラが着飾ってるの見てみたいかも」
「かも......?」
「......見たいです」
ちょっと意地悪に聞き返すと照れながら本音を話してくれた。そういうトランクスの素直になる瞬間が好き、だから簡単に期待に応えたくなってしまう。
「いいよ。でも、持ってないからお洋服買うところからスタートしないといけないや」
「大丈夫、俺買ってやるよ。」
「え、悪いって......うわっ!」
言い終わる前にトランクスは私の手をとって駆け出した。こういうとこ、成長しても変わらないんだから。
で、今に至る。
トランクスに手を引かれて入ったブティック。場違いな雰囲気に自然と手に汗がはしる。
「やっぱむりだよ〜、絶対似合わないもん」
「そんなの試して見なきゃ分かんないだろ。ほら、これとかいいんじゃねぇの?」
トランクスが指さした先には、淡いピンクのひらひらとしたワンピースを着たマネキン。御丁寧にチャンキーヒールのショートブーツが下に飾ってあった。
「わっ、こういうの街の女の子が着てるやつだ。あの子達が着たら可愛いんだろうなぁ」
「お前だって女の子だろ。つか、ソラの為に買いに来たんだから自分の事だけ考えようぜ」
「......わかった」
ソラとトランクスは店内を物色して回る。中には背中がでろーんと開いたものや、胸が強調されるような物もあった。が、トランクスは好みではなさそうだった。
「あっ、これ」
「ん?」
「これがいいな」
トランクスに分かるように指をさした。
襟元が丸い白のワンピース。袖元と腰には紫のリボンがアクセントで付けられている。
「へぇ、いいじゃん。でもやっぱり白選ぶんだな」
「だって好きな色なんだもん」
「知ってる」
そう言ってトランクスはソラの頭を撫でた。ソラはへへっと笑ってみせた。
試着室に入り実際に選んだ物を鏡の前で着てみる。何だか自分では無いような気がして落ち着かなかった。
ドア開けるぞ、と外から声がした。
「うん。でも、笑わないでよ」
ドアを開けたトランクスと目があう。
目の前の男は豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
「ふっ、何その顔」
笑うなと人に言っておきながら、思わず自分が笑ってしまった。
「ねぇ、なんか言ってよ。やっぱり似合わないかな?」
「あっ、ごめん。......いいよ」
「え?」
「可愛いよ、可愛すぎてびっくりした。やっぱりお前は白だな、凄く似合ってる」
「もういいよ!! そんなに褒めなくても」
顔から火が出そうだった。付き合ってからというものトランクスの言動に振り回されるソラ。
でもきっとそれはトランクスも同じ。
そのあと2人でレジに向かった。ワンピースに今の靴は似合わなかったので、パンプスまで選んでしまった。値段は見なかったことにする。トランクスはポケットから黒いカードを出してあっという間にしはらってしまった。この金持ちめ。ワンピースを着たまま会計を済ませ、先程まで着ていた服は袋に入れてもらって、外に出た。
「あっ、ソラ」
「ん、なにー?」
「こっち」
トランクスに手招きされ近くまで寄った。
するとぽすんと頭に何か被せられた。
「おー、いい感じ」
「なにさ」
ショーウィンドウに映る自分を見てはっとした。頭に被せられたのは今着ているワンピースと同じ、白の生地に紫のリボンが付いたカンカン帽。
「プレゼント」
「今日の私貰ってばっかりだ」
「いいんだよ、俺凄く楽しいから」
トランクスはソラの腰を抱き寄せた。
「今のお前、本に出てくるお姫様みたいだ」
「じゃあトランクスは王子様?」
「姫の買い物に付き合わされる従者」
「......」
ソラはトランクスを少し睨む
「あー嘘だってば」
トランクスはソラの目頭に出来た皺を優しく撫でる。
「へへっ、知ってる」
ソラが楽しそうに笑う姿を見て、トランクスは彼女の買い物になら付き合わされてもいいと思ったのだった。
(なんで紫のリボンにしたか分かる?)
(さぁ......なんで?)
(トランクスの髪の色!)
(こういうとこ昔から変わらないな)
(え?)
(可愛い奴め)
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