このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

熊がおちていく。

 気がつくと僕は、あの大きな岩壁に居た。
 その岩壁の前に立っているとかではなく、正しく岩壁に居たのだ。

 ゆらゆらと、岩壁と一体となった僕は、どうすることもできずに居た。
 なんでここに居るのかは分からないけれど、きっと僕はもう”熊”ですらいられなくなってしまったのだ。

 僕は僕の名前を失って、”熊”ですらなくなって、この岩壁から逃れることすら叶わずに、ゆらゆらとしているしかできないのだ。
6/6ページ
スキ