「ソラ様の…！！ソラ様の腕がぁ！！！」


そこにいたのは、片腕がボロボロに割れてしまったソラの姿だった

その反動で、ノアがガクンッと傾く

それに気付いたルフィは、バッとソラの方へ顔を向けて目を見開いた


「！！！ ソラ……！！！」


かつて自分を救ってくれた恩人がルフィの脳裏に浮かび上がり、ソラの姿と重なった

唖然としているルフィを見て、ソラは片腕のままノアを引き留め直した


『……！！ う……ッ！！！ルフィ！！手を止めないで！！！』

「……！！！ だ、だけどよ…！！」

『僕の事はいいから！！！全部守るんじゃなかったの！！？』

「！！！ ……！！ 分かった！！！」

「ソラ様！！もうお止め下さい！！！このままではソラ様のお身体が……！！！」


ソラの一喝を受け、ルフィは再びノアを壊し始める

そんな中、涙を流しながら必死に訴えかけてくるしらほしに、ソラは苦しそうに呻きながらも言った


『……！！ 今、ここで止めたら…魚人島はどうなる…？』

「！！！」

『……ッ…ルフィが、あんなに頑張ってるんだ……僕が勝手に、止める訳にはいかないよ』


ボロボロになりながら、それでも尚優しく微笑むソラに、しらほしはそれ以上何も言えなかった


「“ゴムゴムの”ォ！！！」


身体から血を噴き出している事も厭わず、ルフィはノアを破壊し続ける


「“象銃乱打（エレファント・ガトリング）”～～～！！！！」


ドドドドドドドォンッ！！！


ルフィとソラが奮闘している姿は、魚人島にいる全員が見ていた

“貯空庫”の兵士達が、通信機を使って島全体に状況を逐一報告しているようだ


「おおおおおお！！！」


地上では新魚人海賊団の幹部達を倒した麦わらの一味が、固唾を吞んで見守っている


『……！！ ヴ……グ……ッ！！！』

「止まれ舟～～～！！！」


ノアを殴り続けるルフィと、魔法で引き留めるソラ

どちらか片方でも止まってしまったら、魚人島は助からない

そんな緊迫した状況の中、ソラとルフィの脳内に誰かも分からない声が響いた


【やめろ！！！】

「わっ！！！ ！！？ 誰だァ！！！！」

『！！ しらほし…！？』

「ルフィ様！！もうお止めに！！ルフィ様！！」


息も絶え絶えに叫ぶルフィの元へ、突然しらほしが泳いで行く

それに対してソラが驚いているのも束の間、しらほしはあろう事かルフィとノアの間に割って入った


「お止めになって下さい！！！」

「『！！！？』」

「どけ！！！よわほし！！！早く壊さねェとソラと島が！！！！」

「きゃあ！！も！！もういいのです！！！」

「いいわけねェだろ！！！みんな島にいるんだぞ！！！」

「“ノア”はもう…！！」


怒鳴るルフィに怖がりつつも、しらほしは大声で泣きながら叫んだ