2話
夢小説設定
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無事に地上へ戻れたソラ達は、前方にケインとポムニがいる事に気付く
どうやら何かあったようで、周りは色々な物が散乱し、悲惨な状況になっていた
「ケイン!カフモが変異してバグってしまったんだ!」
キンガーがケインの方へと走り寄り、他の三人も同じようについて行って浮いているケインを見上げる
ケインはキンガーの言葉を聞いて驚いた表情を見せた
「カフモがバグった?どうして知らせてくれなかった!」
そう言うと、ケインはパチンッと指を鳴らす
するとどこからともなく宙に浮いたカフモが現れ、地面には大きな穴が開いた
「なら、地下室行きだ」
ケインは手を動かしてカフモを操り、そのまま穴の中へと落とす
穴の先には、カフモと同じ様な無数の“目”が蠢いていた
カフモが完全に穴の中へ落ちると、穴は瞬時に閉じてしまう
それを全員黙って見ていると、ズーブルの“身体”がこちらへと歩いて来た
そしてキンガーの手から自身の頭を取り、身体に取り付けながら言う
「ああ…カフモがあんな風に脱落するなんて。気にしないでほしいんだけど、次はキンガーだと思ってたよ」
「そりゃどうも」
「これでキンガーを、基準に出来なくなったようだね」
『………』
三人の会話を聞き流しながら、ソラは先程まで穴が開いていた地面をボーっと見詰めた
『(……何なんだよ…)』
“バグ”って…そういう事かよ…
“変異”って……“脱落”って……
『(……あれが…“最悪の結果”…?)』
ゆっくりと口元を押さえる
嫌な汗が背中を伝う
息が、上手く、出来、な
「あ、ああ!く、苦しいよお!!」
『!!』
突然耳に飛び込んできた声に、ハッと我に返る
声の方を見てみると、こちらへと這い寄ってくるラガタの姿があった
だがその姿はどこかガビガビと点滅しており、声も聞き取りづらくなっていた
そう、まるで、“バグって”いるかの様に
『……!!』
「おお!」
目を見開くソラを他所に、ケインはラガタに向けて再びパチンッと指を鳴らす
するとラガタはあっという間に元の姿に戻った
立ち上がったラガタは何も言わずにポムニの横に並び、ポムニはそんなラガタから顔を逸らす
二人はどこか気まずそうだった
そんな中、ケインは今まで何が起きていたのか全て察したのか、言葉を選びながら話し出す
「出口について嘘を吐いた事は謝ろう。みんながどれ程求めているものなのかは解っているが、その向こう側をどう扱うべきか考えるのに…苦労したが、果てしない事だと解った」
知っての通り、未完成品をみんなに見せる訳にはいかない
特に“虚無空間”に繋がる場合なんかはね
「とにかく!グローインク・クイーンを倒したようだし、この冒険は終了だ!報酬はバブルコック長が振舞う、美味しいデジタル料理だ!」
「法で認められている愛を込めて作ったよ!」
ケインが指し示した先には、長いテーブルにズラッと並ぶ料理があった
それを見て、ジャックスは思い出したかの様に言う
「確かに腹が減ったなあ」
「あなたは何もしてないでしょ…」
「だから?それでも腹は減るんだよ。そうだよねソラ?ほら、僕の隣に座りなよ」
『……うん…』
「私はそんなに。デジタル世界では飲食、睡眠は不要だからね。デジタルフードは食べた感覚を味わうだけで、何の栄養にもならないぞ」
「ああもう、やめてくれ!いつからデジタル世界の専門家になったんだ?」
「……何の専門家だって?」
ガヤガヤと椅子に座り始める面々
ジャックスにエスコートされ席に着き、目の前のテーブルにはデジタル料理
ソラは、そこで全てを悟った
『(……無かったんだ)』
“出口”なんて、最初から
あの扉の先は、虚無空間に繋がっているだけで
ケインが扉を隠そうとしたのは、虚無空間に出てしまわないようにする為で
だからみんな“出口なんて無い”って……
『………』
右隣に座っているポムニへ、視線を移す
ポムニは、只々真っ直ぐ正面を見ている
その表情は、酷く歪んでいた
『………』
視線を、デジタル料理へ戻す
左隣から聞こえるジャックスの声すら、耳に入ってこない
きっと、ポムニも理解したんだろう
ここは
この“世界”は
もう────
to be continue……
(夢なんかじゃない)
どうやら何かあったようで、周りは色々な物が散乱し、悲惨な状況になっていた
「ケイン!カフモが変異してバグってしまったんだ!」
キンガーがケインの方へと走り寄り、他の三人も同じようについて行って浮いているケインを見上げる
ケインはキンガーの言葉を聞いて驚いた表情を見せた
「カフモがバグった?どうして知らせてくれなかった!」
そう言うと、ケインはパチンッと指を鳴らす
するとどこからともなく宙に浮いたカフモが現れ、地面には大きな穴が開いた
「なら、地下室行きだ」
ケインは手を動かしてカフモを操り、そのまま穴の中へと落とす
穴の先には、カフモと同じ様な無数の“目”が蠢いていた
カフモが完全に穴の中へ落ちると、穴は瞬時に閉じてしまう
それを全員黙って見ていると、ズーブルの“身体”がこちらへと歩いて来た
そしてキンガーの手から自身の頭を取り、身体に取り付けながら言う
「ああ…カフモがあんな風に脱落するなんて。気にしないでほしいんだけど、次はキンガーだと思ってたよ」
「そりゃどうも」
「これでキンガーを、基準に出来なくなったようだね」
『………』
三人の会話を聞き流しながら、ソラは先程まで穴が開いていた地面をボーっと見詰めた
『(……何なんだよ…)』
“バグ”って…そういう事かよ…
“変異”って……“脱落”って……
『(……あれが…“最悪の結果”…?)』
ゆっくりと口元を押さえる
嫌な汗が背中を伝う
息が、上手く、出来、な
「あ、ああ!く、苦しいよお!!」
『!!』
突然耳に飛び込んできた声に、ハッと我に返る
声の方を見てみると、こちらへと這い寄ってくるラガタの姿があった
だがその姿はどこかガビガビと点滅しており、声も聞き取りづらくなっていた
そう、まるで、“バグって”いるかの様に
『……!!』
「おお!」
目を見開くソラを他所に、ケインはラガタに向けて再びパチンッと指を鳴らす
するとラガタはあっという間に元の姿に戻った
立ち上がったラガタは何も言わずにポムニの横に並び、ポムニはそんなラガタから顔を逸らす
二人はどこか気まずそうだった
そんな中、ケインは今まで何が起きていたのか全て察したのか、言葉を選びながら話し出す
「出口について嘘を吐いた事は謝ろう。みんながどれ程求めているものなのかは解っているが、その向こう側をどう扱うべきか考えるのに…苦労したが、果てしない事だと解った」
知っての通り、未完成品をみんなに見せる訳にはいかない
特に“虚無空間”に繋がる場合なんかはね
「とにかく!グローインク・クイーンを倒したようだし、この冒険は終了だ!報酬はバブルコック長が振舞う、美味しいデジタル料理だ!」
「法で認められている愛を込めて作ったよ!」
ケインが指し示した先には、長いテーブルにズラッと並ぶ料理があった
それを見て、ジャックスは思い出したかの様に言う
「確かに腹が減ったなあ」
「あなたは何もしてないでしょ…」
「だから?それでも腹は減るんだよ。そうだよねソラ?ほら、僕の隣に座りなよ」
『……うん…』
「私はそんなに。デジタル世界では飲食、睡眠は不要だからね。デジタルフードは食べた感覚を味わうだけで、何の栄養にもならないぞ」
「ああもう、やめてくれ!いつからデジタル世界の専門家になったんだ?」
「……何の専門家だって?」
ガヤガヤと椅子に座り始める面々
ジャックスにエスコートされ席に着き、目の前のテーブルにはデジタル料理
ソラは、そこで全てを悟った
『(……無かったんだ)』
“出口”なんて、最初から
あの扉の先は、虚無空間に繋がっているだけで
ケインが扉を隠そうとしたのは、虚無空間に出てしまわないようにする為で
だからみんな“出口なんて無い”って……
『………』
右隣に座っているポムニへ、視線を移す
ポムニは、只々真っ直ぐ正面を見ている
その表情は、酷く歪んでいた
『………』
視線を、デジタル料理へ戻す
左隣から聞こえるジャックスの声すら、耳に入ってこない
きっと、ポムニも理解したんだろう
ここは
この“世界”は
もう────
to be continue……
(夢なんかじゃない)
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