「お前、学校に行かねぇか？」

『……学校？アカデミーの事か？』


学校という単語にいまいちピンと来ていないソラに、リボーンはピクリと眉を寄せた

ダメツナが帰ってくる前に二人で色々と話したが……マフィアや拳銃を知らないのは、百歩譲ってあるとしてもだ

まさか学校すら分からねぇとはな

ソラの奴、一体どんな世界で生きてきたんだ？


「(……アカデミーってのが、学校の代わりみてぇなものなのか？) アカデミーが何だか知らないが、文学や体力を身につける場所だぞ」

『ああ、そういう……いや、でも流石にもうそんな所に通う様な歳じゃねぇんだけど……』

「歳？えっでもソラって俺と同い年か…1、2歳上ぐらいに見えるんだけど……」

『………ツナ、お前何歳だよ』

「俺？俺は14歳だよ」


それを聞いたソラは、片手で頭を抑えてまたもや溜息を吐く

そしてどこか重々しく、低い声で言った


『………私は、20歳だ』

「………え……え、ええぇえ！？20歳！！？」

「……！？」


20歳と聞いて驚きの声を上げる綱吉

これには流石のリボーンも驚いたのか、ピタリと動きを固まらせた


『まあ慣れてっから別にいいけどよ…まさかそんなに若く見られてたとは……』

「ご、ごめん…！！俺はてっきり…あ、いや、その！！ごめんなさい…！？」

『あー、いいっていいって。今更敬語とか気にしてねぇから』


敬語自体、あんま好きじゃねぇし

そう言ってヘラリと笑うソラに、綱吉は幾分か心が軽くなったのを感じた

にしても、私はそんなに童顔なのか？

身長も普通にあるし…童顔じゃねぇと思うんだが……

そんなこんな考えていたら、今まで黙っていたリボーンが話し出した


「………まあ、ソラの身形だったら学生だって名乗っても問題ねぇだろ」

『いや、大ありだろ。というかどうしても学校って所に行かせてぇんだな……』

「俺の目が届く範囲に居てくれた方がいいからな」


そう小さく呟くリボーンの言葉の意図は読み取れないが、ソラはガシガシと頭を掻いて言った


『んー……まあ、よく分かんねぇけど…そういう事なら、協力してやるよ』


そう言うや否や、ソラはまたもや素早く印を結び、術を唱えた


『変化の術』


ボンッ