それが、俗に言う
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「ソラさんとシドーさんって、どういう関係なんスか?」
『………え?』
朝から畑の周りを木の柵で囲む作業をしていたソラは、そのままの姿勢で一瞬固まった
声の主であるポンペの方を見ると、当の本人は水汲み場の縁に腰掛けながら、何食わぬ顔でこちらを見ていた
『……何だよ急に』
「いやぁ~ずっと気になってはいたんスよねぇ、モンゾーラに来る前からずっと一緒だったらしいじゃないっスか」
『ああ…まあな』
腕を組みながら言うポンペの言葉を聞き流しながら、また作業を再開する
あっそういや、この畑には後でキビを植えるから周りに土を盛らなきゃいけないんだっけか…まあみみずんに泥を土に変えてもらってからでいいか
「ちょっとソラさん!俺の話聞いてます!?」
『あー、聞いてる聞いてる』
一旦作業を止めて不満そうな声を上げる方を向きながら、建てたばかりの木の柵に寄り掛かる
『どういう関係って言われてもなぁ…私もあいつも、からっぽ島ってとこに漂流した仲っつーか…まあ、何やかんや一緒にいるんだよ』
「え、それだけなんスか?」
『そう、言わば“成り行き”だな』
今思えば、私とシドーが一緒にいる理由はシドーが記憶喪失で行く宛も無く、更にはシドーの方から“お前と一緒ならからっぽ島に住んでもいい”と言ってきたからだ
同じ様に行く宛が無かった私は、島を丸ごと一つ貰ってしまった上に別段断る理由も無かった為、大して考えもせずそれを承諾した
シドーは物作りは出来ないものの、戦闘センスは私とは比べ物にならない程良く、毎度すぐに魔物を蹴散らしてくれるから有難いと言えば有難いが
ポンペが言う通り、よくよく考えたら“たったそれだけの事”なんだよな
「ふーん、そうなんスねぇ…でも俺には、どうもそれだけには見えないっスけど……」
『当事者である私がそうだって言ってんのに?』
「だって考えてもみて下さいっスよ!今だってソラさんの周りを警戒する様に見回ってるんスよ?」
口元に手を当てながら少し小さい声でそう言うポンペにつられて、一定距離を保った場所で辺りを見渡しているシドーを横目に見る
「今だけじゃなく、それが毎日じゃないっスか!普通こんなボディーガードみたいなこと、したくても出来ないっスよ!」
『まあ私ビルダーだし弱いから、魔物に襲われて作業が滞らないようにしてくれてんだろ』
「……はぁ~、ソラさん…ぜんっぜん分かってないっスねぇ…男心ってものをぜんっぜん分かってないっス」
お陰で畑も順調に出来てると満足そうに笑えば、返って来たのは呆れた様な溜め息で
うるせぇこちとら歴とした女なんだよ、“ぜんっぜん”とか言うな
「おいオマエ達、さっきから何を騒いでるんだ?」
ヤレヤレといったポーズをとるポンペに物言いたげな視線を送っていると、いつの間にかシドーが傍まで来て首を傾げていた
『いや、別に大した事じゃ…あっそうだシドー、お前に作った部屋があるんだけど、どんな家具が欲しいかとか聞きたいからよかったら一緒に来てくれ』
「おっ本当か!?ついにオレにも部屋が…!分かった、ついてくぜ!」
『おう。んじゃポンペ、ちょっと行ってくるわ』
「……え、あ、了解っス!」
そういえば昨日夜通しでシドーの部屋を作っていた事を思い出し、ポンペに一言告げてからシドーと一緒にその場へ向かう
二人並んで仲良く歩いて行く背中を見つめながら、ポンペはまたもや小さく溜め息を吐いた
「……シドーさんもシドーさんっスけど、ソラさんもソラさんなんスよねぇ…」
俺達のお願いは全部引き受けてくれるし、女の子にしちゃ口は悪いけど心はとても真っ直ぐで、何だかんだ言って誰にでも優しい
でもその“優しさ”が、シドーさんに対してだけは更に強いというか……
シドーさんには、頼まれなくても色々な物を作ってあげているし
それは所謂、無意識の成せる技なのか
「二人共全く気付いてないんだから、タチが悪いっスよねぇ」
それが、俗に言う
end
(“愛”ってやつだと思うんスけど)
(なんか妬けるんで、絶対言ってやらないっス)
『………え?』
朝から畑の周りを木の柵で囲む作業をしていたソラは、そのままの姿勢で一瞬固まった
声の主であるポンペの方を見ると、当の本人は水汲み場の縁に腰掛けながら、何食わぬ顔でこちらを見ていた
『……何だよ急に』
「いやぁ~ずっと気になってはいたんスよねぇ、モンゾーラに来る前からずっと一緒だったらしいじゃないっスか」
『ああ…まあな』
腕を組みながら言うポンペの言葉を聞き流しながら、また作業を再開する
あっそういや、この畑には後でキビを植えるから周りに土を盛らなきゃいけないんだっけか…まあみみずんに泥を土に変えてもらってからでいいか
「ちょっとソラさん!俺の話聞いてます!?」
『あー、聞いてる聞いてる』
一旦作業を止めて不満そうな声を上げる方を向きながら、建てたばかりの木の柵に寄り掛かる
『どういう関係って言われてもなぁ…私もあいつも、からっぽ島ってとこに漂流した仲っつーか…まあ、何やかんや一緒にいるんだよ』
「え、それだけなんスか?」
『そう、言わば“成り行き”だな』
今思えば、私とシドーが一緒にいる理由はシドーが記憶喪失で行く宛も無く、更にはシドーの方から“お前と一緒ならからっぽ島に住んでもいい”と言ってきたからだ
同じ様に行く宛が無かった私は、島を丸ごと一つ貰ってしまった上に別段断る理由も無かった為、大して考えもせずそれを承諾した
シドーは物作りは出来ないものの、戦闘センスは私とは比べ物にならない程良く、毎度すぐに魔物を蹴散らしてくれるから有難いと言えば有難いが
ポンペが言う通り、よくよく考えたら“たったそれだけの事”なんだよな
「ふーん、そうなんスねぇ…でも俺には、どうもそれだけには見えないっスけど……」
『当事者である私がそうだって言ってんのに?』
「だって考えてもみて下さいっスよ!今だってソラさんの周りを警戒する様に見回ってるんスよ?」
口元に手を当てながら少し小さい声でそう言うポンペにつられて、一定距離を保った場所で辺りを見渡しているシドーを横目に見る
「今だけじゃなく、それが毎日じゃないっスか!普通こんなボディーガードみたいなこと、したくても出来ないっスよ!」
『まあ私ビルダーだし弱いから、魔物に襲われて作業が滞らないようにしてくれてんだろ』
「……はぁ~、ソラさん…ぜんっぜん分かってないっスねぇ…男心ってものをぜんっぜん分かってないっス」
お陰で畑も順調に出来てると満足そうに笑えば、返って来たのは呆れた様な溜め息で
うるせぇこちとら歴とした女なんだよ、“ぜんっぜん”とか言うな
「おいオマエ達、さっきから何を騒いでるんだ?」
ヤレヤレといったポーズをとるポンペに物言いたげな視線を送っていると、いつの間にかシドーが傍まで来て首を傾げていた
『いや、別に大した事じゃ…あっそうだシドー、お前に作った部屋があるんだけど、どんな家具が欲しいかとか聞きたいからよかったら一緒に来てくれ』
「おっ本当か!?ついにオレにも部屋が…!分かった、ついてくぜ!」
『おう。んじゃポンペ、ちょっと行ってくるわ』
「……え、あ、了解っス!」
そういえば昨日夜通しでシドーの部屋を作っていた事を思い出し、ポンペに一言告げてからシドーと一緒にその場へ向かう
二人並んで仲良く歩いて行く背中を見つめながら、ポンペはまたもや小さく溜め息を吐いた
「……シドーさんもシドーさんっスけど、ソラさんもソラさんなんスよねぇ…」
俺達のお願いは全部引き受けてくれるし、女の子にしちゃ口は悪いけど心はとても真っ直ぐで、何だかんだ言って誰にでも優しい
でもその“優しさ”が、シドーさんに対してだけは更に強いというか……
シドーさんには、頼まれなくても色々な物を作ってあげているし
それは所謂、無意識の成せる技なのか
「二人共全く気付いてないんだから、タチが悪いっスよねぇ」
それが、俗に言う
end
(“愛”ってやつだと思うんスけど)
(なんか妬けるんで、絶対言ってやらないっス)
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