あれから時間が経ち、昼休みになった

あの女子二人がいないか教室内を見渡したが、どうやら既に屋上へと行ったようだった

愛崎はまだ教室で男子と話している

まあ、多分長くなるだろ


『(私も早く行くか)』


気を取り直して、私は屋上へと歩いて行った


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屋上に着き、扉を開く


『(さぁて、あの二人は……お、いた)』


屋上の中央辺りに、あの二人がいた

私もそちらへと歩を進める


「「！ あっ…」」


向こうも私に気付いたようだ


「あ、あんた！いったい何の用！？あんたもあたし達を嵌めるの！？」


真っ先に怒鳴ったのは、黒髪の女子

背中に茶髪の女子を庇いながら、悲痛な叫びを上げた


「あんたも愛崎の味方なの！？」


涙目になりながらも、まるで威嚇をする様に叫ぶ

二人の肩は、小さく震えていた

……全く、どの世界にもいるもんだな

“最低な人種”ってもんは


『……私は違ぇよ』

「！？ ……えっ…」

『あんな下忍以下の幻術なんか、掛かる方がどうかして……あー、いや、そうじゃなくて…私は今日転入して来たばっかなんだぞ？そんな私が、何で名前も知らねぇお前らを嵌めなきゃなんねぇんだよ』

「「あ……っ」」


つい口に出してしまった色々な単語を誤魔化しつつ、それらしい理由を述べる

そんなソラの言葉を聞くや否や、二人は力無く座り込んだ


『……あー…そうだな』


ソラは軽く頭を掻きながら、座り込む二人に近付く


『取り敢えず…お前らの名前、教えてくんない？』

「「！！」」


そう言って手を差し伸べたソラの姿は、まるで女神の様だった

二人は堪らずソラに抱き付き、大声を上げながら涙を流すのだった