例え、脇役だとしても
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貴女の事を“主役”だというのなら
一農民である私は、さながら“脇役”なのでしょう
そんな脇役である私でも、この“現実世界”に生きている一人の人間である事に変わりはありません
感情の無い人形であるつもりもないので、物作りに惹かれる事もあれば、一丁前に恋心を抱く事もあります
単刀直入に言うのであれば、私は現在進行形で、とある方に恋をしているのです
その方にこんな感情を向ける事すら烏滸がましいのですが、今日はその方について色々と話していこうと思います
その方の名前はソラ殿
水色の髪と青い瞳がとても美しい、意外と男勝りな女性
多くの人々の願いを聞き入れ、沢山の物を作り出し、我が故郷モンゾーラを救ってくれたビルダー
……そう、“ビルダー”なのです
「(ビルダー教の信者である私が、なんと不敬な)」
“好意を寄せた相手が、たまたまビルダーだった”
きっと、よくある話なのでしょう
出会った当初は宗教上の違いで目の敵にしていたはずなのに、何故よりにもよって彼女の事を好きになってしまったのか
今思えば、私は最初から、彼女の事が気になっていたように感じるのです
所謂、“一目惚れ”というものだったのでしょう
これもきっと、よくある話
「………」
モンゾーラからからっぽ島に移り住み、相変わらず畑仕事をしていたヒースは、休憩がてら畑の近くにあるベンチに腰を下ろした
キラキラとした日差しを浴び、賑やかな島の人々の声を聞き流す
そしてふと、視界の端に“あの色”を捉えた
『見て見てシドー!新しい魚釣れた!』
「おお!大物だな、すごいぞソラ!」
からっぽ島で初めて造ったと聞かされた川の縁に立ち、相棒のシドー殿と一緒に楽しそうに魚釣りをしているソラ殿
その青空の様に綺麗な水色を見つけ、先程までボーっとしていた己の視界が一気に開ける感覚がした
他の物など目に入らない程、あの方は今日も輝いて見える
それと同時に、心がズキリと悲鳴を上げた
「(……ああ、貴女は今日も可愛らしい)」
シドーに向けられる晴れやかな笑顔を見て、ヒースは眩しそうに眉を寄せる
……ソラ殿の隣には、いつもシドー殿がいる
お二人の間にある絆は、それこそ相棒以上のものなのでしょう
そんな事は、今更考えなくてもとうに理解しているのです
ですが、そんな彼女を、私は無謀にも好いてしまった
必死に気のせいだと自分に言い聞かせ続けても、この想いは留まる事を知らずに、今も彼女を求めている
気が付いたら、目で追っていた
気が付いたら、傍にいたくなっていた
気が付いたら、好きになっていた
それでも尚、このからっぽ島での生活は変わる事なく過ぎていく
「………はぁ…」
「どうしたんスか?溜息なんか吐いて」
「うおっ!?……ポ、ポンペ殿、いつの間に…!?」
無意識に俯いていた頭を勢い良く上げると、目の前には同郷のポンペが立っていた
ヒースと同じく農民であるポンペとは、いつも一緒にこの“緑の開拓地”で農作業をしている
「畑耕すのに疲れちゃったんスか?今日は日差しが暑いッスもんねぇ~」
「い、いえ…農民の子孫でありビルダー教の信者でもある私が、この程度の畑作りで音を上げるなど……」
自身の首にかけているタオルで顔を拭きながら隣に座るポンペに、ヒースはどこか弱々しい声色で呟いた
その逸らされた視線の先を見て、ポンペは全て察したかのように言う
一農民である私は、さながら“脇役”なのでしょう
そんな脇役である私でも、この“現実世界”に生きている一人の人間である事に変わりはありません
感情の無い人形であるつもりもないので、物作りに惹かれる事もあれば、一丁前に恋心を抱く事もあります
単刀直入に言うのであれば、私は現在進行形で、とある方に恋をしているのです
その方にこんな感情を向ける事すら烏滸がましいのですが、今日はその方について色々と話していこうと思います
その方の名前はソラ殿
水色の髪と青い瞳がとても美しい、意外と男勝りな女性
多くの人々の願いを聞き入れ、沢山の物を作り出し、我が故郷モンゾーラを救ってくれたビルダー
……そう、“ビルダー”なのです
「(ビルダー教の信者である私が、なんと不敬な)」
“好意を寄せた相手が、たまたまビルダーだった”
きっと、よくある話なのでしょう
出会った当初は宗教上の違いで目の敵にしていたはずなのに、何故よりにもよって彼女の事を好きになってしまったのか
今思えば、私は最初から、彼女の事が気になっていたように感じるのです
所謂、“一目惚れ”というものだったのでしょう
これもきっと、よくある話
「………」
モンゾーラからからっぽ島に移り住み、相変わらず畑仕事をしていたヒースは、休憩がてら畑の近くにあるベンチに腰を下ろした
キラキラとした日差しを浴び、賑やかな島の人々の声を聞き流す
そしてふと、視界の端に“あの色”を捉えた
『見て見てシドー!新しい魚釣れた!』
「おお!大物だな、すごいぞソラ!」
からっぽ島で初めて造ったと聞かされた川の縁に立ち、相棒のシドー殿と一緒に楽しそうに魚釣りをしているソラ殿
その青空の様に綺麗な水色を見つけ、先程までボーっとしていた己の視界が一気に開ける感覚がした
他の物など目に入らない程、あの方は今日も輝いて見える
それと同時に、心がズキリと悲鳴を上げた
「(……ああ、貴女は今日も可愛らしい)」
シドーに向けられる晴れやかな笑顔を見て、ヒースは眩しそうに眉を寄せる
……ソラ殿の隣には、いつもシドー殿がいる
お二人の間にある絆は、それこそ相棒以上のものなのでしょう
そんな事は、今更考えなくてもとうに理解しているのです
ですが、そんな彼女を、私は無謀にも好いてしまった
必死に気のせいだと自分に言い聞かせ続けても、この想いは留まる事を知らずに、今も彼女を求めている
気が付いたら、目で追っていた
気が付いたら、傍にいたくなっていた
気が付いたら、好きになっていた
それでも尚、このからっぽ島での生活は変わる事なく過ぎていく
「………はぁ…」
「どうしたんスか?溜息なんか吐いて」
「うおっ!?……ポ、ポンペ殿、いつの間に…!?」
無意識に俯いていた頭を勢い良く上げると、目の前には同郷のポンペが立っていた
ヒースと同じく農民であるポンペとは、いつも一緒にこの“緑の開拓地”で農作業をしている
「畑耕すのに疲れちゃったんスか?今日は日差しが暑いッスもんねぇ~」
「い、いえ…農民の子孫でありビルダー教の信者でもある私が、この程度の畑作りで音を上げるなど……」
自身の首にかけているタオルで顔を拭きながら隣に座るポンペに、ヒースはどこか弱々しい声色で呟いた
その逸らされた視線の先を見て、ポンペは全て察したかのように言う