せめて、あなたの近くに
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からっぽ島という所からやって来たあなたは、自らをビルダーだと名乗った
ハーゴン様の教えが伝わっているこのモンゾーラの地で、あたかも当たり前かの様に言う彼女に、俺は興味を引かれたんだ
いったいどんな奴なんだと最初は警戒してはいたが、そんなものは杞憂に終わった
彼女─ソラさんは、チャコさんやドルトンさんの頼みを快く引き受け、一緒になって大農園を造ろうと努力してくれた
もちろん俺の頼みも、嫌な顔一つせずに引き受けてくれた
畑を造る為にあちこちを走り回る姿や、一生懸命に柵を立てる姿
野菜の種を植えて、収穫して、綺麗に実ったなと嬉しそうに笑うその姿を見て
俺はいつの間にか、あなたに惹かれていたんだ
日に日にあなたの後ろ姿を目で追う事が増えていった
綺麗な水色の髪を見て、青空を思い出す日々が増えていった
凛とした声を聞いて、明日を願う日々が増えていった
あなたの立っている、その横を、隣を見て
「おいソラ!新しい種を探しに行くんだろ?早く行こうぜ!」
『あっ、ちょ、待てってシドー!』
苦しくなる日々が、増えていった
「………」
俺は、ただのしがない一農民で
魔物に対抗出来る力も無ければ、誰かを守る度胸も無い
もしもあの人の様に、シドーさんの様に、戦えたとしたら
俺は、あなたの隣に立つ事が──
「(………なんてな)」
そんなものは夢物語だ
大農園が完成しても、ヒババンゴを打ち倒しても、モンゾーラの地に平和が戻っても
俺はただ、ソラさんとシドーさんの背中を見ている事しか出来ない
あの二人は、お互いを一番に想い合っている
傍から見ていても分かる程、その絆は強いものだ
そんな二人の間に入る事なんて出来ない
俺には、勇気が無い
「(……本当、何で気付いちまったんスかねぇ…望みなんか無いのに……)」
新たな大樹が出来上がり、モンゾーラに光が満ちた
ハーゴン教団に勝利したんだと、皆が喜び、騒ぎ、笑い合っている
そんな中でも、ソラさんとシドーさんは隣同士に並んだまま
これで全部、ハッピーエンド
「……ちゃんと、好きだったんスよ。あなたの事が」
ハッピーエンドなんだ
『おーいポンペ!私らはからっぽ島に帰ろうかと思ってんだけど、お前はどうする?』
俺に向かって手を振りながら、シドーさんと一緒にこちらへ来るソラさん
そのヘラリとしたはにかむ様な笑顔が、俺は大好きなんだ
「……そんなの、決まってるじゃないっスか!」
俺にとって、あなたは輝く太陽だ
文字通り、俺の行く先を照らしてくれた
「“お二人”とお別れなんて嫌っスよ!俺も一緒にからっぽ島に連れて行ってくれないっスか!?」
『ははっ、分かったよ!お前も一緒に来い!』
「いやったっスぅううーーー!!!俺、ソラさんの恩返しの為にもバリバリ働くっスよ!」
そんなあなたの隣に立てる日は、来る事は無いのだろうけど
ここで離ればなれになるなんて、それこそ耐えられそうにない
この気持ちは伝えずに、俺の心の中にしまっておこう
あなたを困らせる様な事はしたくないから
二人の邪魔だけは、したくないから
だから
「俺とソラさんとシドーさんの三人は、モンゾーラの仲良し三人組っスもんね!」
せめて、あなたの近くに
end
(居させてください)
ハーゴン様の教えが伝わっているこのモンゾーラの地で、あたかも当たり前かの様に言う彼女に、俺は興味を引かれたんだ
いったいどんな奴なんだと最初は警戒してはいたが、そんなものは杞憂に終わった
彼女─ソラさんは、チャコさんやドルトンさんの頼みを快く引き受け、一緒になって大農園を造ろうと努力してくれた
もちろん俺の頼みも、嫌な顔一つせずに引き受けてくれた
畑を造る為にあちこちを走り回る姿や、一生懸命に柵を立てる姿
野菜の種を植えて、収穫して、綺麗に実ったなと嬉しそうに笑うその姿を見て
俺はいつの間にか、あなたに惹かれていたんだ
日に日にあなたの後ろ姿を目で追う事が増えていった
綺麗な水色の髪を見て、青空を思い出す日々が増えていった
凛とした声を聞いて、明日を願う日々が増えていった
あなたの立っている、その横を、隣を見て
「おいソラ!新しい種を探しに行くんだろ?早く行こうぜ!」
『あっ、ちょ、待てってシドー!』
苦しくなる日々が、増えていった
「………」
俺は、ただのしがない一農民で
魔物に対抗出来る力も無ければ、誰かを守る度胸も無い
もしもあの人の様に、シドーさんの様に、戦えたとしたら
俺は、あなたの隣に立つ事が──
「(………なんてな)」
そんなものは夢物語だ
大農園が完成しても、ヒババンゴを打ち倒しても、モンゾーラの地に平和が戻っても
俺はただ、ソラさんとシドーさんの背中を見ている事しか出来ない
あの二人は、お互いを一番に想い合っている
傍から見ていても分かる程、その絆は強いものだ
そんな二人の間に入る事なんて出来ない
俺には、勇気が無い
「(……本当、何で気付いちまったんスかねぇ…望みなんか無いのに……)」
新たな大樹が出来上がり、モンゾーラに光が満ちた
ハーゴン教団に勝利したんだと、皆が喜び、騒ぎ、笑い合っている
そんな中でも、ソラさんとシドーさんは隣同士に並んだまま
これで全部、ハッピーエンド
「……ちゃんと、好きだったんスよ。あなたの事が」
ハッピーエンドなんだ
『おーいポンペ!私らはからっぽ島に帰ろうかと思ってんだけど、お前はどうする?』
俺に向かって手を振りながら、シドーさんと一緒にこちらへ来るソラさん
そのヘラリとしたはにかむ様な笑顔が、俺は大好きなんだ
「……そんなの、決まってるじゃないっスか!」
俺にとって、あなたは輝く太陽だ
文字通り、俺の行く先を照らしてくれた
「“お二人”とお別れなんて嫌っスよ!俺も一緒にからっぽ島に連れて行ってくれないっスか!?」
『ははっ、分かったよ!お前も一緒に来い!』
「いやったっスぅううーーー!!!俺、ソラさんの恩返しの為にもバリバリ働くっスよ!」
そんなあなたの隣に立てる日は、来る事は無いのだろうけど
ここで離ればなれになるなんて、それこそ耐えられそうにない
この気持ちは伝えずに、俺の心の中にしまっておこう
あなたを困らせる様な事はしたくないから
二人の邪魔だけは、したくないから
だから
「俺とソラさんとシドーさんの三人は、モンゾーラの仲良し三人組っスもんね!」
せめて、あなたの近くに
end
(居させてください)