人造人間,セル編
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「トランクスの好きなおもちゃだよー?」
「ほら見て、この飛行機、浮いてる」
「お腹空いた?」
「絵本読む?」
んぎゃあああああ
「うーん、これもダメかぁ」
ここはこの赤ん坊の為だけに作られた子供部屋。ブルマがクリリンに呼ばれて出て行ってからというもの、何をしても泣き止まずソラは大変困っていた。
ふええええええん
「トランクスが泣いてると、私も、悲しくなっちゃうよ......」
ソラはいつまでも泣いているトランクスの頭を撫でる。数時間前に感じた大気の震え。微弱ではあったが、サイヤ人の血を引いてるこの子にも感じたのだろう。先程まではブルマも一緒だった為ここまで泣いたりはしなかった。ブルマが出て行ったから、更に不安になったのだ。
大気の震えと共に感じたのはピッコロと同じ様で違う様な気。抜け殻の正体なのか、ピッコロなのか。ソラに入ってくる情報はテレビのニュースだけ。彼女はもどかしい気持ちでいっぱいだった。
しばらくするとブルマが休憩がてらに戻ってきた。トランクスは母親に抱かれてきゃっきゃと喜んでいる。ソラはブルマが持ってきたチョコレートを食べながら話を聞いていた。
「はあぁ、さすがドクター・ゲロの設計図ね。天才の域を超えてるわ。パパでも分からない事が多いんだもの。これを別の方向に生かせたらどんなに良かったか」
「そんなに、凄いんだ」
「えぇ。でも、私達だって負けないんだから。あの設計図読み取って、人造人間の弱点暴いてやるわよ。あっ、そうそう、抜け殻の正体分かったらしいの。確か、セルっていう、これもまたドクター・ゲロが作らせた人造人間なんだって」
「セル」
彼女が声に出したそれは重々しいものに感じる。あの抜け殻の正体であり、大気が揺れる程の力を持つ化け物。今度はそんな相手と皆は戦っているのだ。
「クリリン君が言ってたけど、未来のトランクス、ベジータと修行するって。そこまでヤバい奴なのね」
「そっか、お兄ちゃんが......」
「こんな時、孫君がいればなぁ」
ソラはある決心をする。
それから2日が過ぎ、3日が過ぎていった......。
「ブルマさあああああん」
ドタドタと廊下を走る音と自分の名前を叫ぶ声が聞こえ、ブルマが研究室を出ると廊下でぶつかりそうになった。
「きゃあ、そんなに慌ててどうしたのよ。危ないじゃない」
「ブルマさん、いいお知らせだよ。悟飯ちゃんのお父さん、目が覚めたみたい。ほら、悟空さんの気が感じるもん!」
「えっ、孫君が!? じゃあ、病気直ったんだ!!」
ブルマは飛び跳ねて喜んでいた。
「ちょっと、皆の所に行ってくるね」
そう言ってソラは早々と飛び出して言った。空を飛び始めてから自分の気を消していない事に気づき、慌てて気を消す。人造人間17号達は孫悟空の居場所を探している。自分が飛んでいった方向に彼がいる事を知られてはいけない。ここから気を消して、でも最大限に速く飛ぶ。
悟空さん、病気直ったら、絶対修行する。そしたら、悟飯ちゃんも一緒に、修行するよね......。私も一緒に、強くなりたい!
気持ちを昂らせながらカメハウスへと向かっていたのだが、
「悟空は結構前に悟飯やベジータ達をつれて、神殿に修行しに行った」
「そんなぁ......」
ピッコロからのそれに落胆し思わず床に腰を下ろした。
「今から行ったとしても、もう遅いだろう」
「折角、ここまで来たのに」
「まぁ、そんな落ち込むでないぞ」
肩をぽんと叩かれ振り向くと亀仙人が立っていた。
「亀仙人さん、おじゃまします」
「久しぶりじゃな。数年前挨拶しに来てから1度も会わんかったが、よくこの場所覚えておったな」
「へへ、覚えるのは、得意だもん」
「そうか、元気そうで安心したぞ」
「ソラちゃんけ?」
階段から降りてきたチチに更に声をかけられる。悟空が目覚めたからか、チチの顔色は前よりずっと明るくなっていた。
「チチさん、こんにちは」
「あぁ、こんにちは、ここまで1人できたのか?」
「うん」
「よく来ただなぁ、この通り悟空さは悟飯ちゃん連れて行っちまったけんど、ゆっくりしてくといいだ。今お茶いれるから、座って待ってろ?」
「はぁい」
テーブルを挟んでピッコロの反対側に座る。周りを見渡すとクリリン、天津飯、ヤムチャが仮眠をとっていた。
皆、疲れてるんだ。
「ほれ、冷たくてさっぱりするぞ」
「チチさん、ありがとう」
チチはテーブルに氷の入った麦茶を置くと、2階の部屋に行ってしまった。
「本当に、ピッコロさん?」
「そうか、お前は話だけしか聞いていなかったからな。合体したんだ、神とな。」
「神様?」
「あぁ、お前は1度も会った事がないのか。地球の神だ、俺は合体して更に力を手に入れたんだ」
「だから、気だけで、ピッコロさんだって、分からなかったのか」
つけっぱなしのテレビにはセルによって街が荒らさている映像が流れている。2日前にセルの姿を初めてテレビ越しに見たが、何度見てもその姿の不気味さに鳥肌が立つ。ピッコロは歯軋りをしながらその映像を見ていた。
しばらくテレビを見ていると空気が変わったのが分かった。嫌な予感がした。同時にザシャっと誰かが砂に降り立つ音が聞こえ、ピッコロと共に窓を見る。
そこに立っていたのは人造人間達だった。
2人は慌てて外に出る。
「よう」
17号がピッコロとソラに声をかけた。
16号は家の中をじっと見ている。ここに孫悟空が居ないことに気づくと、その事を他の人造人間に伝えた。ピッコロが呑気に寝ている3人を起こしに行く。
「孫悟空が何処にいるか教えてもらおうか」
「17号には、絶対教えない」
「つれないなぁ」
「はは、アンタおチビちゃんに振られてやんの」
18号が17号に軽口を叩いたが、彼は表情を一切変えなかった。そうしているうちに、中で寝ていた3人が起きてきた。
「改めて、孫悟空の居場所を教えてもらおうか」
「オレたちが素直に教えると思うか?」
「教えなければ無理にでも吐かせるつもりだが」
「なるほど、ではやってみるんだな」
ピッコロは自信げに戦いを宣言する。
「懲りない奴らだ」
17号はピッコロを格下だと思っているらしく、余裕そうに見える。
「お前達は来るな、」
「私も行く」
「何を言っている、お前が来てもムダだと言うことは承知しているだろう」
「でも行く」
「ふざけるな」
「行く」
「おいソラ、俺達が行ったところで歯が立たないんだ。悔しいけど、ここにいよう」
クリリンもソラを引き止めようとする。
「お願いピッコロさん、邪魔しないから、だから、一緒に行かせて」
「お前、どうしてそこまで......」
天津飯やヤムチャは不思議で仕方なかった。
少女の目には迷いが無い。
「チッ、勝手にしろ」
「うん」
そうして人造人間とピッコロ達は向こうにある無人島へと飛んで行ってしまった。
「か、勝てると思うか?」
「ムリだ、相手は3人だぞ......」
残されたヤムチャと天津飯は口を開いた。
「悟空達4人の中の2人が修行を終えるまで、それまで、なんとか、たのむ......!」
クリリンは願う。
誰も死んで欲しくない。
最強の戦士達が来るまで、どうか、持ちこたえますように。
「ほら見て、この飛行機、浮いてる」
「お腹空いた?」
「絵本読む?」
んぎゃあああああ
「うーん、これもダメかぁ」
ここはこの赤ん坊の為だけに作られた子供部屋。ブルマがクリリンに呼ばれて出て行ってからというもの、何をしても泣き止まずソラは大変困っていた。
ふええええええん
「トランクスが泣いてると、私も、悲しくなっちゃうよ......」
ソラはいつまでも泣いているトランクスの頭を撫でる。数時間前に感じた大気の震え。微弱ではあったが、サイヤ人の血を引いてるこの子にも感じたのだろう。先程まではブルマも一緒だった為ここまで泣いたりはしなかった。ブルマが出て行ったから、更に不安になったのだ。
大気の震えと共に感じたのはピッコロと同じ様で違う様な気。抜け殻の正体なのか、ピッコロなのか。ソラに入ってくる情報はテレビのニュースだけ。彼女はもどかしい気持ちでいっぱいだった。
しばらくするとブルマが休憩がてらに戻ってきた。トランクスは母親に抱かれてきゃっきゃと喜んでいる。ソラはブルマが持ってきたチョコレートを食べながら話を聞いていた。
「はあぁ、さすがドクター・ゲロの設計図ね。天才の域を超えてるわ。パパでも分からない事が多いんだもの。これを別の方向に生かせたらどんなに良かったか」
「そんなに、凄いんだ」
「えぇ。でも、私達だって負けないんだから。あの設計図読み取って、人造人間の弱点暴いてやるわよ。あっ、そうそう、抜け殻の正体分かったらしいの。確か、セルっていう、これもまたドクター・ゲロが作らせた人造人間なんだって」
「セル」
彼女が声に出したそれは重々しいものに感じる。あの抜け殻の正体であり、大気が揺れる程の力を持つ化け物。今度はそんな相手と皆は戦っているのだ。
「クリリン君が言ってたけど、未来のトランクス、ベジータと修行するって。そこまでヤバい奴なのね」
「そっか、お兄ちゃんが......」
「こんな時、孫君がいればなぁ」
ソラはある決心をする。
それから2日が過ぎ、3日が過ぎていった......。
「ブルマさあああああん」
ドタドタと廊下を走る音と自分の名前を叫ぶ声が聞こえ、ブルマが研究室を出ると廊下でぶつかりそうになった。
「きゃあ、そんなに慌ててどうしたのよ。危ないじゃない」
「ブルマさん、いいお知らせだよ。悟飯ちゃんのお父さん、目が覚めたみたい。ほら、悟空さんの気が感じるもん!」
「えっ、孫君が!? じゃあ、病気直ったんだ!!」
ブルマは飛び跳ねて喜んでいた。
「ちょっと、皆の所に行ってくるね」
そう言ってソラは早々と飛び出して言った。空を飛び始めてから自分の気を消していない事に気づき、慌てて気を消す。人造人間17号達は孫悟空の居場所を探している。自分が飛んでいった方向に彼がいる事を知られてはいけない。ここから気を消して、でも最大限に速く飛ぶ。
悟空さん、病気直ったら、絶対修行する。そしたら、悟飯ちゃんも一緒に、修行するよね......。私も一緒に、強くなりたい!
気持ちを昂らせながらカメハウスへと向かっていたのだが、
「悟空は結構前に悟飯やベジータ達をつれて、神殿に修行しに行った」
「そんなぁ......」
ピッコロからのそれに落胆し思わず床に腰を下ろした。
「今から行ったとしても、もう遅いだろう」
「折角、ここまで来たのに」
「まぁ、そんな落ち込むでないぞ」
肩をぽんと叩かれ振り向くと亀仙人が立っていた。
「亀仙人さん、おじゃまします」
「久しぶりじゃな。数年前挨拶しに来てから1度も会わんかったが、よくこの場所覚えておったな」
「へへ、覚えるのは、得意だもん」
「そうか、元気そうで安心したぞ」
「ソラちゃんけ?」
階段から降りてきたチチに更に声をかけられる。悟空が目覚めたからか、チチの顔色は前よりずっと明るくなっていた。
「チチさん、こんにちは」
「あぁ、こんにちは、ここまで1人できたのか?」
「うん」
「よく来ただなぁ、この通り悟空さは悟飯ちゃん連れて行っちまったけんど、ゆっくりしてくといいだ。今お茶いれるから、座って待ってろ?」
「はぁい」
テーブルを挟んでピッコロの反対側に座る。周りを見渡すとクリリン、天津飯、ヤムチャが仮眠をとっていた。
皆、疲れてるんだ。
「ほれ、冷たくてさっぱりするぞ」
「チチさん、ありがとう」
チチはテーブルに氷の入った麦茶を置くと、2階の部屋に行ってしまった。
「本当に、ピッコロさん?」
「そうか、お前は話だけしか聞いていなかったからな。合体したんだ、神とな。」
「神様?」
「あぁ、お前は1度も会った事がないのか。地球の神だ、俺は合体して更に力を手に入れたんだ」
「だから、気だけで、ピッコロさんだって、分からなかったのか」
つけっぱなしのテレビにはセルによって街が荒らさている映像が流れている。2日前にセルの姿を初めてテレビ越しに見たが、何度見てもその姿の不気味さに鳥肌が立つ。ピッコロは歯軋りをしながらその映像を見ていた。
しばらくテレビを見ていると空気が変わったのが分かった。嫌な予感がした。同時にザシャっと誰かが砂に降り立つ音が聞こえ、ピッコロと共に窓を見る。
そこに立っていたのは人造人間達だった。
2人は慌てて外に出る。
「よう」
17号がピッコロとソラに声をかけた。
16号は家の中をじっと見ている。ここに孫悟空が居ないことに気づくと、その事を他の人造人間に伝えた。ピッコロが呑気に寝ている3人を起こしに行く。
「孫悟空が何処にいるか教えてもらおうか」
「17号には、絶対教えない」
「つれないなぁ」
「はは、アンタおチビちゃんに振られてやんの」
18号が17号に軽口を叩いたが、彼は表情を一切変えなかった。そうしているうちに、中で寝ていた3人が起きてきた。
「改めて、孫悟空の居場所を教えてもらおうか」
「オレたちが素直に教えると思うか?」
「教えなければ無理にでも吐かせるつもりだが」
「なるほど、ではやってみるんだな」
ピッコロは自信げに戦いを宣言する。
「懲りない奴らだ」
17号はピッコロを格下だと思っているらしく、余裕そうに見える。
「お前達は来るな、」
「私も行く」
「何を言っている、お前が来てもムダだと言うことは承知しているだろう」
「でも行く」
「ふざけるな」
「行く」
「おいソラ、俺達が行ったところで歯が立たないんだ。悔しいけど、ここにいよう」
クリリンもソラを引き止めようとする。
「お願いピッコロさん、邪魔しないから、だから、一緒に行かせて」
「お前、どうしてそこまで......」
天津飯やヤムチャは不思議で仕方なかった。
少女の目には迷いが無い。
「チッ、勝手にしろ」
「うん」
そうして人造人間とピッコロ達は向こうにある無人島へと飛んで行ってしまった。
「か、勝てると思うか?」
「ムリだ、相手は3人だぞ......」
残されたヤムチャと天津飯は口を開いた。
「悟空達4人の中の2人が修行を終えるまで、それまで、なんとか、たのむ......!」
クリリンは願う。
誰も死んで欲しくない。
最強の戦士達が来るまで、どうか、持ちこたえますように。