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星と命と限りあるもの

 翌日の新聞の一面に、ゴルフ大会で強風によりテントが崩れた事故が大々的に取り上げられていた。
 そこには、身元不明の高齢の女性が、骨組みの下敷きになって亡くなったと書かれていた。
 小柄で、白髪で、髪の毛を一つに束ねている。大きな特徴のある顔立ちではなく、どこにでもいそうなお婆さんだと、ネット上でもすでに書かれていた。
 強いてひとつ特徴をあげるならば、左腕に特徴的な痣があるらしい。

「ええ、僕も残念です。せっかくの”お星さま”が、こんなことになるなんて」

 僕も電話の相手も、ちっとも残念ではなさそうな声のトーンであったが、お互いにそうだねと言い合った。

「でも、今回のことで”落とし子”の力について、有限であるという可能性を知ることができたのはとても有意義でした。今後の研究に役立ちますね」

 相手は首を縦に振る動作まで伝わるように、うんうんと頷いた。
 僕たちはまだ”落とし子”について、何も知りえていないのだと、改めて感じた。
 その恩恵とリスク、両方を知らなければならない。
 そのための”星への集い”なのだから。

 僕は自身の左腕を眺めた。そこには熊の顔の形のような、ひどく特徴的な痣があるのだ。
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