オマエは、オレの
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………あれから、何が起きた…?
確かシドーと再会出来た後、再び破壊神が復活して……
シドーと一緒に立ち向かおうとした時、破壊神の圧倒的な力に為す術無く吹き飛ばされて……
……シドーが…隣に居たシドーが、叫び声を……
そうだ…シドーは…シドーはどこに……
朦朧とする意識の中、立ち上がろうと身体に力を込める
だが、一向に動く気配が無い
自分自身の身体だというのに、まるで言う事を聞かない
霞む目を必死に動かしながら、周りを確認する
どうやらここは、私が超スーパーカーで乗り込んだ入口に近い場所のようだ
破壊神のあの攻撃のせいか、辺りは見るも無残に破壊され、城の八割程が瓦礫と化していた
……いや、そんな事よりもまずはシドーだ
あいつは無事なのか
一体どこに居るんだ
焦る心情の中、ふと手に伝わる生温い感触に気付く
ぬるりとした液体の様なそれは、ソラの手と地面を躊躇う事無く染めていき、じわじわと面積を広げていっているようだった
ギシリと固まる身体に鞭を打ち、その正体を確認する
それは、自身の腹部から溢れる血液だった
『…………』
それを確認したと同時に、ドクドクと感じる血液と腹部の傷の容赦無い痛みが襲ってきた
熱を持ったそれに、ソラは弱々しく息を吐いた
『(………私は…死ぬのか…?)』
シドーを連れ戻すって言っといて、このザマか
ハーゴンを倒すって言っといて、このザマか
……一緒に花火を見ようって言っといて…このザマか……
自分の情けなさを、不甲斐なさを笑う気力さえ、今はもう持ち合わせていない
……まあ、もういいか
また、シドーに会えた
それだけで、もう、充分だ
段々と思考が働かなくなっていく
重い瞼が自然と下りていく
……でも、最期に、もう一度
もう一度だけ
『(シドーの顔が……見たかった)』
薄れ行く意識の中でも、私の頭の中はシドーの事でいっぱいで
そんな自分に呆れつつも、どこか“それが当たり前だ”と感じている自分もいて
遂には完全に閉じてしまった瞼の裏に、シドーの顔を思い描いた
すると、その時だった
「──ソラ─!」
どこか遠くで、私を呼ぶ声がした
「ソラ!起きやがれ!返事をしろよ!」
揺すられる身体
心配そうな焦りの声
私が、この声を、聞き間違えるはずがない
「なんだよこれ…血か…?……ハッハッハ!ソラ!冗談はよせよ!」
何処と無く泣きそうなその声に、私の中で何かが弾けた
……そうだ、何弱気になってんだ
馬鹿か私は
あいつが、シドーが心配してくれてる
シドーが、また、私の名前を呼んでくれてる
ここで私が諦めたら
誰があいつを、救うんだ
『………ッ……』
「!! ……んん?」
ゆっくりと目を開くソラ
それを見たシドーはすぐさま膝をつき、ソラの上半身を起こす様に抱えた
「なんだよ!生きてやがったのか!心配かけやがって!!」
本当に心底心配したのか、シドーにしては珍しく目に薄らと涙を浮かべていた
そんなシドーに、ソラは安心させる様に小さく微笑むと、血の味がする喉を無視して話し出した
その声は、今にも消え入りそうなとてもか細いものだった
『………シドー……頼みが、ある……』
「! 何だ!?」
『………薬草…作ってくれ……』
「な、なにい!?」
ソラの頼みに、声を聞き逃すまいと耳を澄ませていたシドーは驚愕を顔に浮かべた
無理もない、何せシドーは今まで一度も、物作りを成功させた事は無かったのだから
「バカ言うな!オレは破壊神なんだぞ!?それに今までだって何度やっても…!!」
『……大、丈夫…』
「んああ…!?」
自分には出来ないと否定するシドーの腕を、血に濡れた自身の手でしっかりと掴む
そして、シドーの目を見詰めながら、ハッキリと告げた
『お前なら、出来る』
「!!!」
その言葉は、シドーの心に深く響いた
「……あああっ!わかったよ!やればいいんだろ!!」
オレなら、出来る
ソラはそう言ってくれた
それだけで、オレは
オレは───
「ソラを助けるんだ…なにか…なにかないか!」
優しくソラを寝かせた後、シドーは立ち上がり走り出した
そんなシドーの背中を見送りつつ、ソラはまたゆっくりと瞼を下ろすのだった
───────
─────
───
確かシドーと再会出来た後、再び破壊神が復活して……
シドーと一緒に立ち向かおうとした時、破壊神の圧倒的な力に為す術無く吹き飛ばされて……
……シドーが…隣に居たシドーが、叫び声を……
そうだ…シドーは…シドーはどこに……
朦朧とする意識の中、立ち上がろうと身体に力を込める
だが、一向に動く気配が無い
自分自身の身体だというのに、まるで言う事を聞かない
霞む目を必死に動かしながら、周りを確認する
どうやらここは、私が超スーパーカーで乗り込んだ入口に近い場所のようだ
破壊神のあの攻撃のせいか、辺りは見るも無残に破壊され、城の八割程が瓦礫と化していた
……いや、そんな事よりもまずはシドーだ
あいつは無事なのか
一体どこに居るんだ
焦る心情の中、ふと手に伝わる生温い感触に気付く
ぬるりとした液体の様なそれは、ソラの手と地面を躊躇う事無く染めていき、じわじわと面積を広げていっているようだった
ギシリと固まる身体に鞭を打ち、その正体を確認する
それは、自身の腹部から溢れる血液だった
『…………』
それを確認したと同時に、ドクドクと感じる血液と腹部の傷の容赦無い痛みが襲ってきた
熱を持ったそれに、ソラは弱々しく息を吐いた
『(………私は…死ぬのか…?)』
シドーを連れ戻すって言っといて、このザマか
ハーゴンを倒すって言っといて、このザマか
……一緒に花火を見ようって言っといて…このザマか……
自分の情けなさを、不甲斐なさを笑う気力さえ、今はもう持ち合わせていない
……まあ、もういいか
また、シドーに会えた
それだけで、もう、充分だ
段々と思考が働かなくなっていく
重い瞼が自然と下りていく
……でも、最期に、もう一度
もう一度だけ
『(シドーの顔が……見たかった)』
薄れ行く意識の中でも、私の頭の中はシドーの事でいっぱいで
そんな自分に呆れつつも、どこか“それが当たり前だ”と感じている自分もいて
遂には完全に閉じてしまった瞼の裏に、シドーの顔を思い描いた
すると、その時だった
「──ソラ─!」
どこか遠くで、私を呼ぶ声がした
「ソラ!起きやがれ!返事をしろよ!」
揺すられる身体
心配そうな焦りの声
私が、この声を、聞き間違えるはずがない
「なんだよこれ…血か…?……ハッハッハ!ソラ!冗談はよせよ!」
何処と無く泣きそうなその声に、私の中で何かが弾けた
……そうだ、何弱気になってんだ
馬鹿か私は
あいつが、シドーが心配してくれてる
シドーが、また、私の名前を呼んでくれてる
ここで私が諦めたら
誰があいつを、救うんだ
『………ッ……』
「!! ……んん?」
ゆっくりと目を開くソラ
それを見たシドーはすぐさま膝をつき、ソラの上半身を起こす様に抱えた
「なんだよ!生きてやがったのか!心配かけやがって!!」
本当に心底心配したのか、シドーにしては珍しく目に薄らと涙を浮かべていた
そんなシドーに、ソラは安心させる様に小さく微笑むと、血の味がする喉を無視して話し出した
その声は、今にも消え入りそうなとてもか細いものだった
『………シドー……頼みが、ある……』
「! 何だ!?」
『………薬草…作ってくれ……』
「な、なにい!?」
ソラの頼みに、声を聞き逃すまいと耳を澄ませていたシドーは驚愕を顔に浮かべた
無理もない、何せシドーは今まで一度も、物作りを成功させた事は無かったのだから
「バカ言うな!オレは破壊神なんだぞ!?それに今までだって何度やっても…!!」
『……大、丈夫…』
「んああ…!?」
自分には出来ないと否定するシドーの腕を、血に濡れた自身の手でしっかりと掴む
そして、シドーの目を見詰めながら、ハッキリと告げた
『お前なら、出来る』
「!!!」
その言葉は、シドーの心に深く響いた
「……あああっ!わかったよ!やればいいんだろ!!」
オレなら、出来る
ソラはそう言ってくれた
それだけで、オレは
オレは───
「ソラを助けるんだ…なにか…なにかないか!」
優しくソラを寝かせた後、シドーは立ち上がり走り出した
そんなシドーの背中を見送りつつ、ソラはまたゆっくりと瞼を下ろすのだった
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