今日も何時もと何ら変わりのない学校生活

……のばず、だったんだが


『………は？』

「だからテメェが昨日の放課後、姫花を殴ったんだろ！！」


……変な言いがかりを受けている


『いやぁ…知らねぇけどなぁ……』

「嘘ついてんじゃねぇ！！」

「現に姫花は怪我してるしな」


ソラを強く睨み付ける獄寺と山本

うーん、まんまと幻術に掛かってんなこいつら

昨日の今日で、よくもまぁ……


「姫花に謝れよ！！」

「そーだそーだ！！」

「謝れー！！」


謝る事なんて何もねぇんだけど

こいつらの幻術をいちいち解いてやる義理もねぇし

……仕方ない、ちょっと論してみるか


『あのよ、じゃあ聞くけど……この中で誰か、その現場を見たって奴はいるのか？』

「えっ……」

「……そ、それは…」

『ほーう、その様子じゃいねぇみてぇだな？つまり目撃者はいないって訳だ』

「……だ、だから何だってんだよ！そんなの関係……」

『ねぇ訳ねぇだろ？目撃者もいない、証拠も無い、ましてや犯行動機すらも無い。何もかも無いない尽くしじゃねぇか』


そんなんで、私を犯人に仕立て上げようだなんて


『烏滸がましいんじゃねぇか？なあ、愛崎さんよ』


そうニヤリと笑って、獄寺や山本の後ろに立っている愛崎に言う

ソラが話し終えると、教室中が水を打ったかのように静かになった

だがそれも束の間


「………」


愛崎が黙ったまま、幻術の力を強めたのが分かった

すると忽ち、生徒達が次々と騒ぎ始める


「テメェ…！！」

「ちょっと、体に教えてやった方が良さそうだな」


そう言って、金属バットを持ってソラの前に来た山本


「た、武くん…！」

「大丈夫だぜ！姫花は俺が守ってやる！」

「やっちゃえ山本ー！！」

「いけー！」


誰かがそう言ったのを合図に、山本はバットをソラに向かって振り上げた

……全く、どいつもこいつも

いい加減にしてくんねぇかなぁ

本当、馬鹿馬鹿しい


「悪いけど、死んでもらうぜ！」


山本はバットを思い切り振り下ろした


「「ソラ！！」」


綱吉や京子、花の叫び声が響く中

ソラは平然とした態度で、その場を動かなかった

誰もが頭に直撃すると思った、その瞬間