初めて見る表情だ
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『今日はいい天気だねぇ』
「そうだな」
とある日の昼下がり
穏やかな波が続く水平線の上を、サニー号が優雅に進む
その甲板の上で、ソラとゾロが眠そうに欠伸をしていた
胡坐をかいて座るゾロの膝にすっぽりと納まるように座っているソラは、キラキラと輝く海を眺めながらのんびりと笑う
『こんな日は、絶好のお昼寝日和だね!』
「……ああ…」
『あれ、早速眠そうだね?』
「まあな…お前も寝ちまえ」
ゾロはそう言うと、ソラの頭を優しく撫でてから瞼を閉じた
完全に寝る姿勢になったゾロを見て、ソラもゾロの身体に背中を預ける
『そうだなぁ…じゃあ僕も、一緒に寝ようかな』
既に眠そうな口調で呟くと、ソラはもう一度欠伸をしてから眠り始めた
そんな二人のやり取りを、陰からジッと見ている男が一人
「………」
その男─サンジは、いつの間にか短くなっていた煙草の火を消してから、静かに二人の元へと歩み寄った
呑気にスヤスヤと寝入っているソラ達の前で、見下ろすように佇むサンジ
すると、何てことはない手つきでスッとソラを抱き上げ、そのままどこかへと連れて行った
そんな中ずっとサンジの気配を感じ取っていたゾロは、去って行くサンジの背中をその片方の目で暫く見詰めたが、“仕方のねぇ奴だ”と一つ溜息を吐いてからまた眠りに就くのだった
───────
─────
───
『……ん……んん…?』
淡く青い光が瞼の裏にチラつき、軽く身動 ぎをしてから目を開ける
目の前には、こちらを覗き込み微笑むサンジの姿があった
「よお、起きたか?」
『……サンジ…?あれ…僕、ゾロと一緒に甲板で寝てたはずじゃ…』
辺りを見渡してみると、ここはサニー号内にあるアクアリウムだった
そして、何故かサンジに膝枕をされている
『……何で?』
「ああ、外は風が強くなってきてな。勝手にここまで運んじまったんだ」
不思議そうにしているソラの髪を撫でるサンジ
その手つきは、妙に優しいものだった
『そうなの…?ありがとう、サンジ』
「はは、どういたしまして。 ……ところで、少し気になっちまったんだが…」
お礼に対して軽く笑ったサンジの表情に、影が落ちる
僕の頭を撫でていた手が、そのまま頬、首、胸へと擦 るように滑っていく
『? サンジ?どうしたの…?わっ…はっ、ははは!くすぐったいよ…!』
「ソラは、あのマリモと随分仲が良いよな?…アイツだけじゃねェ、ルフィやウソップ、他の奴らとも……」
『え、ええ?そうかな?うん…ふふっ、そうだね?みんな仲良くしてくれるし…っはは、み、みんなと一緒にいるのは楽しいよ?』
サンジに胸元を撫でられる度に、くすぐったさで身体が跳ねる
思うように喋れない
どことなく、身体の内側が熱くなっている様な気がする
いったい、僕は……サンジは、どうしたのだろうか
『ね、ねぇサンジ!もうやめてよ…!くすぐったいし、何だか変な感じが…!』
「……変な感じ?」
ピタリ、とサンジが撫でる手を止める
すると、暫く間を置いてからどこか楽し気に目を細めた
「なあ…どう“変”なんだ?俺に教えてくれよ」
『え?どうって……どうなんだろう…?』
「ただくすぐったいだけじゃねェんだろ?ほら…ここは?こうすると、どう感じる?」
そう言いながら、サンジが僕の“コア”を指で擦 る
その瞬間、身体に電気が走った様な、痺れる感覚がした
『!! うぁ…っ!?』
「! ……ははっ…ここが“良い”のか」
一際身体を跳ねさせたソラを見て、サンジは思わず笑みを零す
興奮しているのか、サンジの頬は熱を持ったように赤みがかっていた
そんな表情を隠しもせず、サンジは優しく、だが執拗に“コア”を撫でながら話し出す
「……俺はな?ソラがアイツらと仲良くしてるのを眺めるのは好きなんだ。お前が楽しそうにしてるのを見るだけで、俺も嬉しくなるしな」
『サ…サンジ…っ!そこ…ビリッて、するから…!撫でるの、止め…っ』
「でもな、何事にも“限度”ってもんがあるだろ?さっきのマリモみたいに、やたらと引っ付いていられちゃ…なあ?」
『サンジ…っ!!』
制止の声も聞かず、サンジはまるで僕に言い聞かせる様に話し続ける
今まで感じた事のない感覚に堪らずこの場から逃げようとするも、僕を見詰めるサンジの視線がそれを引き留めた
……逃げたいのに、逃げられない
だって、サンジが、あまりにも
『(……なんて表情 、してるんだ…)』
あまりにも、愛おし気に笑っているから
「……アイツらばかりじゃなく、俺とももっと“仲良く”してくれよ」
『! ……仲良く…?』
「そう、今まで以上にさ。いいだろ?」
まるでサンジの膝に磔にされているかの様に、身体が動かない
そんな僕の頬を両手で優しく包み込み、サンジは言った
「だから、ソラの“良い”ところ…俺に全部、教えてくれよな?」
『(……ああ…これは…)』
初めて見る表情 だ
end
(頬を赤く染めたまま笑うサンジに)
(僕は小さく頷いた)
「そうだな」
とある日の昼下がり
穏やかな波が続く水平線の上を、サニー号が優雅に進む
その甲板の上で、ソラとゾロが眠そうに欠伸をしていた
胡坐をかいて座るゾロの膝にすっぽりと納まるように座っているソラは、キラキラと輝く海を眺めながらのんびりと笑う
『こんな日は、絶好のお昼寝日和だね!』
「……ああ…」
『あれ、早速眠そうだね?』
「まあな…お前も寝ちまえ」
ゾロはそう言うと、ソラの頭を優しく撫でてから瞼を閉じた
完全に寝る姿勢になったゾロを見て、ソラもゾロの身体に背中を預ける
『そうだなぁ…じゃあ僕も、一緒に寝ようかな』
既に眠そうな口調で呟くと、ソラはもう一度欠伸をしてから眠り始めた
そんな二人のやり取りを、陰からジッと見ている男が一人
「………」
その男─サンジは、いつの間にか短くなっていた煙草の火を消してから、静かに二人の元へと歩み寄った
呑気にスヤスヤと寝入っているソラ達の前で、見下ろすように佇むサンジ
すると、何てことはない手つきでスッとソラを抱き上げ、そのままどこかへと連れて行った
そんな中ずっとサンジの気配を感じ取っていたゾロは、去って行くサンジの背中をその片方の目で暫く見詰めたが、“仕方のねぇ奴だ”と一つ溜息を吐いてからまた眠りに就くのだった
───────
─────
───
『……ん……んん…?』
淡く青い光が瞼の裏にチラつき、軽く
目の前には、こちらを覗き込み微笑むサンジの姿があった
「よお、起きたか?」
『……サンジ…?あれ…僕、ゾロと一緒に甲板で寝てたはずじゃ…』
辺りを見渡してみると、ここはサニー号内にあるアクアリウムだった
そして、何故かサンジに膝枕をされている
『……何で?』
「ああ、外は風が強くなってきてな。勝手にここまで運んじまったんだ」
不思議そうにしているソラの髪を撫でるサンジ
その手つきは、妙に優しいものだった
『そうなの…?ありがとう、サンジ』
「はは、どういたしまして。 ……ところで、少し気になっちまったんだが…」
お礼に対して軽く笑ったサンジの表情に、影が落ちる
僕の頭を撫でていた手が、そのまま頬、首、胸へと
『? サンジ?どうしたの…?わっ…はっ、ははは!くすぐったいよ…!』
「ソラは、あのマリモと随分仲が良いよな?…アイツだけじゃねェ、ルフィやウソップ、他の奴らとも……」
『え、ええ?そうかな?うん…ふふっ、そうだね?みんな仲良くしてくれるし…っはは、み、みんなと一緒にいるのは楽しいよ?』
サンジに胸元を撫でられる度に、くすぐったさで身体が跳ねる
思うように喋れない
どことなく、身体の内側が熱くなっている様な気がする
いったい、僕は……サンジは、どうしたのだろうか
『ね、ねぇサンジ!もうやめてよ…!くすぐったいし、何だか変な感じが…!』
「……変な感じ?」
ピタリ、とサンジが撫でる手を止める
すると、暫く間を置いてからどこか楽し気に目を細めた
「なあ…どう“変”なんだ?俺に教えてくれよ」
『え?どうって……どうなんだろう…?』
「ただくすぐったいだけじゃねェんだろ?ほら…ここは?こうすると、どう感じる?」
そう言いながら、サンジが僕の“コア”を指で
その瞬間、身体に電気が走った様な、痺れる感覚がした
『!! うぁ…っ!?』
「! ……ははっ…ここが“良い”のか」
一際身体を跳ねさせたソラを見て、サンジは思わず笑みを零す
興奮しているのか、サンジの頬は熱を持ったように赤みがかっていた
そんな表情を隠しもせず、サンジは優しく、だが執拗に“コア”を撫でながら話し出す
「……俺はな?ソラがアイツらと仲良くしてるのを眺めるのは好きなんだ。お前が楽しそうにしてるのを見るだけで、俺も嬉しくなるしな」
『サ…サンジ…っ!そこ…ビリッて、するから…!撫でるの、止め…っ』
「でもな、何事にも“限度”ってもんがあるだろ?さっきのマリモみたいに、やたらと引っ付いていられちゃ…なあ?」
『サンジ…っ!!』
制止の声も聞かず、サンジはまるで僕に言い聞かせる様に話し続ける
今まで感じた事のない感覚に堪らずこの場から逃げようとするも、僕を見詰めるサンジの視線がそれを引き留めた
……逃げたいのに、逃げられない
だって、サンジが、あまりにも
『(……なんて
あまりにも、愛おし気に笑っているから
「……アイツらばかりじゃなく、俺とももっと“仲良く”してくれよ」
『! ……仲良く…?』
「そう、今まで以上にさ。いいだろ?」
まるでサンジの膝に磔にされているかの様に、身体が動かない
そんな僕の頬を両手で優しく包み込み、サンジは言った
「だから、ソラの“良い”ところ…俺に全部、教えてくれよな?」
『(……ああ…これは…)』
初めて見る
end
(頬を赤く染めたまま笑うサンジに)
(僕は小さく頷いた)
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