オマエは、オレの
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地鳴りの様な叫び声が谺する
破壊神シドーは、今、私の目の前で力無く地に伏せた
他でもない、私の手によって
『……ッハァ……ハァ……』
終わった
何もかも、全部
私は、シドーとの約束を果たせた
『ハァ……ハァ………』
全力で戦ったせいで息は上がり、汗は滴り、剣や盾の重みで腕は最早思う様に動かない
“これから先オレに何かあったら、オマエがぶん殴ってオレの目を覚まさせてくれ”
そう言ったシドーの言葉が、姿が、頭の中を埋め尽くす
破壊神の後方で有り得ないとでも言うかの様に唸るハーゴンの声は、どこか他人事の様に耳に響いていた
『………ッ……』
私は、シドーとの約束を果たせた
そのはず、なのに
例え破壊神だとしても、自分の相棒を手に掛けた事実が
自分の大切な人を斬った事実が
私の心に、重く伸し掛る
『………シドー……』
弱々しく名前を呟き、微動だにしない破壊神へとフラフラと近付く
なあ、冗談だろ?
このまま、これで終わりな訳ないよな?
だってお前は、この程度でやられるような、そんなタマじゃない
なあ、そうだろ?
だから、早く
早く
『………目……覚ませよ…!』
お前が言ったんだろ
ぶん殴ってでも目を覚まさせてくれって
約束しただろ
だったら早く、目覚ませよ
忘れたなんて言わせねぇぞ
『………なあ…!!』
分かってる
こんなの自分勝手だって
自分でトドメを刺したくせに、何言ってんだって
でも、それでも、どうしても
『シドー……!!!』
苦しげに声を上げながら、ソラは未だピクリとも動かない破壊神の頬に手を添え、額を寄せるようにして蹲る
そして、気付いた
『!! ……シドー…?』
もう二度と起きる事は無いと思っていた、破壊神の内側から
微かに、ほんの僅かに
シドーの力を感じる事に
───ソラ───
『!!!』
その瞬間、ずっと聞きたかったあの声が、ソラの頭に響いた
ガバリと身体を起こしたソラは、シドーに届く様に声を張り上げる
『オイ!!シドー!!聞こえるか!!お前まだそこに居るんだろ!!!なあ!!!』
生きているなら、目を開けてくれ
『お前約束破る気かよ!!冗談じゃねぇぞ!!そんなの許さねぇからな!!!』
生きているなら、返事をしてくれ
『私はまだ…!!お前とやりたい事も!!見たいものもあるんだよ!!こんなとこでくたばってんじゃねぇぞ!!!』
生きているなら、もう一度、私の名前を──
『二人で帰って!!一緒に花火見るぞ!!シドー!!!』
その時だった
破壊神の右手がゆっくりと挙がり、掌に眩い光が輝き出す
それを見たソラは驚いた様に目を見開いた後、切なそうに、愛おしそうに目を細めた
……そうだ、そうだよな
私らは、いつも、そうしてきたもんな
ソラは輝くその掌の前に立ち、自身の右手を大きく振りかぶる
ソラの声はしっかりと、シドーに届いていた
勢い良く重なる二人の掌
パシンッという小粋の良い音が鳴り響くと同時に、破壊神の身体が光ったかと思うと、突然紫色の煙に包まれた
立ち込める煙は段々と勢いを失い、徐々に消えていく
そして、煙が晴れた先に現れたのは
「……ハハハ…やっぱりオマエか……」
今、誰よりも一番会いたかった
あの、“いつもの”シドーだった
「バッバカな!何故キサマが!?」
今まで項垂れていたハーゴンが、シドーを見て驚きの声を上げる
そんなハーゴンを他所に、シドーはソラの目をしっかりと見詰めながら言った
「オレとの約束、守ってくれたんだな…オマエの剣、まあまあ効いたぜ…!」
『………ッ…!!』
「まっまさか…こやつらは、それほどまでに強い絆で…!?」
今、目の前で私に笑いかけるシドーに
私は、何も言えなかった
───────
─────
───
破壊神シドーは、今、私の目の前で力無く地に伏せた
他でもない、私の手によって
『……ッハァ……ハァ……』
終わった
何もかも、全部
私は、シドーとの約束を果たせた
『ハァ……ハァ………』
全力で戦ったせいで息は上がり、汗は滴り、剣や盾の重みで腕は最早思う様に動かない
“これから先オレに何かあったら、オマエがぶん殴ってオレの目を覚まさせてくれ”
そう言ったシドーの言葉が、姿が、頭の中を埋め尽くす
破壊神の後方で有り得ないとでも言うかの様に唸るハーゴンの声は、どこか他人事の様に耳に響いていた
『………ッ……』
私は、シドーとの約束を果たせた
そのはず、なのに
例え破壊神だとしても、自分の相棒を手に掛けた事実が
自分の大切な人を斬った事実が
私の心に、重く伸し掛る
『………シドー……』
弱々しく名前を呟き、微動だにしない破壊神へとフラフラと近付く
なあ、冗談だろ?
このまま、これで終わりな訳ないよな?
だってお前は、この程度でやられるような、そんなタマじゃない
なあ、そうだろ?
だから、早く
早く
『………目……覚ませよ…!』
お前が言ったんだろ
ぶん殴ってでも目を覚まさせてくれって
約束しただろ
だったら早く、目覚ませよ
忘れたなんて言わせねぇぞ
『………なあ…!!』
分かってる
こんなの自分勝手だって
自分でトドメを刺したくせに、何言ってんだって
でも、それでも、どうしても
『シドー……!!!』
苦しげに声を上げながら、ソラは未だピクリとも動かない破壊神の頬に手を添え、額を寄せるようにして蹲る
そして、気付いた
『!! ……シドー…?』
もう二度と起きる事は無いと思っていた、破壊神の内側から
微かに、ほんの僅かに
シドーの力を感じる事に
───ソラ───
『!!!』
その瞬間、ずっと聞きたかったあの声が、ソラの頭に響いた
ガバリと身体を起こしたソラは、シドーに届く様に声を張り上げる
『オイ!!シドー!!聞こえるか!!お前まだそこに居るんだろ!!!なあ!!!』
生きているなら、目を開けてくれ
『お前約束破る気かよ!!冗談じゃねぇぞ!!そんなの許さねぇからな!!!』
生きているなら、返事をしてくれ
『私はまだ…!!お前とやりたい事も!!見たいものもあるんだよ!!こんなとこでくたばってんじゃねぇぞ!!!』
生きているなら、もう一度、私の名前を──
『二人で帰って!!一緒に花火見るぞ!!シドー!!!』
その時だった
破壊神の右手がゆっくりと挙がり、掌に眩い光が輝き出す
それを見たソラは驚いた様に目を見開いた後、切なそうに、愛おしそうに目を細めた
……そうだ、そうだよな
私らは、いつも、そうしてきたもんな
ソラは輝くその掌の前に立ち、自身の右手を大きく振りかぶる
ソラの声はしっかりと、シドーに届いていた
勢い良く重なる二人の掌
パシンッという小粋の良い音が鳴り響くと同時に、破壊神の身体が光ったかと思うと、突然紫色の煙に包まれた
立ち込める煙は段々と勢いを失い、徐々に消えていく
そして、煙が晴れた先に現れたのは
「……ハハハ…やっぱりオマエか……」
今、誰よりも一番会いたかった
あの、“いつもの”シドーだった
「バッバカな!何故キサマが!?」
今まで項垂れていたハーゴンが、シドーを見て驚きの声を上げる
そんなハーゴンを他所に、シドーはソラの目をしっかりと見詰めながら言った
「オレとの約束、守ってくれたんだな…オマエの剣、まあまあ効いたぜ…!」
『………ッ…!!』
「まっまさか…こやつらは、それほどまでに強い絆で…!?」
今、目の前で私に笑いかけるシドーに
私は、何も言えなかった
───────
─────
───